令和5年度の宅地建物取引士試験の申込期限が令和5年7月31日までとなっており、今年も試験の時期が近づいてきました。
宅地建物取引士とは、簡単にいえば「不動産取引を行う資格者」となり、その業務等をご説明致します。
(以下、宅地建物取引士を「宅建士」、宅地建物取引業者を「宅建業者」といいます。)

 1.宅建士の定義
   宅建士試験に合格し、試験を実施した都道府県知事の資格登録を受け、かつ、
   当該知事の発行する宅地建物取引士証の交付を受けた者をいいます。

 2.宅建士の業務
   ①宅建業者の相手方に対して行う「重要事項説明書」の説明。
   ②重要事項説明書への記名。
   ③売買契約書への記名。

 3.宅建業者の事務所への宅建士の設置義務
   宅建業者は一つの事務所に対して、5人に1人の割合で専任の宅建士を設置しなければなりません。
   宅建士は不動産取引の重要な役目を果たすため、どの事務所にも一定数の宅建士を
   置かなければならないとの考え方です。

不動産の売買や賃貸では高額な金銭や権利が取引されます。そこで、取引におけるトラブルを回避するために、宅建業者は不動産の売買や賃貸の契約前に、必ずその物件に関する重要な情報を取引の相手方に説明する必要があり、その物件の所在地や売主、買主、土地・建物の用途やその制限、電気・ガス・水道の整備状況等を「重要事項説明書」として交付し、内容を宅建士に説明させる義務があります。
 
その説明を行うためには、宅地建物取引業法はもちろんのこと、民法や不動産の建築に関する法令上の制限、不動産に関する税制など、不動産に関連する様々な法律に精通していなければなりません。そのため、重要事項説明書の説明は宅建士のみが行える独占業務となっています。

以上のように、宅建士とは「不動産取引に関する専門家」としての役割が求められます。皆様が不動産を購入される際に、営業担当者が宅建士資格を持っているかどうかを確認することも、安心材料の一つになるかもしれません。また、重要事項説明書の説明を受ける際にも、説明する宅建士に対して疑問点などをしっかり確認されることも重要です。