不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

宅地建物取引士

世間一般にはあまり知られていませんが、宅地建物取引(いわゆる不動産取引)において独占業務を
有する宅地建物取引主任者の名称が、2015年4月1日より宅地建物取引士に変更となります。
現在の宅地建物主任者の独占業務は、“重要事項の説明”、“重要事項説明書への記名・捺印”、
“契約書への記名・押印”であり、宅地建物取引主任者がいないと、宅地建物取引業を行えないことに
なります。
それでは、宅地建物取引士になると何が変わるのでしょうか?
何かが大きく変わるということはありませんが、宅地建物取引の専門家としてより高い知識及びスキルが
要求されるようになり、結果として、業務に対する責任が重くなります(詳細は下記の通り)。

●宅地建物取引士の業務処理の原則
 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、
 購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律
 (宅地建物取引業法)に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との
 連携に努めなければならない。
●宅地建物取引士の信用失墜行為の禁止
 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
●宅地建物取引士の知識及び能力の維持向上
 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努め
 なければならない。

個人的には、“購入者等の利益の保護”“宅地又は建物取引に係る事務に必要な知識及び能力の
維持
向上“
の二つが、宅地建物取引士に重くのしかかってくるような気がします。
今まで以上に、知らなかったでは済まされなくなる(知ってて当然とみなされる)のは必至であり、身を
引き締めて業務を行う必要と考えています。
宅地建物取引士への変更により、顧客がより安心して不動産取引を行える環境が整い、不動産取引の
活発化に繋がることを願っています。

名古屋市の格安中古マンションの実態②

前回から引き続き、名古屋市の格安中古マンションの実態を調べてみたいと思います。

前回は築年数の傾向をご紹介しましたが、今回は「間取り・専有面積」を調べてみました。

調査対象は、前回と同じく不動産業者間の物件情報データベースである「レインズ」を利用しました。
500万円未満の販売価格の物件情報(2月2日時点で登録されている販売中物件)を集め、
そのデータを分析してみました。

まずは間取りを見てみます。

  ワンルーム、1K、1DK、1LDK 62%
  2K、2DK、2LDK         11%
  3K、3DK、3LDK         25%
  4K、4DK、4LDK         2%

次に専有面積です。 

  30㎡未満              60%
  ~50㎡                16%
  ~70㎡                22%
  70㎡超                2%

上記のように、想像通りワンルームや1Kといった専有面積の小さい物件が大半を占めています。
次回は「駅からの距離」を見てみたいと思います。


名鉄三河線の複線化

 2027年のリニア中央新幹線 品川-名古屋間の開業を見据え、名古屋駅と豊田市中心部の鉄道での所要時間を短縮するため、名鉄三河線の複線化などの整備に要する費用について愛知県が公費を用いて支援するという記事が掲載されました。

 現在、名古屋駅から豊田市中心部への鉄道のルートは以下の3ルートがあります。

 ① 名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線経由、知立駅で乗り換えて名鉄三河線を経由するルート
 ② 地下鉄東山線で伏見駅まで行き、地下鉄鶴舞線に乗り換え、直接乗り入れる名鉄豊田線を経由するルート
 ③ JR中央線で勝川駅まで行き、愛知環状鉄道を経由するルート

 ①のルートは知立駅までは本数も多いのですが、知立駅からの名鉄三河線は15分に1本の運行間隔かつ単線で各駅停車のみの運行となっており1時間程度の時間を要します。②のルートについては、伏見駅で乗り換える必要があるとともに、各駅停車で運行せざるを得ない地下鉄線を経由するため、①と同じく1時間程度を要します。③のルートについては、遠回りで一番時間を要するため利用する人はあまりいないのではないでしょうか。
 
 東京、大阪、名古屋の三大都市圏について、一番手都市と二番手都市の鉄道でのアクセスの利便性を考えてみましょう。まず、東京圏についてみると東京・横浜間は、JR東海道線利用で約25分、東海道線のほかにも横須賀線や京浜東北線、ルートは違いますが渋谷からは東急東横線を利用できます。大阪圏でも、大阪から神戸の中心である三ノ宮へはJRの新快速で20分、阪急や阪神も頻繁に特急を走らせています。一方、名古屋圏では、上記のとおり利便性のよいルートは整備されていないのが実情です。

 名古屋と豊田を結ぶ鉄道路線が、一部が未だに単線というのもクルマ社会の名古屋らしいといえば名古屋らしいのですが、せっかくリニア新幹線が開通し、東京と名古屋が40分で結ばれることになっても、周辺の拠点都市へのアクセスが悪ければ波及効果が限定されてしまいます。

 仮に整備が行われ複線化が完了すれば、名鉄名古屋駅からの直通特急が運行され、豊田市まで40分で結ばれる予定とのことです。財政的に豊かな豊田市は、財政的な負担をする準備がある一方、連接点となる知立駅のある知立市は、財政難により駅の高架化事業が捗々しくないという話も聞きます。関係者間の調整が上手いこと図られ、なるべく早期にアクセスの改善が図られることを願ってやみません。
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