通常、人口が減少すれば、必要とされる不動産も減少します。それでは、人口が減少していく日本で、需要が期待できる不動産はあるのでしょうか?

最も身近であり、需要が底堅いと思われている居住用不動産については、人口減少の影響を受けやすく、また、現時点で空き家の増加が社会問題になっていますので、現在の需要は、長く続かない恐れがあります。

事業用不動産の象徴ともいえるオフイスビルについては、人口減少が就業者数の減少に直結しており、居住用不動産と同じく、現在の需要は、長く続かない恐れがあります。

外国人観光客の増加等により、1年程前には、不足が顕著であったホテルについては、円高や先行き不透明な景気等の影響から落ち着きを取り戻しつつあり、現在各地で建築中のホテルが開業する頃には、不足感が解消されている様な気がします。

実店舗については、その多くが苦戦を強いられており、業績が好調なのは、大手コンビニ程度ではないかと思います。大手コンビニが好調な理由は、中小のシェアを奪うだけでなく、その領域を広げ、他業種のシェアまで奪っているからだと考えています。また、近年、インターネット通販が急速に拡大しており、実店舗の需要は、今後減退する恐れがあります。

先に述べたインターネット通販の拡大により配送量が増加する一方で、配送時間の短縮が求められるようになり、都心近郊を中心に、大型物流施設の需要が急増しております。急速に拡大しているとはいえ、実店舗全体の売上とは、大きな差がありますので、景気悪化等により消費が低迷したとしても、当面の間、インターネット通販は、拡大し続けるものと思われます(景気悪化はインターネット通販をより急速に拡大させるかもしれません)。よって、未来永劫とはいえませんが、最も需要が期待できる不動産は、大型物流施設であると考えております。

はたして、当たるでしょうか?