不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2015年06月

栄の逆襲!?

複数の超高層ビルが建ち上がりダイナミックな変貌を遂げつつある名駅周辺地区。隣接するささしまライブ24でも、大規模賃貸マンションの建築や大学の開校に続きテレビ局の移転や超高層ビルの建築計画が進んでいます。近い将来には名鉄・近鉄名古屋駅の再開発も計画されており、2027年のリニア中央新幹線の開通を見据え、その中枢性を増していくことは想像に難くありません。

一方、旧来から名古屋の中心商業エリアであった栄地区ですが、核となる商業施設である松坂屋名古屋店が2014年度の売上高で地域一番店の座を名駅地区のジェイアール名古屋高島屋に奪われるなど、名駅地区と比べると勢いに欠けることは否めません

それでは、両地区の地価の推移はどうなっているのでしょうか。国土交通省が発表している地価公示(毎年1月1日時点)における名駅・栄両地区の最高価格地点の2003年以降の価格推移をグラフでみてみましょう。

地価推移

対象となる期間を2003年以降としたのは、この年に初めて「名古屋中5-17(近鉄名古屋ビル)」の調査地点が設けられたからです。2003年の時点では栄(三越)が1平方メートルあたり460万円であったのに対し、名駅(近鉄ビル)は294万円に過ぎませんでした。その後、いわゆるファンドブームなどにより投資マネーが名古屋の不動産市場にも流れこんだ影響などにより両地区の地価は上昇を続け、リーマンショック直前の2008年にはついに名駅の地価が栄を逆転し、それぞれ870万円、852万円の価格をつけました。リーマンショック後は両地区とも一旦大きく下落しましたが、名駅が2012年にいち早く上昇に転じているのに比べ、栄が上昇に転じたのは2014年であり、この間に両地区の地価には大きな差が生じ足元の2015年の地価公示では名駅の835万円に対し、栄は625万円と名駅が栄を30%以上も上回る状況となっています

しかし、ここへきて栄地区も明るい話題が聞かれるようになっています。直近のニュースで最も話題になったのは、ヨドバシカメラの松坂屋名古屋店への進出のニュースではないでしょうか。折しも名駅地区で現在建築中のJRゲートタワーへのヨドバシカメラの進出撤回が報じられた直後でしたので、地元では衝撃と期待をもって受け入れられたものと思われます。松坂屋名古屋店ではこのヨドバシカメラの誘致を含め、来年春にかけて全売場面積の約3割を改装することを表明しており、地域一番店の奪還に向け猛攻勢をかけています。松坂屋名古屋店以外でも、「名古屋ZERO GATE」「栄ナナイロ」「PARCO midi」「丸善 名古屋本店」など複数の商業施設が最近相次いでオープンしており、商業集積を高めています。

また、百貨店の「丸栄」と広小路通を挟んで北側に位置する「栄町ビル」を一体で建て替える構想やかつての東海銀行の本店であった三菱東京UFJ銀行名古屋ビルの建て替え構想など、まだ詳細は明らかになっていませんが、潜在的な再開発の計画が存在しています。

再開発で先行する名駅に対して松坂屋をはじめとする商業施設の充実度合いを深める栄。地域のポテンシャルが地価というものに反映されるのだとしたら、両地区の地価は今後接近していくのでしょうか、それともさらに離れていくのでしょうか。今後も目が離せません

告知は慎重に!

 国土交通省の指導もあり、宅地又は建物の過去の履歴や隠れた瑕疵など、売主(所有者)様しか
分からない事項について、売主様から告知書を提出することにより、将来の紛争の防止に役立てる
ことが望ましいと考えられており、宅地建物取引業者が媒介等を行う多くの不動産売買で、売主様は、
告知書の提出を求められます。本来、紛争を防止するための告知書ですが、売主様が正確に事実を
告知されなかった場合、深刻なトラブルをまねくことがあります。

 弊社が媒介した不動産売買においても、売主様が「隠れた瑕疵」を正確に告知しなかったために、
トラブルをまねいたケースがあります。その中で、売主様が意図的に「隠れた瑕疵」を告知しなかった
ことはないと確信しておりますが、残念ながら、トラブルの収束には、ほとんど役に立ちません。特に、
賃貸建物については、管理会社等から瑕疵の報告を受けただけで、売主様ご自身で確認していない
場合が珍しくなく、その修理費がそれほど高額でないと売主様の記憶から消し去られてしまうことが
あるようです。しかし、管理会社では、記憶ではなく記録として残っているため、過去の事実が発覚
してしまいます。

