我が家には飼い始めてもうすぐ二年になるチワワの女の子がいます。
基本的に家の中をフリーにさせているため、自分の好きなところに
好きな時にいるのですが、はじめはソファの下の暗い所に
好んでいることが多く、なぜそんな狭くて暗いところにいるのだろうと
不思議に思っていました。
あるペットの飼い方の本を見てみると、「チワワは狭くて暗いところを
自分のテリトリーにして、安心している場所にする」といったことを目にし、
なるほどなと考え、ゲージを用意して屋根を作り設置してみると、
やはりそこが気に入った様子でよくその場所で寝るようになりました。
チワワとしては、暗くて狭い場所が最適なように、人も最適な住まいが
あると考えます。
よくお客様から「一戸建てとマンションどちらが良いと思う?」と質問を受けるのですが、
この答えは非常に難しく、私としてはお客様の環境にあったものが最適では
ないかと考えています。
例えば大型犬を飼って庭で一緒に遊びたいとの夢があれば一戸建てで、広さが
確保できる場所が良いでしょうし、市内中心地を生活の拠点とされるのであれば
マンションでしょうし、それぞれの価値観で選ばれることが一番ではないかと
考えます。
もちろん資産価値や将来どのような計画があるかによって、選択肢は大きく変わるとは
思います。(例えば実家に将来帰ることが決定していれば、一戸建てよりマンションのほうが
将来活用しやすいかもしれません。)
しかしながら、最終的には投資商品と違い、自分の「住まい」として購入されることを
考えると、やはり「気に入った物件」を購入されることが一番ではないでしょうか。
2016年10月
ここで、不動産鑑定士試験の概要を見てみましょう。試験は2段階で行われ、まず5月中旬に短答式試験が行われます。受験資格は、年齢、学歴、性別、国籍を問いません。科目は「不動産に関する行政法規」と「不動産の鑑定評価に関する理論」の2科目で試験時間は各科目120分です。総合点で概ね7割が基準とされているとともに科目ごとに一定の得点が必要とされています。
短答式試験に合格すると次は論文式試験です。試験は7月下旬~8月上旬に3日間にわたって行われます。科目は「民法」「経済学」「会計学」(この3科目は『教養3科目』といわれています)と「不動産の鑑定評価に関する理論」です。教養3科目については科目ごとの出題数は2問、試験時間は120分です。「不動産の鑑定評価に関する理論」については論文問題が4問(試験時間は120分+120分)、演習問題が1問(試験時間は120分)です。総合点で概ね6割が基準とされているとともに科目ごとに一定の得点が必要とされています。なお、1度短答式試験に合格すると、その合格した年の論文式試験で不合格となった場合でも、合格した短答式試験の合格発表日から2年以内に行われる短答式試験が申請により免除になります。
合格率を見てみると、短答式試験の合格者は、受験者数1,568人に対して511人であり約32.6%、論文式試験の合格者は受験者数708人に対して103人であり約14.5%となっています。
この14.5%という合格率は、短答式試験に合格した人の中で論文式試験に合格した人の割合であることから、かなり狭き門であるということがわかります。特に専門科目である「不動産の鑑定評価に関する理論」については相当深い知識とアウトプット力が必要とされています。したがって、受験生は平日2~3時間、休日は6~8時間程度の勉強を1~2年続けることが一般的です。
しかしながら、不動産鑑定士に限らず、他の「士業」と呼ばれる資格にも共通しているのですが、近年、受験者の減少が問題となっています。これは、上記のように勉強漬けの日々を続け、念願かなって資格を取得したところで、『食えない』ということがいわれるようになり、受験者の中心である若年層を中心に「資格取得のコストパフォーマンスが悪い」という考えが広がったことも一因としてあるのかもしれません。
不動産鑑定業界も高齢化が進んでおり、団塊の世代が一線を退く近い将来には資格者の数が一気に減ってしまいます。そもそも不動産鑑定士は資格者数が7千人台と他の士業に比べて少ない(例:弁護士は約3.6万人、税理士は約7.5万人)資格でもあり、優秀な若手を確保しないことには業界の存亡にも関わってくることにもなりかねません。
そのような中、不動産鑑定士の資格者団体である公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会や各地域の不動産鑑定協会によって不動産鑑定士という資格を知ってもらおうという様々な試みが行われているので紹介させていただきます。このような取り組みによって多くの方に不動産鑑定士という資格に興味を持ってもらえるといいな、と思っています。
