リニア中央新幹線の名古屋駅が徐々に姿を現してきています―――。
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上記の写真は、弊社が入居するJPタワー名古屋からJR名古屋駅の西側を撮影したものです。リニア中央新幹線名古屋駅は既設の在来線や新幹線と十字に交差する形で地下に設置されます。

赤で示した部分がリニア名古屋駅の西側部分になります。用地買収と建物の解体がかなり進んだため、なんとなくですが駅のような形状になりつつあるのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

青で囲っているのは10年ほど前に建てられた河合塾の校舎ですが、この建物も解体準備に入っており、いずれ更地になる予定です。

用地買収が全て完了し、全体が更地になった後、開削工法といって、地下30メートルの深さまで地上から掘り進められ、リニア新幹線のホームが設置される予定です。

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この写真は、名古屋法務局や中部運輸局などが入居する名古屋合同庁舎1号館から撮影したものです。巨大な穴が掘られていますが、この穴から『シールドマシン』という機械を地中に下ろし、トンネルを掘り進めます。穴の直径は約40メートル、深さは約90メートルですので大きめのビルがすっぽり収まってしまう大きさです。

この穴から掘り進められるトンネルは『第一中京圏トンネル』といい、名古屋駅から岐阜県可児市まで全長34.2キロという長大なものです。

なお、この穴ですが、リニア新幹線開業後は万が一の場合の非常口として利用されることになっており、正式名称を『名城非常口』といいます。

このように身近なところでもリニア中央新幹線の工事を見かけるようになり、2027年の開業を目指して着々と工事が進められているように思われますが、静岡県の大井川の減水問題がこじれており、2027年の予定通りの開業はほぼ絶望的な状況となっています。

その静岡県ですが、6月20日の投票日に向けて、目下知事選の最中です。立候補している現職と新人、いずれも減水問題に対して厳しい姿勢のようですので、どちらの候補が当選しても、問題が一気に解決することにはならなさそうです。

コロナ禍で出張が減り、リモートでの面談等が増えたことで、リニア中央新幹線の意義を問う声も大きくなっています。また、名古屋という街からすると、リニア開業に伴い首都圏にヒト・モノ・カネが流出するストロー現象の発生も懸念されるところです。

個人的には、開業の遅れを奇貨として、コロナ禍によって変わってしまった価値観を前提として、名古屋都市圏としてのあり方を官民挙げて模索すべきと考えますが、みなさまはどのように思われますか。