先日、国土交通省が平成28年地価公示を公表しました。
公示価格高順位の1位は銀座四丁目の山野楽器銀座本店(40,100千円/㎡)、
変動率順位の1位は大阪府中央区心斎橋筋二丁目39番1(45.1%)でした。

私は、同じく国土交通省が四半期毎に公表している地価LOOKレポート
(主要都市の高度利用地地価動向報告)の内容から、変動率1位は名古屋駅の
太閤口周辺であると考えていました。
しかし結果は、変動率38.4%(名古屋市中区椿町 ミタニビル)で3位でした。

平成27年1月1日から平成28年1月1日までの地価LOOKレポート(計4回)によると、
最上位区分である上昇率6%以上は、名古屋市中村区の太閤口が平成27年第2四半期
から第4四半期にわたり記録しているだけです。
ちなみに、平成23年第1四半期から平成27年第1四半期までの間、上昇率6%以上を
記録した地区はありませんでした。
また、調査開始以来、上昇率6%以上が半期継続した地点は、この度の太閤口だけでした。
太閤口に続くと思われたのは、上昇率3%以上6%未満が1年間継続した銀座中央であり、
心斎橋が上昇率3%以上6%未満を記録したのは、平成27年第2四半期以降でした。

ここで疑問となるのは、地点と地区の違いはあるものの、地区としては、1年間上昇率が
下回っていた心斎橋がなぜ太閤口を大幅に上回る上昇率を記録することができたのか?
また、上昇率0%以上3%未満が1回、3%以上6%未満が3回で、なぜ上昇率45.1%を
記録できたのか?

全てを地点の地区の違いで片付けるのであれば、それは極めて特殊な地点といえ、
地価公示の目的が達せられているのか、疑問に思えてきます。

平成28年地価公示
http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/2016/index.html

地価LOOKレポート
http://tochi.mlit.go.jp/?post_type=secondpage&p=12981