不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2015年03月

知っておきたい「賃料」に関する基礎知識①

 賃貸住宅や事務所を借りる際に支払っている「家賃」、建物を建てるために土地を借りる際に支払う「地代」。これらを一括りに「賃料」といいますが、「賃料」はどのようなメカニズムで決定されるのでしょうか?今後、数回に分けて賃料形成のメカニズムを解説していきたいと思います。

<そもそも「賃料」ってナニ?>

 「賃料」というものを捉えるにあたって、まず想起していただきたいのは、一本のリンゴの木です。一本のリンゴの木という“元手”(=元本)があって、リンゴの実という“果実”を生み出すのです。不動産の場合も同様に、土地や建物といった元本となる資産があって、「賃料」という“果実”が生み出されるのです。ちなみに法律上、リンゴの木からなるリンゴの実などを『天然果実』といい、土地や建物を貸した場合の賃料を『法定果実』といいます。
このように“元本”があって、“果実”が得られることを不動産評価の考え方では「元本と果実の相関関係」といいます。

 少し専門的になりますが、不動産鑑定士が不動産を評価する際に準拠する『不動産鑑定評価基準』の該当箇所をみてみましょう。

 「不動産の経済価値は、一般に、交換の対価である価格として表示されるとともに、その用益の対価である  賃料として表示される。そして、この価格と賃料との間には、いわゆる元本と果実との間に認められる相関関係を認めることができる。」(不動産鑑定評価基準総論第1章2)
 
 言い換えると、「価格」とは自分のモノにするために支払わなければいけない金額、すなわち、“所有権の対価”といえる一方、「賃料」とはそのモノを所有せずに、一時的に借用するために支払わなければならない金額、すなわち、“利用の対価”と捉えることができます。
 
 したがって、賃料がいくらかということを知るためには、そのもととなる不動産自体の価値がいかほどのものであるかを知る必要があるのです。
 
 次回は、「賃料の特性」について解説したいと思います。

売買契約書等への署名・押印は慎重に!

あたり前のことですが、重要事項説明書、売買契約書へは、
内容をよく理解したうえで、署名・押印をすることが必要です。

先日、中古マンションの売買契約を済ませたAさんより以下の相談を受けました。

Aさんは、不動産業者Bの所有する中古マンションを不動産仲介業者Cより紹介されました。
Aさんは、物件自体は気に入ったものの、敷地内の駐車場に空きがないため、
すぐには、売買契約を締結することはありませんでした。

駐車場の件について、AさんはCに相談したところ、
「売買契約を締結していただければ、管理会社、管理組合に相談して、駐車場を1台用意します。」
との話があったため、Aさんは、Cの言葉を信じて、重要事項説明書・売買契約書等へ署名・押印をしました。

売買契約締結後、Cより駐車場の件について何も連絡がないため、
AさんはCへ連絡するも、Cはあれこれ理由をつけて取り合ってくれませんでした。

決済日が直前に迫ったある日、駐車場の件について、のらりくらりと質問をかわすCに対し、
堪忍袋の緒が切れたAさんは「駐車場の空きがないなら契約は白紙解除させてもらう」とCに詰め寄りましたが、
Cからは、以下の発言が返ってきました。
・駐車場は、用意できるように頑張るといっただけで、必ず用意するとは言っていない。
・売主が引渡しに関する書類を用意した(履行に着手している)ので、
 手付けによる解除はできず、違約解除となり違約金が発生する。
・売買契約が締結されているため、仲介手数料を請求させていただく。


上記内容を見る限り、不動産仲介業者Cに責任があると思われますが、
駐車場の空きなしと記載された重要事項説明書しか証明するものが残っていませんので、
不動産仲介業者Cに責任追及することが難しい状況です。

このように、「言った、言わない」ということがトラブルの発生するもとです。
重要事項説明書・売買契約書等は、記載されている内容をよく理解するだけでなく、
後から条件等が追加された場合には、契約書や覚書等の書面に残すなどしたうえで、
署名・押印することが必要です。

宅地建物取引士

世間一般にはあまり知られていませんが、宅地建物取引(いわゆる不動産取引)において独占業務を
有する宅地建物取引主任者の名称が、2015年4月1日より宅地建物取引士に変更となります。
現在の宅地建物主任者の独占業務は、“重要事項の説明”、“重要事項説明書への記名・捺印”、
“契約書への記名・押印”であり、宅地建物取引主任者がいないと、宅地建物取引業を行えないことに
なります。
それでは、宅地建物取引士になると何が変わるのでしょうか?
何かが大きく変わるということはありませんが、宅地建物取引の専門家としてより高い知識及びスキルが
要求されるようになり、結果として、業務に対する責任が重くなります(詳細は下記の通り)。

●宅地建物取引士の業務処理の原則
 宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、
 購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律
 (宅地建物取引業法)に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との
 連携に努めなければならない。
●宅地建物取引士の信用失墜行為の禁止
 宅地建物取引士は、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
●宅地建物取引士の知識及び能力の維持向上
 宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努め
 なければならない。

個人的には、“購入者等の利益の保護”“宅地又は建物取引に係る事務に必要な知識及び能力の
維持
向上“
の二つが、宅地建物取引士に重くのしかかってくるような気がします。
今まで以上に、知らなかったでは済まされなくなる(知ってて当然とみなされる)のは必至であり、身を
引き締めて業務を行う必要と考えています。
宅地建物取引士への変更により、顧客がより安心して不動産取引を行える環境が整い、不動産取引の
活発化に繋がることを願っています。

名古屋市の格安中古マンションの実態②

前回から引き続き、名古屋市の格安中古マンションの実態を調べてみたいと思います。

前回は築年数の傾向をご紹介しましたが、今回は「間取り・専有面積」を調べてみました。

調査対象は、前回と同じく不動産業者間の物件情報データベースである「レインズ」を利用しました。
500万円未満の販売価格の物件情報(2月2日時点で登録されている販売中物件)を集め、
そのデータを分析してみました。

まずは間取りを見てみます。

  ワンルーム、1K、1DK、1LDK 62%
  2K、2DK、2LDK         11%
  3K、3DK、3LDK         25%
  4K、4DK、4LDK         2%

次に専有面積です。 

  30㎡未満              60%
  ~50㎡                16%
  ~70㎡                22%
  70㎡超                2%

上記のように、想像通りワンルームや1Kといった専有面積の小さい物件が大半を占めています。
次回は「駅からの距離」を見てみたいと思います。


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