不動産売買マーケットが過熱する一方で、不動産賃貸マーケットは盛り上がりに欠けており、
両マーケット間のギャップを感じるようになってきました。個人的には、両マーケット間のギャップは、
下記要因により生じるものと考えています。
◎需要・金額ともに、売買の方が景気動向の影響を受けやすい。
⇒ 売買の方が影響を受けるエリアが広く、その対象となる建物が多い。
※売買については、影響を受けるエリア内であれば、殆どの建物がその対象となるが、
賃貸については、そのエリアが狭いだけでなく、一定水準以上の建物でないと対象とならない。
※賃料は、一定期間(2~3年)据え置きの場合が多く、少し遅れる形で景気動向に反応する。
また、景気動向に関係なく、新築時の賃料が最高となる場合が圧倒的に多い。
(賃料が安くなることはあっても高くなることはない)
◎不動産価格上昇により投資利回りは低下するが低金利が需要を下支えする。
⇒ インカムからキャピタルゲインを狙うようになると均衡が保たれなくなり、崩壊する恐れあり。
※賃料を借入金で支払うことはタブーであり、低金利の恩恵は限定的である。
現在の不動産売買マーケットは、低金利に支えられている側面があり、更なる景気回復とともに、
金利が引き上げられることになると、転機を迎え、好ましい状況ではありませんが、マーケット間の
ギャップは縮小していくかもしれません。