3月18日、平成27年地価公示が発表されました。その結果については、各種メディアが取り上げており、
既にご承知の方が多いかと思いますので、少し違った角度から見てみました。

国土交通省が公表している結果の中に、都道府県庁所在地の住宅地「平均」価格という資料があり、
そのトップ5は以下の通りです。

1.東京23区 518,600円/㎡(約1,714,380円/坪)
2.大阪市   233,300円/㎡(   約771,240円/坪)
3.横浜市   217,800円/㎡(   約720,000円/坪)
4.京都市   194,400円/㎡(   約642,645円/坪)
5.さいたま市 178,200円/㎡(   約589,091円/坪)

住宅地であっても、1位の東京23区は、2位の大阪市の2倍以上の価格であり、都市力の違いを実感します。
残る1つの三大都市である名古屋で働くものとしては、今年も名古屋市(6位 168,300円)がトップ5に
入れなかったことが、非常に残念です。
しかし、さいたま市との価格差は、少し縮まりましたので、来年以降に期待したいと思います。
※一般財団法人森記念財団都市戦略研究所の2014年世界の都市総合力ランキングにて、
  東京は4位(2011年4位)、大阪は26位(2011年15位)となっております。

一方の47位については、驚きまではないものの、個人的には想定外の結果でした。
名称は記載しませんが、47位の市の平均価格は31,100円/㎡(約102,810円/坪)であり、名古屋市で
不動産仲介業務を行うものとしては、47位の市で同業務を行う厳しさを、余計なお世話だとわかりつつ
想像してしまいます。

通常、不動産仲介手数料は、不動産価格に連動するため、47位の市の土地売買仲介にて、名古屋市の
土地売買仲介と同程度の報酬を得るためには、5倍程度の件数を取り扱う必要があるものと推測されます。

その他、土地価格の影響を受ける業種としては、不動産賃貸業が思い浮かびます。
恐らく、各種不動産賃貸については、供給過剰で賃料水準が低く、建物建築を前提とした不動産賃貸は、
成立し辛くなっているものと思われます。
(相続対策で賃貸建物を建築するニーズもそれほど期待できないでしょう。)
そうなると、建物建築を生業とする建設業は、厳しくなってくるでしょう。
建設業は、裾野が広いと業界の一つと言われていますので、土地価格の低迷は、地域経済に大きな影響を
与えているのかもしれません。

土地価格が安いから地域経済が低迷するのか、それとも地域経済が低迷しているから土地価格が安いのか、
どちらが正しいのかよくわかりませんが、どちらも間違いではない様な気がします。

何れにしても土地価格は、地域経済の状況を表す重要な指標の一つであると思います。