複数の超高層ビルが建ち上がりダイナミックな変貌を遂げつつある名駅周辺地区。隣接するささしまライブ24でも、大規模賃貸マンションの建築や大学の開校に続きテレビ局の移転や超高層ビルの建築計画が進んでいます。近い将来には名鉄・近鉄名古屋駅の再開発も計画されており、2027年のリニア中央新幹線の開通を見据え、その中枢性を増していくことは想像に難くありません。
一方、旧来から名古屋の中心商業エリアであった栄地区ですが、核となる商業施設である松坂屋名古屋店が2014年度の売上高で地域一番店の座を名駅地区のジェイアール名古屋高島屋に奪われるなど、名駅地区と比べると勢いに欠けることは否めません。
それでは、両地区の地価の推移はどうなっているのでしょうか。国土交通省が発表している地価公示(毎年1月1日時点)における名駅・栄両地区の最高価格地点の2003年以降の価格推移をグラフでみてみましょう。
対象となる期間を2003年以降としたのは、この年に初めて「名古屋中5-17(近鉄名古屋ビル)」の調査地点が設けられたからです。2003年の時点では栄(三越)が1平方メートルあたり460万円であったのに対し、名駅(近鉄ビル)は294万円に過ぎませんでした。その後、いわゆるファンドブームなどにより投資マネーが名古屋の不動産市場にも流れこんだ影響などにより両地区の地価は上昇を続け、リーマンショック直前の2008年にはついに名駅の地価が栄を逆転し、それぞれ870万円、852万円の価格をつけました。リーマンショック後は両地区とも一旦大きく下落しましたが、名駅が2012年にいち早く上昇に転じているのに比べ、栄が上昇に転じたのは2014年であり、この間に両地区の地価には大きな差が生じ足元の2015年の地価公示では名駅の835万円に対し、栄は625万円と名駅が栄を30%以上も上回る状況となっています。
しかし、ここへきて栄地区も明るい話題が聞かれるようになっています。直近のニュースで最も話題になったのは、ヨドバシカメラの松坂屋名古屋店への進出のニュースではないでしょうか。折しも名駅地区で現在建築中のJRゲートタワーへのヨドバシカメラの進出撤回が報じられた直後でしたので、地元では衝撃と期待をもって受け入れられたものと思われます。松坂屋名古屋店ではこのヨドバシカメラの誘致を含め、来年春にかけて全売場面積の約3割を改装することを表明しており、地域一番店の奪還に向け猛攻勢をかけています。松坂屋名古屋店以外でも、「名古屋ZERO GATE」「栄ナナイロ」「PARCO midi」「丸善 名古屋本店」など複数の商業施設が最近相次いでオープンしており、商業集積を高めています。
また、百貨店の「丸栄」と広小路通を挟んで北側に位置する「栄町ビル」を一体で建て替える構想やかつての東海銀行の本店であった三菱東京UFJ銀行名古屋ビルの建て替え構想など、まだ詳細は明らかになっていませんが、潜在的な再開発の計画が存在しています。
再開発で先行する名駅に対して松坂屋をはじめとする商業施設の充実度合いを深める栄。地域のポテンシャルが地価というものに反映されるのだとしたら、両地区の地価は今後接近していくのでしょうか、それともさらに離れていくのでしょうか。今後も目が離せません。
一方、旧来から名古屋の中心商業エリアであった栄地区ですが、核となる商業施設である松坂屋名古屋店が2014年度の売上高で地域一番店の座を名駅地区のジェイアール名古屋高島屋に奪われるなど、名駅地区と比べると勢いに欠けることは否めません。
それでは、両地区の地価の推移はどうなっているのでしょうか。国土交通省が発表している地価公示(毎年1月1日時点)における名駅・栄両地区の最高価格地点の2003年以降の価格推移をグラフでみてみましょう。
対象となる期間を2003年以降としたのは、この年に初めて「名古屋中5-17(近鉄名古屋ビル)」の調査地点が設けられたからです。2003年の時点では栄(三越)が1平方メートルあたり460万円であったのに対し、名駅(近鉄ビル)は294万円に過ぎませんでした。その後、いわゆるファンドブームなどにより投資マネーが名古屋の不動産市場にも流れこんだ影響などにより両地区の地価は上昇を続け、リーマンショック直前の2008年にはついに名駅の地価が栄を逆転し、それぞれ870万円、852万円の価格をつけました。リーマンショック後は両地区とも一旦大きく下落しましたが、名駅が2012年にいち早く上昇に転じているのに比べ、栄が上昇に転じたのは2014年であり、この間に両地区の地価には大きな差が生じ足元の2015年の地価公示では名駅の835万円に対し、栄は625万円と名駅が栄を30%以上も上回る状況となっています。
しかし、ここへきて栄地区も明るい話題が聞かれるようになっています。直近のニュースで最も話題になったのは、ヨドバシカメラの松坂屋名古屋店への進出のニュースではないでしょうか。折しも名駅地区で現在建築中のJRゲートタワーへのヨドバシカメラの進出撤回が報じられた直後でしたので、地元では衝撃と期待をもって受け入れられたものと思われます。松坂屋名古屋店ではこのヨドバシカメラの誘致を含め、来年春にかけて全売場面積の約3割を改装することを表明しており、地域一番店の奪還に向け猛攻勢をかけています。松坂屋名古屋店以外でも、「名古屋ZERO GATE」「栄ナナイロ」「PARCO midi」「丸善 名古屋本店」など複数の商業施設が最近相次いでオープンしており、商業集積を高めています。
また、百貨店の「丸栄」と広小路通を挟んで北側に位置する「栄町ビル」を一体で建て替える構想やかつての東海銀行の本店であった三菱東京UFJ銀行名古屋ビルの建て替え構想など、まだ詳細は明らかになっていませんが、潜在的な再開発の計画が存在しています。
再開発で先行する名駅に対して松坂屋をはじめとする商業施設の充実度合いを深める栄。地域のポテンシャルが地価というものに反映されるのだとしたら、両地区の地価は今後接近していくのでしょうか、それともさらに離れていくのでしょうか。今後も目が離せません。