最近、世間を騒がしているかぼちゃの馬車をご存知でしょうか?
因みに、シンデレラではありません。
かぼちゃの馬車とは、株式会社スマートデイズが都内で運営する“個室に家具家電が付いた女性専用のシェアハウス”のことです。
株式会社スマートデイズは、自社でシェアハウスを建築し、長期賃料保証のサブリース(一括借上)を売り文句にして、サラリーマン等の個人投資家にシェアハウスを販売しています。なお、その個人投資家への購入資金の融資は、不動産業界で有名な某地方銀行が一手に引き受けていました。
この度、かぼちゃの馬車が世間を騒がせるきっかけになったのは、某地方銀行が上記シェアハウスの購入資金の融資を引き締めたことにあると言われています。確かに、融資引き締め後、長期保証のはずサブリース賃料を一方的に引下げ、早くも先月、サブリース賃料の支払いが困難な状況に陥りました。
こうなると、関係者が動き出し、株式会社スマートデイズの親会社である株式会社オーシャナイズは、サブリース事業のオーナー様向けの無料法律相談会の実施を告知し(内容を見る限り、弁護士法人からの申し出を告知したのみと思われます)、株価が下落する某地方銀行は実態調査を開始しました。
ここで、疑問が浮上します。融資引き締めにより、シェアハウスの新規供給が難しくなりますので、業績の低迷は理解できますが、数か月の間で、サブリース賃料の支払いが困難な状況にまで陥ることは理解できません。しかし、シェアハウス販売事業の利益で、サブリース事業の赤字を補填するビジネスモデル(収益還元を利用し、サブリース賃料を高く設定することにより、シェアハウスを高値で販売)であれば理解できます。この場合、ビジネスモデル成立に一役買った某地方銀行の社会的な責任は重いと考えております。
かぼちゃの馬車のHPで間取りを見ましたが、シェアハウスの最大の魅力であるLDK等のの共用スペースが無いに等しく、個人的には、戸数を多く確保するために、シェアハウスと偽ったような印象を受けています。真面目にシェアハウスを運営している事業者のためにも、かぼちゃの馬車とシェアハウスを切り離して貰いたいと考えております。