先日、土地の活用についてお客様より相談を受けました。

相談を受けた土地は、駅から徒歩10分に立地していますが、前面道路が狭く、車同士のすれ違いができません。また、崖地になっており、家を建てるためには擁壁を造成する必要があります。そのため、周囲の相場は、坪40万円程度ですが、坪30万円でも売却できない可能性があります。

その土地について、お客様は、アパート建築業者より提案を受け、アパートを建てれば、家賃収入が見込め、土地の価値も上がると勧められていました。アパートの建築費は、8,000万円です。売却しづらい土地のためお客様は悩まれていました。

以下の項目など当方にて確認をしました。
①アパートを建てた場合の賃料相場
②アパートを建築し、土地と建物を売却した時の価格

①駅から徒歩10分に立地していますが、築10年経過した周囲のアパートを調べると、10年で10%程度賃料が低下していることが分かりました。
②アパート建築後に、土地と建物を売却する際の価格は、収益物件として売却することになり、投資家の期待利回りに影響されます。アパート建築後すぐに売却する場合の価格は、6,000万円程度になることが分かりました。

アパート建築業者が作成したシミュレーションでも家賃が下落することは説明されていましたが、下落率が抑えられれていました。シミュレーションどおり借金を返済できるかどうか心配になります。
また、8,000万円かけて建築したアパートを、すぐに売却したと想定すると、売却価格は、土地と建物合わせて6,000万円になります。2,000万円+土地代が、一瞬にして目減りすることになります。目減りした資産価値を、賃料収入で取り戻すためには、長い期間必要になります。

相続税を減らす努力をすることで、資産が目減りしてしまっては意味がないと思います。相続税対策だけで、アパート建築計画を確認するのではなく、事業としても確認することが必要だと思います。多角的に確認を行うことで、ミスジャッジは減るのではないかと思います。