キャッシュアウト・リファイナンスとは、住宅ローンの借換えを行う際に、
残債以上の融資を受け、現金を得ることです。
米国の住宅価格は、コロナ禍の影響なく、堅調に上昇しているため、
キャッシュアウト・リファイナンスが盛んに行われています。
キャッシュアウト・リファイナンスの活用により、個人消費が盛んになり、景気が良くなります。
景気が良くなると物価が上昇し、住宅価格も上昇します。
そして、資産形成のために住宅を取得する人が増え、その循環が続いていきます。
しかし、その循環に黄信号が灯っています。
急激な物価高騰(高インフレ)を抑制する目的でFRBが金融引き締めを開始したため、
住宅ローン金利が急上昇し、好調であった住宅販売に陰りが見え始めています。
今後、住宅販売が減少し、価格が下落に転じる事態に陥った場合、
リーマン・ショックの再来が懸念されます。
(当時と比較すると金融機関の財務基盤は健全と判断されていますが)

所変わって日本においても、都心の分譲マンション等、価格が上昇している住宅もありますが、
キャッシュアウト・リファイナンスのように、含み益を担保に融資を受け、
現金を得ることは困難であります。
よって、資産価格の上昇が物価の上昇に直結していないものと勝手に考えております。

米国と日本のどちらが良いかについては、投資が不可欠な米国と投資が不可欠ではない日本の
どちらが良いかの判断になるような気がします。
(最近の資源価格の高騰により、日本の物価も上昇していますが、世界的に見るとあまり
 価格転嫁されていないようです。)