不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2017年04月

名駅と栄の百貨店売上高と地価

新聞を見ていると、「名駅 栄に迫る」との見出しで、名駅エリアと栄エリアの百貨店売上高が
JRゲートタワーの開業によりほぼ同等水準になるとの記事がありました。

記事では、1996年には栄3、名駅1の割合だったものが、2016年の売上にJRゲートタワーの売上見込を
足すと、ほぼ11になるとのことです。

 

リニアの開業もさることながら、名鉄の再開発も控えており、近い将来名駅の売上高が上回ると
予想されます。

 

不動産価格はどのようになっているのかを調べると、下記のようになっていました。
1998年と2017年の地価公示を比較してみることにしました。

2017年の公示価格が近く、同様の用途地域であるポイントを比較してみます。)

 

名駅 中村5-1

所在地 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目601番

1998年 4,020,000円/㎡

2017年 8,600,000円/㎡

 

栄 中5-17

所在地 愛知県名古屋市中区栄3丁目501番1外

1998年 6,850,000円/㎡

2017年 7,500,000円/㎡

 

仮に2017年を11と計算すると、1998年時点では栄3、名駅2となります。

百貨店売上高と同様の対比は同じにはなりませんが、やはり名駅エリアの上昇率が高く、
地価も高くなっている状況です。

 

この流れは恐らく続くと思いますが、果たして20年後、どのように変わっていくのか気になるところです。

東日本大震災被災地のいま

 先週末、業界のある会合が福島であったため、金曜日から休みを取り、駆け足ですが、東日本大震災の被災地を回ってきました。ニュースなどで取り上げられることも多い被災地の現状ですが、遠い場所に住んでいると実感を伴わないことも現実です。しかし、今回現地を訪問し、あらためて震災の爪痕の大きさに思いを新たにしました。不動産業界に身を置く者が見た福島の現状について写真を交え報告したいと思います。


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仙台空港でレンタカーを借り、まず訪れたのが宮城県の女川町です。隣接する石巻市と比べると復興が遅れているということを聞いたため、実際のところどうなのだろうと思いやってきました。確かに、高台では造成が盛んに行われており、今なお復興途上であるということを強く印象づけられました。


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2015年12月にオープンした商業施設「シーパルピア女川」。第三セクターのまちづくり会社が運営するテナント型の商店街で、水産物を中心とした物販飲食施設が入居しています。話題の「ダンボルギーニ」も展示されています。なるべく地元貢献しようと2300円の海鮮丼を食し、お土産のかまぼこを自宅に送りました。



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商店街内の観光案内所には、震災当時の津波の写真が展示されていました。訪問した日は風もなく海は凪いでいたため俄かには信じがたいのですが、この場所で起こった現実です。


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駅も津波に流されたため、新しくなっていますが、駅自体少し高台に移転したとのことです。温泉施設も併設されているため、お湯に浸かってゆっくりしたかったのですが、先を急ぎます。


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女川町の中心部から10km以上走った山中ですが、大掛かりな造成が行われています。


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津波で84人もの児童・教職員が犠牲となった大川小学校。被害を受けた校舎がそのまま残されています。正直、言葉が出ませんでした。


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なお、大川小学校では、亡くなった児童の遺族の一部が石巻市と宮城県を被告として23億円の損害賠償を求める訴訟を提起し、昨年10月に仙台地裁が市と県に約14億円の賠償を命じる原告勝訴の判決が言い渡されています(原告、被告双方が控訴)。個人的にはこの判決については疑問を感じていたのですが、実際に現地に行ってみると、学校の裏山は子供でもなんとか登れそうな斜度であり、確かに教職員はなぜ子供たちを山に避難させなかったのか、という疑問が沸いてきました。


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翌日、福島在住の方に福島第一原発周辺を案内いただきました。福島第一原発から約5kmにある浪江町の両竹地区。一般人が近づけるのはこのあたりが限界です。道路が大きく屈折してしまっており震災の威力の大きさを感じさせます。


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分かりにくいですが、この場所からは福島第一原発の煙突やクレーンが遠望できます。


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木造建物は津波で流されてしまったため、鉄筋コンクリートの建物の遺構がポツリポツリと点在しています。かなりショックを受ける光景です。


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富岡町の桜の名所である「夜の森の桜並木」。このあたりも避難指示が4月1日に解除されたばかりの場所です。


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桜並木を歩いていくと、帰還困難区域のゲートに行き当たります。これより奥は放射線量が非常に高いレベルにあり、立ち入りが厳しく制限されています。


