先日、お客様より「建替えしたアパートの収入が伸びない、何かアドバイスをもらえないか」と相談を受けました。そのお客様は、2年前に、1LDK6戸と2LDK6戸のアパートを建築していました。

築年数が経過している物件であれば、リノベーションなどの部屋の改修等が検討材料となりますが、相談された物件は、部屋の改修等は不要ですので、まずは、以下について調べ、現状を把握することにしました。

・周辺の類似物件の賃料相場
・管理会社への管理料
・建築費用(投資金額の妥当性)

類似物件の賃料相場については、インターネットがあれば簡単に調べられます。アットホームやスーモなどの賃貸不動産のポータルサイトがありますので、サイト上で駅からの距離や、築年数、間取などを入力して類似物件のデータを収集します。

データを収集する際は、部屋の広さ(㎡や坪)で割り、㎡単価や坪単価を算出して比較してみることが必要です。

その結果、本件について以下のことが分かりました。
①賃料単価が低いため、もう少し賃料を上げることができる。
②2LDKの部屋は、1LDKの部屋に比べ賃料単価が劣る。2LDKは1LDKの70%。
③2LDKの1部屋当たりの建築コストは、1LDKの1.6倍。
④2LDKの賃料は、1LDKの1.2倍。
⑤マンション管理会社への管理料は適正。
⑥投資利回りは、1LDK6戸は7.5%、2LDK6戸は、5.5%。

今回の物件については、周辺の物件に比べ、賃料単価が低いため、賃料を上げることにより、収支を改善させることができますが、アパートの建て替えをする際に、2LDKを建てないなど、しっかりとした計画をすることが必要だったと感じます。
2LDKの建築コストは、1LDKの1.6倍しますが、賃料は1.2倍にしかならないことは、周辺の賃料相場を確認すれば分かったと思います。

賃料相場などインターネットで調べられることは増えています。建築業者からの資料を鵜呑みにせず、自分自身で確認することが必要です。