これまで2回にわたって賃料について解説してきましたが、今回は「新規賃料」と「継続賃料」の違いについて述べたいと思います。
<新規賃料とは>
「新規賃料」とは自由な競争が行われる市場において新たな賃貸借等の契約において成立するであろう経済価値を表示する適正な賃料をいいます。すなわち、現在から将来にわたって通用する賃料になりますので賃貸市場というマーケットに参加する誰にでも妥当する賃料ということがいえます。
<継続賃料とは>
「継続賃料」とは賃貸借の継続に係る特定の当事者間において成立するであろう経済価値を表示する賃料をいいます。すなわち、賃貸借契約にかかる賃料を改定する場合のものであり、既にある賃貸借契約を前提に特定の当事者間においてのみ成立する賃料をいいます。
賃料の交渉などで「今借りたらこんなに安いんだ(高いんだ)」ということをいわれることがありますが、新規賃料と継続賃料を混同して議論している典型的な例といえるでしょう。継続賃料の交渉においては、契約当事者間における過去からの経緯等も踏まえることが必要になるのです。