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帰還困難区域内では、建物も荒れ放題になっています。なお、帰還困難区域内では、公示地価などは調査が休止となっています。


被災地を訪問した4月14日は熊本の震災からちょうど1年の節目の日でした。日本という国に住んでいる限り、震災もそうですし、その他の災害も含め、自然の脅威からは無縁ではいられない。東日本大震災の被災地を訪問し、そういったことをあらためて強く認識しました。

不動産取引における埋蔵文化財

不動産取引において、埋蔵文化財は注意しなければならない要素の一つです。

建物を建てる工事中に土器等が出土した場合には、直ちに教育委員会への届出が必要になり、
調査のため一定期間工事を中止しなければならないこともあります。

教育委員会へ届出をしなかった場合は、行政罰、刑事罰の対象となります。

しかし、大体は埋蔵文化財が出土されることはありません。
注意しなければならないのは、周知の埋蔵文化財包蔵地内で工事をする場合です。

‟周知の埋蔵文化財包蔵地”とは、埋蔵文化財が埋設している可能性ある土地として、地域で認識されている地域をいい、教育委員会が遺跡分布図等を作成し、地域の指定をしています。

周知の埋蔵文化財包蔵地内で土地の掘削等を伴う工事(建物建築、建物撤去、外構工事、造成工事、埋め立て工事、地盤改良工事など)を行う場合、工事の種別や規模にかかわらず、工事着工予定日の60日前に届け出を提出しなければなりません。

また、工事においては教育委員会と事前協議が必要となりますし、場合によっては試掘調査が必要になります。試掘調査は教育委員会が実施します。

なお、工事の届出に対し教育委員会は、下記のとおり通知します。
①発掘調査の指示(個人が自宅を建てる場合を場合を除き費用負担必要)
②常時専門知識のある者の立会(費用負担必要)

③施工状況確認のための立会(費用負担なし)
④慎重工事(費用負担なし)

このように、近くに城や古墳があるなど、周知の埋蔵文化財包蔵地内で建物の建築を考えられている方は、計画通りに工事が進まないことや、予想外の費用負担をする可能性がありますので、注意が必要です。

詳しくは、名古屋市HPをご参照ください。
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/category/24-2-7-4-0-0-0-0-0-0.html




平成29年地価公示における名古屋圏の地価変動率

先日、国土交通省が平成29年地価公示を公表しました。
その結果の概要については、新聞等で既に報道されている通りですので、
名古屋圏の地価変動率にスポットを当ててみました。

名古屋圏の商業地の変動率上位10地点は、全国第7位の中村区名駅2-36-10の
「松岡第二ビル」(+29.0%)を筆頭に、中村区が6地点を占めました。
その他は、西区2地点(名駅・牛島町)、中区1地点(金山)、熱田区1地点(金山)であり、
エリアとして考えると、変動率上位は、名駅と金山に集中する結果となりました。
個人的には、中区栄ではなく、中区金山というところに、寂しさを感じてしまいます。

住宅地の変動率上位10地点は、名古屋市の独占とはならず(東区4地点・昭和区3地点)、
豊田市2地点と大府市1地点がランクインしました。

工業地の変動率上位10地点は、名古屋市3地点(中区1・熱田区1・緑区1)に加え、
安城市・日進市・豊明市・小牧市・豊田市・大府市・春日井市の各1地点がランクインしました。
※住宅地及び工業地の首位も名古屋市です。

一方の変動率下位10地点については、東京圏と異なる結果となりました。
東京圏の商業地及び住宅地の変動率下位10地点に、東京都の地点はランクインしていませんが、
名古屋圏の商業地と住宅地の変動率下位10地点は、愛知県(南知多・知多・美浜で過半を占める)が
独占し、三重県のランクインはありませんでした。
※大阪圏の商業地の変動率下位10地点に、大阪府の地点はランクインしていません。
 (住宅地の変動率下位10地点には、大阪府の2地点がランクインしています)
※工業地については、三重県の6地点(四日市市5・桑名市1)がランクインしています。
  残りの4地点(名古屋市港区2・武豊1・知多1)は愛知県。

ちなみに、名古屋圏の愛知県以外の市町村は、三重県の7市町(四日市市・桑名市・いなべ市・
木曽岬町・ 東員町・朝日町・川越町)のみと極めて少ないため、東京圏や大阪圏と単純に
比較できませんが、愛知県は、県内における地価の二極化が顕著であるような気がします。

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