前回から引き続き、名古屋市の格安中古マンションの実態を調べてみたいと思います。

 前回までは「築年数」及び「間取り・専有面積」の傾向をご紹介しましたが、今回は「駅からの距離」を
調べてみました。

 調査対象は、前回と同じく不動産業者間の物件情報データベースである「レインズ」を利用しました。
500万円未満の販売価格の物件情報(2月2日時点で登録されている販売中物件)を集め、
そのデータを分析してみました。

駅からの距離を見てみると、

  徒歩5分未満          25%
  5分以上10分未満       40%
  10分以上20分未満      31%
  20分以上               4%

となっています。

また、行政区ごとの割合も見てみます。

  中区   20% 
  緑区   14% 
  名東区 12% 
  東区   11% 
  千種区 10% 
  昭和区 7% 
  天白区 7% 
  守山区 5% 
  中村区 5% 
  北区   2% 
  南区   2% 
  中川区 2% 
  瑞穂区 1% 
  港区     1%
 

 中区や東区、千種区といった市内中心部や、緑区や名東区といった住宅地もあり、
とくに偏った傾向はありませんが、「格安」というと郊外のイメージがある中で市内中心地で駅まで
徒歩10分圏内の物件も多くある状況です。

 今までの傾向をまとめてみると、名古屋市内の格安物件のイメージは下記のようになると思います。

 ①築年数がある程度経過しており、
 ②ワンルームといったコンパクトな間取りで
 ③駅10分未満と利便性もよく
 ④中区や東区、千種区といった立地

 となります。

 特集の中では「永住思考ではなく、家賃を支払うより安くなるから、とりあえず購入する」といった
ニーズがあると紹介されていましたが、そのニーズに照らし合わせると名古屋市内でも条件に
合致している物件があると考えることができます。

 その際に、物件の立地が駅に近ければ、将来的に転売や賃貸の選択肢も広がります。
特にこれからの人口減少時代においては、その立地に魅力があるのか、ニーズがあるのか、
よく吟味して選ぶ必要があります。それらを考慮に入れたとしても、検討できる物件は多くある
と思います。

 もちろん分譲マンションの場合、築年数が古い場合、大規模修繕があることも見越した計画が
必要ですが、今までのような「永住思考」の物件以外の選択肢として、こういった「格安マンション」と
呼ばれる物件も増えてくるのではないかと感じています。