■ オープンセミナー「誰かの役に立ちたい×不動産鑑定士という選択」
(主催:国土交通省・早稲田大学・公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会)
http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/info/news/semnar1108/
■ 不動産鑑定士PR動画コンテスト
(公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会 )
http://www.fudousan-kanteishi.or.jp/info/contestresult/
■ 公益社団法人 大阪府不動産鑑定士協会 社団化20周年記念行事「不動産鑑定士への道」
http://www.rea-osaka.or.jp/kinen.html
2020年に開催される東京オリンピックや、2027年開業予定のリニア中央新幹線などは、
経済を活性化させる可能性があり、不動産価格に好影響を与えるだろうと期待されています。
しかし、不動産については、明るい話題ばかりではありません。
人口減少や増え続ける空家問題などがその代表かと思います。
人口減少や増え続ける空家については、
統計結果などが報道で公表されますが、
その内容を確認すると、今後の不動産価格について考えさせられます。
人口動態で私が参考にしているのは、国立社会保障・人口問題研究所のデータです。
地域ごとに数値化されているので、身近な地域の人口動態を感じ取ることができます。
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/3kekka/Municipalities.asp
上記サイトで、当社が主に営業している名古屋市内の30歳代(男女30~34歳の人口)のデータを見ますと、
2015年151903人に対し、2025年になると121942人に減少します。減少割合は20%。
30歳代は住宅の一次取得層として考えられていますが、住宅取得層が減れば、
現在のペースで戸建てやマンションを建てても、売れつづけることは難しくなりそうです。
また、それにともない、空家増加にもつながるかと思います。
住宅が売れなければ、不動産の価格にも影響が出そうです。
※すべての地域で人口が20%減少するわけではありません。
人口動態は地域によって異なります。詳しくは、国立社会保障・人口問題研究所のHPにて。
本日の日本経済新聞に、“REIT23区離れ”という記事が掲載されていました。
その記事によると、個人や年金などの資金を運用する不動産投資信託(REIT)が、
物件の割高感から東京23区の物件取得を減らし、その以外の地域の不動産取得を
活発に行っているようです。
法人・個人を問わず、都心(東京)の不動産投資家は、通常、都心以外の不動産に
あまり興味がありません。
リーマン・ショック前や現在のように、不動産市場が過熱し、都心の不動産に
割高感を感じるようになると、仕方なくといった感じで、都心以外の不動産を購入し始めますが、
価格下落等で、割高感を感じなくなると、都心以外の不動産に興味を示さなくなります。
つまり、都心の不動産投資家は、都心以外の不動産の常時の価格(相場)を知らないため、
現状下においても、都心以外の不動産にあまり割高感を感じていないような気がします。
一方、地元の不動産投資家は、不動産市場の好不況に関係なく、不動産価格の推移を
見続けており、不動産市場が過熱してくると、割高感を感じるようになります。
割高感をあまり感じていない人と感じている人が、購入価格を競った場合、通常、
割高感をあまり感じていない人が競り勝つことになると思います。
よって、地元の不動産投資家が、地元の不動産を購入するという当たり前のことが、
成立しづらくなります。
地元の人以外にも知られているような一等地については、特に上記の傾向が顕著になるといえます。
投資不動産を販売している会社の人から聞いた話ですが、名古屋の拠点で名古屋の物件を
取り扱っていても、東京の拠点の顧客が高値で購入するケースが増えているそうです。
現在の不動産市場は、不動産に関わる人にとってあまり好ましくないのでは?と
考えさせられてしまいます。
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