タイトルを見ると何のことだろう?と思われるかもしれませんが、金曜日の日経新聞に載っていたオフィス賃料に関する記事の見出しです。オフィス仲介大手の三鬼商事の調査による10月末の大阪中心部と名古屋中心部の月額平均募集賃料の差が過去最低水準の3.3平方メートル(1坪)あたり324円まで縮まったそうです。
記事では、1990年代半ばには大阪が名古屋を5000円近く上回っていた平均賃料が、2008年のリーマン・ショックで大きく下落した後、いち早く回復を遂げる名古屋に比べて大阪の回復が遅れているため、両都市の賃料の差が縮まっており、名古屋のリニア効果などもあって、数年内に名古屋が大阪を越える局面がありそうだ、と伝えています。
大阪と名古屋ですが、人口こそ、大阪が269万人、名古屋が228万人と、それほどの差はありませんが、経済規模では、市内総生産が大阪約18.7兆円に対して名古屋約11.8兆円(2011年の名目値)とかなりの差があります。そもそも周辺に京都、神戸、堺と3つもの政令指定都市がある大阪圏の中心である大阪市と周辺に大きな都市がない名古屋市とでは中枢性に大きな違いがあります。そのような両都市で、オフィスビルの賃料水準があまり変わらないとなると、違和感を抱く方もおられるかもしれません。
しかしながら、大阪が金融機関などの合併により本社をことごとく東京に移されたり、シャープに象徴されるように大阪を基盤とする電機メーカーが不振に喘いでいたりする一方、名古屋では、トヨタが相変わらず好調ですし、MRJが初飛行し、今後航空宇宙産業の集積が期待されています。さらに、記事にもあるように今後リニア中央新幹線の開通を見据えた動きが本格化することなどを考えると、名古屋の方が地域経済に勢いがあることは自明の理であり、そういった意味では両都市の都心部のオフィス賃料が横並びになることは、それほどおかしなことではないのかもしれません。
今年の都道府県地価調査が発表された際に本ブログに書いたように地価水準でみても、大阪と名古屋のトップ商業地(梅田と名駅)の最高価格地点の1平方メートル当たりの地価がそれぞれ1,100万円と1,020万円となっています。今後両都市のトップ商業地の地価も徐々に差が縮まっていくのではないでしょうか。
品川-名古屋間のリニア中央新幹線が開通するのが2027年。大阪まで開通するのはその18年後の2045年の予定です。人口減少率は大阪の方が高いことを考えると、いずれオフィス賃料や地価以外の指標でも名古屋が大阪と同水準となることが多くなっていくのかもしれません。
私も大阪に住んでいたときそのように考えていたのですが、大阪のライバルはあくまで東京であって、名古屋なんて眼中にないと思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、東京はあらゆる面で巨大化し過ぎ、もはや大阪とは比肩しうる存在ではなくなってしまいました。そういった意味では、都市としての構造が比較的類似している大阪と名古屋が連携を深めていく必要があるようにも思われます。
記事では、1990年代半ばには大阪が名古屋を5000円近く上回っていた平均賃料が、2008年のリーマン・ショックで大きく下落した後、いち早く回復を遂げる名古屋に比べて大阪の回復が遅れているため、両都市の賃料の差が縮まっており、名古屋のリニア効果などもあって、数年内に名古屋が大阪を越える局面がありそうだ、と伝えています。
大阪と名古屋ですが、人口こそ、大阪が269万人、名古屋が228万人と、それほどの差はありませんが、経済規模では、市内総生産が大阪約18.7兆円に対して名古屋約11.8兆円(2011年の名目値)とかなりの差があります。そもそも周辺に京都、神戸、堺と3つもの政令指定都市がある大阪圏の中心である大阪市と周辺に大きな都市がない名古屋市とでは中枢性に大きな違いがあります。そのような両都市で、オフィスビルの賃料水準があまり変わらないとなると、違和感を抱く方もおられるかもしれません。
しかしながら、大阪が金融機関などの合併により本社をことごとく東京に移されたり、シャープに象徴されるように大阪を基盤とする電機メーカーが不振に喘いでいたりする一方、名古屋では、トヨタが相変わらず好調ですし、MRJが初飛行し、今後航空宇宙産業の集積が期待されています。さらに、記事にもあるように今後リニア中央新幹線の開通を見据えた動きが本格化することなどを考えると、名古屋の方が地域経済に勢いがあることは自明の理であり、そういった意味では両都市の都心部のオフィス賃料が横並びになることは、それほどおかしなことではないのかもしれません。
今年の都道府県地価調査が発表された際に本ブログに書いたように地価水準でみても、大阪と名古屋のトップ商業地(梅田と名駅)の最高価格地点の1平方メートル当たりの地価がそれぞれ1,100万円と1,020万円となっています。今後両都市のトップ商業地の地価も徐々に差が縮まっていくのではないでしょうか。
品川-名古屋間のリニア中央新幹線が開通するのが2027年。大阪まで開通するのはその18年後の2045年の予定です。人口減少率は大阪の方が高いことを考えると、いずれオフィス賃料や地価以外の指標でも名古屋が大阪と同水準となることが多くなっていくのかもしれません。
私も大阪に住んでいたときそのように考えていたのですが、大阪のライバルはあくまで東京であって、名古屋なんて眼中にないと思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、東京はあらゆる面で巨大化し過ぎ、もはや大阪とは比肩しうる存在ではなくなってしまいました。そういった意味では、都市としての構造が比較的類似している大阪と名古屋が連携を深めていく必要があるようにも思われます。