次期米大統領に決まった不動産王ドナルド・トランプ氏が所有するニューヨーク中心部
マンハッタンの高層ビル「トランプタワー」から、トランプ氏の名称が消えることになりました。
その原因の一つは、地元で不人気なトランプ氏の名称が入った物件に住むのは恥ずかしいという
居住者からのクレームであったと言われています。
日本では、某テレビ局の誤報に対し、ヤンキースの田中将大投手夫妻が完全否定する騒ぎが
起こりました。

以上の様に、建物名称に個人名や会社名を入れる場合がありますが、対象者が有名で
あればあるほど、対象者のイメージの善し悪しが、その建物の評価(人気)に大きな影響を
与えると言えます。

通常の業務の中で、有名人所有かつ名称が入った建物の取引に携わることは、
皆無と言えますが、個人名や会社名が入った建物の取引に携わることはあります。
その場合、有名人ではありませんので、上記の様な心配はありませんが、売却の際、
問題が発生することがあります。

建物名称に個人名や会社名が入っている場合、買主である新所有者は、建物名称を
変更することがありますが、これが結構厄介な作業となります。

共同住宅の場合は、居住者の方に、建物名称の変更について周知して頂く必要があります。
また、建物名称が住民票(印鑑証明書)に記載されている場合は、遅くても、各種免許証
更新時期のタイミング等で変更手続きを行って頂く必要が生じることになります。
よって、変更前の建物名称が不評でない限り、建物名称変更は、居住者にとって好ましいこと
ではないため、クレームを受ける可能性があります。

オフィスや店舗ビルの場合は、更に大変です。
事業用となれば、賃借人等は、建物名称変更を書面で周知する必要があり、
その他にも名刺・会社案内・封筒・請求書・ノベルティグッズ等、多種多様な品の再作成や廃棄が
必要となるため、賃借人等への補償金支払が不可避となります。
なお、完全に周知するには時間が必要なようで、括弧書等で旧名称が並記してある建物を
見かけることがあります。

建物に愛着を持つ意味において、個人名や会社名を建物名称に入れることは、良いことであると
思いますので、頭文字や漢字一文字等、個人名や会社名に直結しない形で、建物名称に入れてみては、
いかがでしょうか?
自分にしか分からない形で建物名称に入れることが出来れば、より愛着が湧くかもしれません。

ちなみに、集合住宅の場合、住居に関連する外国語(ハイツ・レジデンス等)+地名又は最寄駅名という
建物名称が多いような印象を受けます。
やはり、万人受けが良いのでしょうか?