定番の不動産投資は、購入代金の全部又は過半を金融機関で借入、
その賃料収入にて借入金の元利金を返済し、完済又は借入金がある程度減少した後に、
物件を売却する流れであると考えております。
つまり、所有期間中のキャッシュフローより資産形成が投資の主目的となります。

しかし、上記の不動産投資を行うには、一定水準以上の利回り(年間賃料収入÷購入価格)
が必要となりますが、その条件をクリアする物件は、極めて少ない状況であります。

そのような中、不動産ファンドに代表される利ざやを稼ぐ不動産投資が台頭しています。
利ざやを稼ぐ不動産投資のポイントは借入金です。
通常の借入金は、返済期間を20~30年で設定し、その期間で完済する条件です。
不動産ファンドが利用している借入金は、返済期間が短い(通常7~10年)一方で
期間中の元金返済は少額とし、返済期限に多額の残債を一括返済する条件となっており、
通常は、物件を売却し、借入金を完済します。
つまり、投資の主目的は、期間中の利ざや(物件利回りと借入金利の差)となります。
近年は、物件価格が高騰(利回り低下)し続けており、売却時にキャピタルゲインも
得ているケースが多いようです。
なお、中でも海外の不動産ファンドの台頭が顕著であり、少なくても都心等の需要が旺盛な
不動産については、利ざやを稼ぐ不動産投資でないと購入することが困難になるでしょう。

ちなみに、融資取引における利ざやは、前記のような金利差(預金等の借入と融資等の貸出の金利差)
により生じる利益ですが、証券取引における利ざやは、売値と買値の差額によって生じる利益です。