不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

隣接地と一緒に土地を販売したら“相場以上”で売却できました!

先日、土地売却の仲介に入った物件ですが、
隣接地と一緒に売却することで、相場の29%増しの価格で
契約に結びつけることができました。

私が仲介して売却したAさんの土地は、北側の道路に接道しており、
南側隣接地には低層ですがマンションが建っている関係で、日当たりに問題がありました。
また、戸建を立てようとする人が求める土地に比べると若干広いため、総額が高くなり、
予算範囲を超えてしまうことが考えられ、購入検討者が少なくなることが予想されました。


そのような事情や、周辺の売買事例等を調べ、
私が売主Aさんへ提示した査定額は3,100万円(仮)でした。


売却活動を開始しようとした際、Aさんから「隣接地所有者Bさんも、
その土地を売却する可能性がある」ことを教えていただきました。
隣接地は、北側と東側の道路に接道する角地であり、南側に高い建物も無く、
単独で売却しても、高値売却が見込まれる土地です。
一緒に売却することができれば、Aさんにとって売却条件が良くなります。


そこで隣接地所有者Bさんへ連絡したところ、
Aさんの土地と一緒に売却することで、条件が良くなれば、
一緒に売却してもよいとの回答を得ました。
ただし、Bさんの土地の売却は、
昔から付き合いのある不動産業者に依頼するということでした。


その不動産業者の担当者と協力して、高値で購入してくれる先を探した結果、
3階建の建物の販売を得意とする建売業者が、4,000万円(仮)で購入したい旨打診してくれました。
他の建売業者は、Aさんの土地とBさんの土地を併せて4棟の建売住宅の建設を
検討するところが多かったのですが、
この業者が6棟の建築を計画されたことが、土地の仕入れ価格の上昇につながりました。
Bさんの土地の価格も相場より高くなり、Bさんも喜んでくれました。


今回は非常に稀なケースかと思いますが、隣接地所有者へ
連絡しなければ、今回の事例のように話は進まなかったと思います。


今回のようなケースでなくても、土地を売却する際は、
まずは、隣接地の所有者にお話をされた方が良いと思います。

昔から「隣の土地は倍出しても買え」とか「隣の土地は借金してでも買え」
と言われるように、多少相場より高くても、購入してもらえる可能性があります。

また、他の方に土地を売却する際でも、隣接地との境界の確定が必要になり、
隣接地の方に立会をお願いすることになりますので、
「ご挨拶」の意味も含め、お話はしておいたほうがよいのではないでしょうか。


不動産に関すること、お気軽にお問い合わせください。
名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 http://www.meinan-re.com/

価格差なんと230倍超 ~都道府県庁所在都市最高路線価~

先日公表されました平成27年分都道府県庁所在都市の最高路線価の上位と下位は、下記の通りです。

(上位) 都市名 最高路線価   対前年変動率 (下位) 都市名 最高路線価 対前年変動率  
   1    東京   26,960千円       14.2%      1      鳥取     115千円        ▲4.2% 
   2     大阪         8,320千円       10.1%     2      秋田     130千円        ▲3.7%
   3     名古屋  7,360千円      11.5%          2      前橋     130千円          0.0%
   4     横浜      7,130千円        7.1%          4      松江     135千円          0.0%
   5     福岡     5,000千円        5.3%          5      山口     145千円        ▲3.3%

路線価は㎡単価ですので、一般的に馴染みがある坪単価に換算すると、最上位である東京(銀座)の
価格は89,124千円になります。
ちなみに、最上位の東京と最下位の鳥取の価格差は、約234倍になります。
次に、各国税局管轄内で都道府県庁所在都市の最高路線価の最上位と最下位を調べてみると、
下記の通りとなります。

(仙台国税局) 都市名 最高路線価    対前年変動率              都市名 最高路線価 対前年変動率
最上位     仙台       1,760千円         4.8%   最下位 秋田   130千円       ▲3.7%
(関東信越港勢局)
最上位     さいたま   2,580千円          7.1%     最下位 前橋      130千円           0.0%
(東京国税局)
最上位     東京      26,960千円        14.2%     最下位 甲府    245千円           0.0%
(金沢国税局)
最上位           金沢          590千円         9.3%   最下位 福井    265千円           0.0%
(名古屋国税局)
最上位           名古屋     7,360千円      11.5%       最下位 津         195千円           0.0%
(大阪国税局)
最上位           大阪       8,320千円       10.1%       最下位 大津     245千円            4.3%
(広島国税局)
最上位           広島      2,050千円     10,2%       最下位 鳥取    115千円        ▲4.2%
(高松国税局)
最上位           松山           590千円       1.7%      最下位 高知      205千円      ▲2.4%
(福岡国税局)
最上位           福岡       5,000千円        5.3%      最下位 佐賀       160千円         0.0%
(熊本国税局)
最上位           熊本        1,150千円   0.0%           最下位 宮崎      230千円      ▲4.2%
(札幌国税局)
最上位           札幌        2,790千円   4.9%        ※札幌以外対象都市なし
(沖縄国税局)
最上位           那覇           810千円   0.0%            ※那覇以外対象都市なし

