先日、台湾を旅行してきました。せっかく旅行した国ですので台湾の不動産マーケットについて少し調べてみました。


 台湾の基本情報

 台湾の正式国名は「中華民国」。面積は約3万6千平方キロメートルと日本の九州よりやや小さいくらいの大きさです。そこに約2340万人の人々が暮らしています。主要都市は台北と高雄です。2014年のGDPは5300億USドルで世界26位(ベルギーとノルウェーの間)、一人当たりGDPは22,600USドルで世界37位(日本は36,222USドルで世界27位)、実質経済成長率は3.92%です。

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 台北101ビル。高さ509メートルで2007年までは世界一高いビルでした。

 不動産マーケットの状況

 結論からいうと、首都台北を中心とし、相当な過熱状況にあるようです。台湾の玄関口である桃園国際空港に到着後、新幹線で台北市内に入りましたが、町中に近づくにつれ高層住宅が増え、非常に密集しているという印象を受けました。実際に、台北市の人口は268万人ですが、丘陵部も多いため、人口は郊外にも流出し、台北市を囲むように位置しているベッドタウンの新北市の人口は395万人にも及んでいます。現地の新聞のニュースサイトなどを覗いてみると、不動産の平均価格は年収の約15倍にもなっているとか、新築のマンションではいわゆる億ションが珍しくないなど、異常な状況にあることを伝えています。要因としては、2002年に中国大陸居住者による不動産売買が解禁されたこと、2007年に台湾新幹線が開通し、首都台北への一極集中が加速したこと、2009年にそれまで累進課税であった相続税が一律10%に引き下げられたことなどが考えられるとのことです。

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 台北駅から観光地の九份に向かう列車の車窓より。山麓の丘陵地にも住宅が建てこんで
 いるのがわかります。日本でいうと阪神間の風景になんとなく似ています。


 その台湾新幹線に乗って、高雄にも行きました。高雄市は工業・港湾都市で人口は278万人を誇るかなりの大都会です。

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 高雄市は、台湾第二の都市ですので、日本でいったら東京と大阪、韓国でいったらソウルとプサンのような関係性が成り立つのかもしれません。かつて日本でも新幹線が開通したことにより東京に企業や人材が流出し大阪が衰退したという説がありますが、いわゆるストロー効果というのは台湾でも同じなのかもしれません。


 その他、雑感

 台湾新幹線ですが、走っているのは日本の700系新幹線の改良型ですので乗った感じはそのまま日本の新幹線です。

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 特筆すべきは料金の安さ。台北から高雄市の左営駅まで最速で96分ですが、普通車指定席で1,490台湾ドル(日本円で約4,900円)、日本のグリーン車に相当する商務車でも1,950台湾ドル(日本円で約6,400円)です。台北~左営間の距離は東京~名古屋間の距離とほぼ同じであることを考えるとかなり安いといえるのではないでしょうか。そのせいなのかはわかりませんが、台湾新幹線を運営する「台湾高速鉄道」は一時経営破綻の危機に陥り、国からの出資を受け入れ事実上の公有化になっているとのことです。

 新幹線だけではなく、台湾ではいたるところで日本の影響の強さを感じます。MRT(地下鉄)の構内では、くまもんがジャンプしている横にアニメ風の萌えキャラがいますし、

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日本の新幹線や東北の桜の広告が目立っていました。

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 観光地やホテルでは日本語が通じるところも多く、たとえ通じなくても漢字で書いてあるので、なんとなくニュアンスはわかります。そういった意味では非常に旅行しやすい国のように感じました。次回は中国語でも勉強して、現地の不動産業者にヒアリングでもしてみようかと思っています(笑)