先日、知り合いから、ある新築分譲マンションの購入を検討しており、購入するにあたってのアドバイスがほしいと相談を受けました。
私が確認した事項は以下の点です。※( )は知人が検討しているマンションの数値
①交通の便(駅徒歩3分)
②マンションの戸数(80戸)
③機械式駐車場の有無(有10台、その他平面駐車場70台)
④管理費・修繕積立金の月額(管理費10,000円、修繕積立金5,000円)
⑤間取り (3LDK・専有面積70㎡)
①について
検討しているマンションは、駅徒歩3分。購入後に売却や賃貸することがあったとしても、有利な条件となりますので◎です。
②について
全体の戸数は80戸あり〇です。マンション全体の修繕費用は、専有面積の割合で負担します。専有面積の割合のことを考えれば、戸数が多いほうが、戸数あたりの修繕積立金の負担は少なくなります。検討しているマンションの戸数は、極端に少ない訳ではないため〇としました。
③について
機械式駐車場があるため△です。機械式駐車場はメンテナンス費用が高く、将来的には装置の取り換えが必要になります。そのため、駐車場はできるだけ平面式で済ませたいところです。ただし、駐車場の全部を機械式としていないため△としました。
④について
管理費はよいとして、修繕積立金が低額のため×です。久しぶりに新築分譲マンションの相談を受けましたが、未だに当初の修繕積立金の負担を低くした販売方法をしていることについて残念に思いました。新築分譲マンションは、売主のデベロッパーが、長期修繕計画を策定し、将来必要な修繕積立金を明示していながら、販売をしやすいように、ランニングコストとしての毎月の修繕積立金を低く設定します。足りない修繕積立金はというと、段階的に引き上げをするのか、数年ごとにまとまった一時金を徴収するのかをマンション購入後に形成される管理組合で決定して計画するようにしているのです。しかし、マンション購入後に修繕積立金を引き上げるのは、大変な作業になります。
⑤について
間取りは、個人が気に入ればいいと思います。ちなみに、今のマンションは、昔のマンションに比べ専有面積が狭く感じる方もいると思いますが、それは、建築費が高騰しているなどの影響もあり、販売価格を低くするために、居室の広さは保持しながら、廊下の面積を狭くするなどの工夫がされているからです。
修繕積立金は、毎月のランニングコストになりますので、高くなりすぎないように、管理組合で金額の引き上げを早めにするなどの対策が必要です。なお、修繕積立金が高くなりすぎると、マンションを売却する際に、購入検討者にランニングコストが高い印象を与え、売却をしずらくしますので、注意が必要です。
修繕積立金の月額負担の目安は、国土交通省が公表している「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」をご参照ください。
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