不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2017年12月

今年の不動産ニュースを振り返る

今年もあと数日で終わり、新年を迎えます。

今年の不動産に関するニュースを私なりのキーワードで振り返りたいと思います。

今年のキーワード

・不動産価格上昇
・不動産開発
・所有者不明土地
・人口減少
・コンパクトシティ
・シェアリングエコノミー

地価公示や路線価など定期で公表されているデータで記されているとおり、
今年も不動産価格の上昇を肌で感じる1年になりました。

当社のある名古屋駅周辺は、昨年完成した、大名古屋ビルヂング、JPタワー名古屋に引き続き、今年は、JRゲートタワーが開業、10月には、名古屋駅南側で、ささしまライブが誕生し、活況を呈しています。その影響か、周辺の売買価格は上昇の一途をたどりました。

また、名鉄は3月に、近鉄・三井不動産・日本生命の4社で行う、
名古屋駅地区の再計画を公表しました。名古屋駅地区は今後も発展し、伏見地区や栄地区などに、その影響が波及していくように感じます。

しかし、不動産市況は良い事ばかりではなく、問題も抱えているようです。

バブル期と異なり、全ての地域の不動産価格が右肩上がりとはならないため、不動産に関する関心が薄くなったからか、相続しても利用しないこと、価値が低いということで、相続登記をしない土地所有者が増え、そのことが原因による
所有者不明土地問題が大きく取り沙汰された年でもありました。

また、名古屋市内の住宅地の価格は、近年、中区・東区の価格上昇が顕著に表れていますが、港区、守山区などは価格が微減するなど、
人口減少の影響もあるのか、地域による不動産価格に格差が生まれ始めました(名古屋市HP参照)。

国立社会保障・人口問題研究所のデータによれば、名古屋市内の25~44歳の人口について、2015年を基準にすると、2025年は約17%減少します。また、2035年まで、5年ごとに約10%減少していきます。住宅取得層が大きく減少すれば、住宅の売れ行きに影響がありそうです。

人口減少の影響を受け、国の重点政策で
コンパクトシティ化が進められています。コンパクトシティは地方の問題かと思いきや、名古屋市内でも“なごや集約連携型まちづくりプラン(仮称)”を制定し、コンパクトシティ化を進めているのに驚きました。

今年は、シェアハウス、民泊、駐車場シェアリングサービスなど、
シェアリングエコノミーが紙面をにぎわした年でもありました。そして、来年は住宅宿泊事業法が施行され、本格的に“民泊”が普及していく可能性があります。エアビーアンドビーが先行していますが、楽天や住友林業が参入するなど、新たに参入する企業が増えそうです。また、法律が整備されることで違法に民泊を運営している企業等が摘発されるなどするかもしれません。

さて、来年の不動産市場にはどのようなニュースが報道されるでしょうか。



丸栄2018年6月末閉店

栄の老舗百貨店(400年以上の歴史があるそうです)である丸栄が2018年6月末で閉店すると発表しました。
2010年にキャベジンコーワでおなじみの興和株式会社の子会社になってからは、百貨店業態から
テナント型への転換を進め、時期は未定であったものの丸栄の閉店自体は、発表済みでしたので、
驚きはないものの名古屋にとっては、大きなニュースとなりました。

気になる今後については、建物解体後、2020年に小規模ビルを建設、5年程度営業した後、
リニア中央新幹線が開業する2027年を目標に、同じく興和所有で広小路通を挟んで丸栄の北側に
位置する栄町ビル及びニューサカエビルと一体で再開発する方針のようです。
なお、再開発の事業規模は2,000億円ともいわれており、目標時期・事業規模ともに、名鉄・近鉄・
三井不動産・日本生命の4社が名古屋駅で行う再開発と同じとなります(名古屋駅再開発の
総事業費が2,000億円程度との報道がありましたが名鉄は未定としています)。

しかし、名古屋駅再開発と比較すると、立地(リニア中央新幹線の開通による特需)・事業主
(興和は名古屋を代表する会社でありますが・・・)・話題性の何れについてもやや見劣りしている
感じがあり、再開発の実現性を危ぶむ声もあるようです。
個人的には、規模に違いはありますが、栄には銀座を目指して貰いたいと考えています。

果たして、再開発の行方はどうなるでしょうか?

平成29年度 宅建試験合格発表

平成29年度の宅地建物取引士試験の合格発表が、平成29年11月29日に行われました。
宅地建物取引士の資格は受験資格の制限が無く、誰でも受験できることや、不動産業界以外の業種でも
役に立つこともあり、毎年約20万人が受験する国家資格です。ちなみに今年は約20.9万人の受験者でした。
受験資格の年齢制限等がないため、毎年最高齢及び最年少合格者も発表され、今年は最高齢合格者は
89歳、最年少合格者は13歳となっています。
(ちなみに歴代の最年少合格者は12歳です。)

今年の合格点は35点以上となっており、昨年と同様の合格点となりました。
   実施年度  合格点
   平成29年  35点以上
   平成28年  35点以上  
    平成27年  31点以上
    平成26年  32点以上
    平成25年  33点以上