 そこで、これから不動産を売却する方へのアドバイスです。告知の際は、ご自身で該当の有無を
判断せず、告知項目に少しでも関係あると思われる事実については、宅地建物取引業者に伝え、
その判断を仰ぐようにしましょう。また、売買価格に影響を与える可能性がある事実については、
売買仲介を正式に依頼する前に、お伝え頂くことをおすすめします。なお、賃貸建物で事件・自殺・
孤独死等があった場合、賃貸と売買では、相手方への告知(説明)が求められる内容が異なって
きますので、気をつけてください。

入札方式で不動産を高く売却する方法

先日、土地売却の仲介に入っていた物件で入札方式を採用したところ、
相場の38%増しの価格で、契約に結びつけることができました。


今回は通常の売却方法と、当社で行った入札方式による売却方法とによる、
売買価格の決まり方などの違いについてご説明します。


通常の売却方法による売買価格の決まり方
1.売主へ近隣の売買事例や、周辺相場等を説明し、売主と販売価格を決定します。
2.販売活動開始後、購入希望者が現われたとき、価格等の条件の交渉があったとしても、
  売主と買主の両者がその条件を容認すれば、その価格が売買価格となります。
※ 売買価格は、販売価格から下がる事はあっても、上がることはありません。


当社が行った入札方式による売却方法による売買価格の決まり方
1.売主へ近隣の売買事例や、周辺相場等を説明したうえで、
  買手候補先の検討等をし、売主へ相場価格をお伝えします。
2.相場価格を最低入札価格にし、買手候補先へ情報を提供します。
3.条件次第ですが、一番高く入札した価格が売買価格となります。
※ 最低入札価格を下回る場合は、売買契約は成立しません。


今回は、相場の38%増しの価格で土地の売却ができましたが、
実は、売主は当社よりも先に、他の不動産仲介業者へも相談しており、
その業者から相場くらいの売却価格を提案されていました。
しかし、売却した土地は1,000㎡を超えていたため、
建売業者にとっては、多くの戸数の販売が期待できる土地です。
そのため価格が上振れる可能性が高くなると判断し、売主へ入札方式による
売却方法を提案しました。

結果、競争原理が働き、高値での取引ができました。

入札方式による売却方法は、すべての不動産に馴染むものではありません。
例えば、一般の方が住宅を建築するため土地や、戸建、マンションでは、
通常の売却方法のほうが、良い条件で売却できる可能性があります。


不動産に関すること、お気軽にお問い合わせください。
名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 http://www.meinan-re.com/

投資用不動産の利回りについて

  投資用の不動産を選ぶ基準の一つとしてこの「利回り」があります。利回りは収益性を
はかる目安とされるもので、大きく分けて表面利回りと実質利回りの二種類があります。

 表面利回りは、グロス利回りとも呼ばれ、一般的に広告で表示される利回りです。
ここの年間の家賃収入は、基本的に満室時を想定されているため、現況で空室があれば
表示されている利回りより低くなります。

 計算式 :年間の家賃収入等 ÷ 物件価格 × 100

 これに対して、実質利回りはネット利回りとも呼ばれ、現況の家賃収入や保有時の
運営費用も考慮に入れて計算された利回りです。保有時の運営費用には、固定資産税や
都市計画税、修繕費や維持管理費、火災保険料などがあり、それぞれを調べる必要が
あります。

 計算式 :(年間の家賃収入等 - 保有時の運営費用)÷ 物件価格※ × 100
 ※物件価格に購入時の諸経費を含める場合もあります。

 この二種類の利回りは、以下のように違いが出てきます。

 例えば、物件価格5,000万円、満室時の年間の家賃収入等が500万円、現況での年間の
家賃収入等が400万円、保有時の運営費用が100万円だとすると、

 表面利回りは

 500万円÷5,000万円×100=10.0%

となり、実質利回りの場合は

(400万円-100万円)÷5,000万円×100=6.0%

となります。

 実態を表す数字は実質利回りなので、保有時の運営費用は事前に計算し把握しておく
ことが重要です。また、保有時の運営費用は建物の構造や築年数、修繕履歴等などに
よっても異なりますので、そういった情報も十分に収集する必要があります。

 これ以外にも空室や賃料下落のリスク、将来的な売却(出口戦略)も十分に検討しなければなりません。
周辺の賃料相場を見ることはもちろんのこと、現在入居している部屋の賃料も確認する必要が
あります。同じ面積帯で大きく家賃が違えば、高い家賃の部屋が退去したときに家賃を
下げなければならないことも多く、収入が減少することになります。こういった情報はレントロールと
呼ばれる賃貸状況一覧表を見れば分かりますので、しっかり内容を確認することをお勧めいたします。

 不動産の広告には表面利回りが表示されていることが多いので、その数字だけを鵜呑みに
せず、実質利回りを見ること、リスクを把握すること、出口戦略を検討することが重要です。

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