国土交通省が、7月30日に「令和5年度 住宅市場動向調査」を公表しました。

この調査は、国土交通省が、個人の住宅建設に関して影響を受けたことや資金調達方法等についての実態を把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的として、平成13年度から毎年度実施しているものです。

調査対象者は、令和4年度中(令和4年4月~令和5年3月)に住み替え・建て替え・リフォームを行った世帯が対象で、注文住宅、分譲住宅、中古住宅、民間賃貸住宅及びリフォーム住宅の利用関係別に、住み替え・建て替え前後の住宅、世帯の状況、住宅取得等の資金調達の状況等調査を行っています。

公表された調査結果の中で私が気になったのは、分譲戸建住宅取得世帯の30%は、元々注文住宅を希望していたことです。

①注文住宅取得世帯
元々の希望住宅 ①注文住宅91.1% ②分譲戸建住宅3.0% ③分譲マンション1.4%      
        ④中古戸建住宅1.1% ⑤中古マンション0.4%

②分譲戸建住宅取得世帯
元々の希望住宅 ①注文住宅30.0% ②分譲戸建住宅58.0% ③分譲マンション3.3%      
        ④中古戸建住宅1.8% ⑤中古マンション0.0%


③分譲マンション取得世帯
元々の希望住宅 ①注文住宅3.6% ②分譲戸建住宅4.0% ③分譲マンション83.1%      
        ④中古戸建住宅0.8% ⑤中古マンション2.8%

④中古戸建取得世帯
元々の希望住宅 ①注文住宅5.0% ②分譲戸建住宅10.7% ③分譲マンション0.7%      
        ④中古戸建住宅63.5% ⑤中古マンション7.0%

⑤中古マンション取得世帯
元々の希望住宅 ①注文住宅1.7% ②分譲戸建住宅1.4% ③分譲マンション12.5%      
        ④中古戸建住宅6.2% ⑤中古マンション69.6%

当たり前ですが、注文住宅は、土地がないと建てられません。敷地の取得方法として、相続や贈与などもありますが、多くの方は購入されます(令和5年度では、63.5%の方が購入されています) 。気に入った土地と出会えれば良いのですが、出会うまでずっと探し続けるわけにもいかないといった理由があると思います。また、分譲戸建住宅となっている土地は、個人では購入の難しい大きな土地を建売業者が購入し区画割して分譲しています。そのため、良い立地の土地も多いのです。そのような理由から、注文住宅を検討している世帯でも希望する土地と出会えなかった30%の世帯が、気に入った立地にある分譲戸建住宅の購入を決められたのだと推測しています。