この宅地建物取引士の試験で出題される項目は下記のようなものがあります。
①民法
②法令上の制限
③税制
④宅建業法
⑤その他土地建物に関する知識

主に不動産取引に関する知識(宅建業法)や、取引に付随する民法の知識、都市計画法や
建築基準法等、法令上の制限の知識等、不動産取引の専門家として必要な知識が問われる
試験です。


不動産の仕事に携わる方には必要な資格だと思いますが、そうでない方にとっても取得
していて良い資格だと思います。来年の試験はまだ先ですが、ご興味のある方は一度、
試験内容を調べられてみてはいかがでしょうか。

北海道出張

171208 弊社不動産事業部の業務は不動産仲介業務と不動産鑑定業務の二つに大きく分けることができます。前者は基本的には地元(弊社でいえば広域名古屋圏)に所在する物件が中心なのですが、後者に関しては、頻度は多くないものの遠方に所在する物件を扱うことがあります。今年でいえば、2件ほど北海道の案件を扱いました。

 うち1件は道東方面の案件だったのですが、不動産鑑定の調査の場合、事例資料を入手するために各都道府県の不動産鑑定士協会に出向く必要があります。北海道の場合、不動産鑑定士協会は札幌にありますので札幌に寄った後、目的地に移動する必要があります。札幌で事例資料を入手し、特急列車に揺られること数時間、間もなく目的地の駅に到着する十数分前に列車が急停止したかと思ったら、どうやら野生の鹿と列車が接触した様子。過酷な環境を走る北海道の列車の運行は大変だな、と思いました。

 さて、北海道出張の際に気になることが、出張費です。飛行機代などの交通費はお客様に請求させていただくことが多いのですが、ANAやJALなどの大手航空会社に普通運賃で乗ると平気で7~8万円かかってしまい、とてもお客様に請求できるような金額ではありません。特割などの割引運賃を利用しても5~6万円はかかってしまうので、株主優待割引のほうが安い、ということで金券ショップでANAの株主優待券を購入したこともあります。

 しかし、よくよく考えたら安いLCCがあるではないか、ということで先日の出張ではLCCを利用しました。セントレアから新千歳へは、以前から就航していたジェットスターに加え、11月末からエアアジアが就航したのでエアアジアに乗ってみました。荷物が重いと割増料金を取られるのですが、それでも1万円ちょいで名古屋-札幌を往復できることにちょっとした感動を覚えました。名古屋から大阪を新幹線で往復するだけでそれだけかかってしまいますので…。

 先週は、納品のため再度札幌に出向いたのですが、その際に利用したのはLCCそのものではありませんが、LCC並みの料金であるスカイマークでした。利用した日の料金は往復で1.7万円。ただし、日帰りでしたので自宅を6時に出て夜帰ってきたのが24時過ぎ。交通費を安くするためとはいえ、さすがに疲れました。

 そんな話を毎週のように北海道に出張している弊グループ税理士法人の税理士としていたら、「夕方の便で札幌に入って前泊したらよかったのに。ホテル付きのパックを利用したらANA利用でも2万円台で行けますよ」とのこと。

 う~ん。今度からそうします。

マンション管理組合の理事会は、理事長解任できるか!?

11月25日(土)の日本経済新聞に、
“最高裁が、マンション管理組合の理事会で、理事長を解任できるかの判断を示す”と掲載されました。

マンションの住人で構成されるマンションの管理組合は、理事を選任し、管理組合で選任された数名の方で理事会で結成します。

理事会は、生活騒音等のクレーム対応、建物の破損個所の修繕に関すること、駐車場の利用ルール作成、修繕計画の作成などの、管理組合の運営を行います。理事長は、管理組合の運営を統括します。

今回、下記②についてが争点となっています。
①マンション管理組合→総会決議で理事の選任、解任できる。
②マンション住人から選任された理事で結成された理事会は→理事長を選任できる、が解任はできない。

日本経済新聞の記事では、管理組合の理事会は、理事長を解任できるという判断が出される可能性が高いと記載されていましたが、私は、管理組合の理事会で理事長を解任できるようになれば、自由に論議ができなくなる可能性があると危惧しています。

私のマンション(世帯数150戸)で仮定した場合、理事会は6名で構成されています。私は理事長を務めた経験がありますが、理事会では、様々なマンションの運営に関する問題を、喧々諤々と議論し、意見が割れるものについては、理事会の多数決で決議し、最終的には、管理組合の総会で、住人の皆様に判断してもらいました。

私は、何事も住人の皆様の承認ありきだと思っています。私のマンションで言うなら、理事会は全体の4%の住人で運営されています。そのような少数の意見で、理事長を解任できるなら、ドラマでいうなら“クーデター”が起こりうる可能性すらあります。

今回は、管理会社の変更という、かなり大きな問題が発端で、理事長の解任騒動になったことが原因となっていますが、理事会で意見が分裂するなら、専門委員会を発足させるなどして、いろいろな人の意見を聞きながら、最終的には、住民の判断で決定できるような組織を作ることが、必要だと思っています。
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