先月(9月21日)、2021年の地価調査(基準地価 7月1日時点)が発表されま
した。
観光地では、新型コロナウイルスの影響からの立ち直りがいまだ見通せない状況ですが、
愛知県内の商業地は、2年ぶりに地価が上昇しました。
名古屋市中心部のオフィス街では上昇率が10%(中区錦1丁目)を超えた場所もあり、
新型コロナウイルスが流行する前の水準を上回る地点も散見された結果となりました。
名古屋・伏見エリア等の都心では、コロナ禍でもマンションの売れ行きが好調とのこと
で、夫婦共働きの高収入世帯や郊外に住んでいる現役をリタイアした人が、将来を見据
え利便性のよい都心マンションに居住を移す実需だけではなく、賃貸にして収益を得る
ために複数購入する投資家の投資意欲も需要増の要因の一つとなり、地価の回復基調が
強まっているようです。
その他のトピックスとしては、愛知県飛島村の住友倉庫の地価が14%上昇しました。
「巣ごもり需要」を背景に急拡大した電子商取引市場と、それを支える物流ニーズの高
まりを受けたことによるものですが、今年5月に名古屋第二環状自動車道(名二環)が
全線開通し、トラックターミナルが集積する小牧市などへのアクセスが改善された効果
も地価を押し上げる結果となったとのことです。
今後も、弥富市(大和ハウス工業)や、名古屋市の三菱重工業岩塚工場跡地(ラサール
不動産投資顧問)では、大規模物流施設が建設される予定であり、物流関連市場の活況
は当面続くため、一定規模の物流施設が建設できる高速道路に近い土地は積極的な投資
対象となり、今後しばらくは高値での取引が続くと思われます。