JR東海は、11月17日、新形式の在来線通勤型電車「315系」の運転開始日と投入区間を決定したとの発表を行いました。
それによると、運転開始日は2022年3月5日(土)、投入区間は中央線の名古屋駅から中津川駅間になるとのことです。
現在、中央線には国鉄時代から走っている211系と1999年に登場した313系、その派生型で豪華仕様の313系8000番台が活躍していますが、315系の登場により211系は引退、313系・同8000番台は他線区に転属となり、特急「しなの」や「ホームライナー」に用いられている383系を除く、快速・普通電車は2023年中にすべて315系に統一されます。
この315系ですが、JR東海としては23年ぶりの新型通勤電車となることから、最新の技術が投入され、省エネルギー化や安全性・安定性の向上が図られています。
一方、気になる点もあります。中央線に投入される315系は、すべて8両固定編成になるようです。名古屋圏の場合、首都圏や京阪神と比べて朝のラッシュ時とデイタイムの乗客数の変動が大きく、現在の中央線は時間帯によって4両編成から10両編成とフレキシブルに運用されています。これが8両固定編成になってしまうと朝のラッシュ時の混雑が増すのではないかという懸念があります。ただ、この点ですが、現在は211系や311系の併結が多く、8両や10両編成の場合、運転台などのデッドスペースが多いことから、315系はオールロングシート化することもあり、8両固定編成でも大きな輸送力減にはならないと判断されたものと思われます。逆に日中は着席できるチャンスが増えるのではないでしょうか。
315系の登場により名古屋圏のJRの輸送事情は大きく変わることになります。まずは、来春のデビューを楽しみに待ちたいと思います。