昨年4月のJRゲートタワーの商業施設部分の開業に続き、10月にはささしまライブ地区でグローバルゲートが開業したことにより2010年代初頭より続いてきた名古屋駅周辺での大規模な再開発は一段落したことになります。名古屋駅周辺における大規模再開発は2020年代初頭から始まる名鉄・近鉄名古屋駅再開発を待つことになりますが、リニア中央新幹線の開業を睨み、中小規模のビルについても築年数が経過したものを中心に建替えなどの動きが顕在化してきており、街の新陳代謝が活発になっている感があります。現時点で動きがあるものをいくつかご紹介したいと思います。
1. 「名古屋三交ビル建替え計画」
旧「名古屋三交ビル」は1974年に建築された地下2階・地上12階建の店舗・オフィスビルでしたが、現在解体工事が進められています。建替え後は地下1階・地上16階建のビルとなり、1階が店舗、2~7階がオフィス、8~16階が客室数128室のビジネスホテル(三交インGrande)という構成になる予定で、地下鉄桜通線「国際センター」駅と地下1階でエレベータによるバリアフリー接続が図られる予定です。2020年6月の開業が予定されています。
三重交通グループホールディングスと三交不動産によるプレスリリースhttp://re.sanco.co.jp/news/docs/release170530.pdf
2. 「第二堀内ビル」跡地と「第五堀内ビル」解体現場
「第二堀内ビル」は1974年に建築されたビルで既に解体が完了し、現在はコインパーキングとして利用されています。隣接する「第五堀内ビル」は1階に入居するあんかけスパの「チャオ」が割と最近まで営業していたような気がしますが、現在は解体が進められています。跡地の具体的な利用計画は明らかにされていません。所有者は地元資本の大地主であり、今後単独で再開発を進めるのか、どこかと組んで事業を進めるのか気になるところです。
3. KOMEHYO(コメ兵)名駅店と(仮称)名古屋三井ビルディング北館
ミッドランドスクエアとモード学園スパイラルタワーに挟まれた街区です。かつて、「三井北館」、「菱信ビル」、「白川第三ビル」という3つのビルが寄り添うように建っていましたが、順次解体され、一部は「M4テラス」という商業施設として暫定利用されていました。名古屋駅前の超一等地ともいえる街区であることから地権者がまとまれば大名古屋ビルヂングやミッドランドスクエアに匹敵するような大規模な再開発が可能なポテンシャルを秘めた場所だったのですが、どうやら地権者がまとまらなかったようで、最後に解体が行われた「菱信ビル」の跡地の北側では、昨年5月に「コメ兵名駅店」がオープン、同12月には三井不動産が「(仮称)名古屋三井ビル北館」として地上20階建のビルを建設する計画であることが報じられました。すなわち、街区一体としての再開発ではなく、細分化された利用方法となってしまうわけです。名古屋の顔ともいえる場所の一部だけになんとも残念な気がします…。
なお、当ブログでは、今後も再開発の状況も含め、街の様子などをお伝えできればと考えております。
※写真の撮影日:2018年3月9日