名古屋城天守閣の木造復元事業を推進している名古屋市の河村市長は、
名古屋城の入場料を現在の500円から1000円(名古屋市民は400円から450円)に値上げし、
本復元事業費に充てることを検討しているようです。
3月末に採用を決定した竹中工務店の事業計画案の総事業費が、最大で市の試算を100億円上回る
500億円であったことが、少なからず影響を与えているように思えます。
お酒の席で何度か、本復元事業の話になったことがありますが、いつも意見は真っ二つに分かれます。
多くの人が、本復元事業自体は良いことと考えているような気がしますが、その事業費に対する考え方が
異なってしまうのです。
賛成派の人は、その事業費に値する価値があると考え、反対派の人は、その事業費に値するまでの
価値はない又は価値はあるが他に優先すべき事業があると考えています。
観光産業の影響についても、意見は真っ二つに分かれています。
2020年7月末までに完成すれば、東京オリンピック観戦を目的とした海外からの観光客を
名古屋市(愛知県)に呼び込むことが出来るという意見がある一方で、海外からの観光客が
顕著に増加している中で、名古屋市の最大の観光スポットといえる名古屋城の天守閣を見ることが
出来なくなれば、他の地域に海外からの観光客を奪われてしまうという意見もあります。
なお、今月発生した熊本地震にて、名古屋城と並ぶ日本三名城(いくつかの選定があります)の一つである
熊本城が甚大な被害を受け、名古屋市の市会議員からは、熊本城を再建する動きがある中で、
名古屋城に木材と人手を集める時期ではないとの声も上がっているそうです。
名古屋市は、木造復元か鉄骨鉄筋コンクリート造のまま耐震改修(事業費約30億円)するかをアンケートで
問うとのことですが、果たしてどのような結果になるのでしょうか?