各国税局管轄内の価格差は、最大が東京国税局の約110倍、その次が名古屋国税局の約38倍、
最小が高松国税局の約3倍となっています。

最上位都市の最高路線価は上昇又は横ばい、最下位都市の最高路線価は下落又は横ばいであり、
現在の流れが続くと、来年度は更に価格差が拡大するものと推測されます。

上記から、地域毎の二極化と地域内での二極化が鮮明になっていることがよく分かります。
日本全体でみると、二極化というより四極化なのかもしれません。

※路線価は相続税・贈与税課税の評価額を算出するための価格であり実勢価格ではありません。
 (通常、実勢価格は路線価を上回ります)
※都道府県庁所在都市の最高路線価が、その都道府県の最高路線価ではない場合があります。

IT重説 導入に向けての動き

 宅地建物取引業法では、不動産業者は購入予定者に対し、不動産の売買契約及び
賃貸借契約を締結するまでの間に、宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書を交付し、
宅地建物取引士自らが説明を行わなければならないと定められています。

 現在はその重要事項説明について、対面による説明が義務付けられていますが、
平成25年に策定された「IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」の中で、
インターネット等を利用した、対面以外の方法による重要事項説明について、具体的な手法や
課題への対応策に関する検討を行うこととされました。

 そして平成26年中に具体的な手法等の検討がなされ、その結果、ITによる重要事項説明については、
まず社会実験を行って結果を検証することになり、先日、そのガイドラインが国交省より発表されました。
予定では来年度から最大2年間実施される予定で、社会実験への参加登録企業の募集が7月3日まで
行われていました。

 社会実験を経たうえで実施要綱等が決まると思いますが、本ガイドラインを見ることで、実際にITによる
重要事項説明が導入されたときのイメージが掴むことができると思います。
(以下、ITによる重要事項説明を「IT重説」と呼びます)

  それでは国交省が発表しているガイドラインの内容を見てみましょう。

  ■実験の対象取引
   賃貸取引及び法人間取引

  ■実験の対象ツール
   テレビ会議等の双方向でやり取りできるシステム

  ■実験の参加事業者
   社会実験前に国交省に事前登録した事業者

  ■実際の重要事項説明の流れ
   ①IT重説について相手方との同意(同意書の作成が必要)
   ②重要事項説明書の事前送付
   (テレビ会議で双方の手元に重要事項説明書を置く必要があるため)
   ③重要事項説明(実験中は検証を行うため録画・録音が必要)
   ④データ等の情報管理


 現時点では実験のためのガイドラインですので、導入された場合の実務との間に違いが
生じる可能性がありますが、このガイドラインを見る限り、まだまだ解決しなければならない
問題があるように感じます。


 例えば、IT重説を行うためには、双方ともに表情がわかる品質の映像と、内容が判別できる
音声が求められ、テレビ会議等に準じるシステムがあることが大前提となり、インターネット環境も
一定水準以上のものが必要になります。加えて、IT重説の実施についての同意書の取り交わし等も
必要になるため、少なからず手続きが増えることが想定されます。

 また、取引に携わる方の個人情報(お客様や宅地建物取引士)の管理についても解決すべき事項が
あるように感じます。この社会実験は検証の意味合いも含んでいるため、業者側に録画・録音が
義務付けられていますが、実際に導入された場合、録画・録音を行うのか、行った場合の情報管理を
どのように行うのか等検証事項がまだまだあるように感じます。


 今回の社会実験は賃貸取引と法人間取引に限定されていますが、個人を含んだ取引まで拡がって
実際に導入されるとなれば非常に便利だと思いますので、しっかりとした検証を行ったうえで導入されることを
期待しています。



ITを活用した重要事項説明に係る社会実験のためのガイドライン(国交省発表)
http://www.mlit.go.jp/common/001089583.pdf

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