人気の飲食店の中には、味+工夫で繁盛させているお店があります。

≪相席なしで行列を作るお店≫
ランチタイムに数回行ったことがあるお店ですが、行った時は、
いつも行列が出来ていました。
ランチメニューは数種類に限定されており、席に案内される前に、
注文と会計を済ませるスタイルで運営されています。
しかし、店内に目を向けると、1人又は2人の顧客が4人掛けのテーブルを
独占している光景が多く見受けられるため、初めは、何故相席で顧客を
店内に案内しないのだろう?と不思議に思っていましたが、
今では、繁盛させる工夫であると考えております。
〇席に案内された直後に料理が運ばれてくる
 (店内では待たない)
〇おそらく厨房の処理能力に合っている
 (過度な負担はかかっていない)
〇行列が出来ているので顧客は必要以上に長居しない。
 (滞在時間は短いがゆったり食事することが出来るのでストレスはない)
〇複数の店が連なる立地であり行列が行列を生む

≪利用時以外は予約が取れないお店≫
基本的に、予約以外では利用できないお店であり、その予約は利用時しか
出来ません(予約しようとしても電話が繋がりません)。
※予約キャンセル等があった場合は、予約なしで利用できることもあります。

利用時の2ヶ月先迄しか予約できない一方で、利用した人数以上の予約をする
顧客が多いため(4名で利用し各人が4名の予約を取ると合計で16名になります)、
ディナー利用の場合、ランチしか予約できないことがあります。
このような場合、本当はディナー利用を希望していても、予約が途切れてしまうと
次回利用が困難になるため、ひとまずランチを予約し、次回にディナーを予約する
ケースが少なくないと考えています。
結果として、ランチもディナーも繁盛します。

ディナーのコースは2種類(おそらく品数の違い)であり、予約時に決定します。
事前に、それぞれのコースの人数が把握出来るため、効率的な人員配置及び
食材ロスの削減が可能となり、それは利益率の向上に繋がっていくものと
推測されます。

飲食店の例を不動産に当てはめてみると、味は立地やデザインを含めた建物のグレード
(ハード)であり、工夫は付加価値やアイデア(ソフト)であるような気がします。
2つのお店の工夫を不動産にそのまま取り入れることは出来ませんが、
考え方等、何らかのヒントになるような気がします。
また、不動産はハードの劣る部分をソフトで補う傾向にあるような気がしますが、
優れたハードこそ、ソフトを充実させる意味があると思えてきます。