名古屋市西区と春日井市で大型商業施設の開業が相次ぎます。
10月27日(水)、名古屋市西区にオープンするのは「イオンモールNagoya Noritake Garden」です。本施設は、名古屋駅から北に1kmほどいった西区則武新町のノリタケカンパニーリミテドの本社工場跡地に三菱地所などが手掛ける大規模マンションと一体として再開発されたものです。名古屋市西区には既に「mozoワンダーシティ」がありますし、そのほかにも名古屋市内には「イオンモールナゴヤドーム前」「イオンモール熱田」「イオンモール新瑞橋」「イオンモール名古屋茶屋」「イオンモール大高」など、他の大都市と比べてイオンモールが多くありますが、「イオンモールNagoya Noritake Garden」は名古屋駅に近い立地を活かし、イオンモールとしては初の試みとして広大なフロア面積を誇るオフィスが併設されるほか、名古屋駅周辺のシネコンと競合を避けるためか、シネコンの代わりにコニカミノルタが運営するプラネタリウムが出店します。
また、10月22日(金)、春日井市に「イーアス春日井」がオープンしました。「イーアス」はダイワハウス工業が運営する複合型ショッピングセンターで、同社は茨城県つくば市や東京都八王子市、沖縄県豊見城市などで同名の施設を展開しています。「イーアス春日井」は、西友が運営していた「ザ・モール春日井」の跡地を大和ハウス工業が取得し、新たに商業施設を建設したもので、西友がテナントとして入居し24時間営業のスーパーを運営するとともに全国最大規模を誇る「無印良品」が出店しています。
この「イーアス春日井」からさほど遠くない名古屋市守山区には7月に会員制スーパーの「コストコ守山倉庫店」が開業、一時は周辺が大渋滞となるなど、高い顧客誘因力を発揮し盛業中です。
一方、百貨店の業態では愛知県内でも撤退が相次いでおり、直近では9月30日に名鉄豊田市駅前にある「松坂屋豊田店」が閉店しました。2020年8月にはイオンモール岡崎に入っていた「西武岡崎店」が、同年3月には豊橋駅前で営業を続けていた「ほの国百貨店」が閉店しており、愛知県の三河地方からは百貨店が消えるかたちとなりました。
車社会である愛知県では、自動車と親和性の高い、大型の駐車場を設置した大型ショッピングモールが伸長する一方、百貨店業態では、名古屋市外の店舗が軒並み閉店し、県内で名古屋市外にある百貨店は一宮市の名鉄百貨店一宮店のみとなってしまいました。
長引くデフレや所得が伸びないことによる人々の消費行動の変容など様々な要因が考えられますが、栄枯盛衰を感じざるを得ない、新規出店と閉店のニュースでした。