不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2018年02月

かぼちゃの馬車

最近、世間を騒がしているかぼちゃの馬車をご存知でしょうか?

因みに、シンデレラではありません。

かぼちゃの馬車とは、株式会社スマートデイズが都内で運営する“個室に家具家電が付いた女性専用のシェアハウス”のことです。

株式会社スマートデイズは、自社でシェアハウスを建築し、長期賃料保証のサブリース(一括借上)を売り文句にして、サラリーマン等の個人投資家にシェアハウスを販売しています。なお、その個人投資家への購入資金の融資は、不動産業界で有名な某地方銀行が一手に引き受けていました。

この度、かぼちゃの馬車が世間を騒がせるきっかけになったのは、某地方銀行が上記シェアハウスの購入資金の融資を引き締めたことにあると言われています。確かに、融資引き締め後、長期保証のはずサブリース賃料を一方的に引下げ、早くも先月、サブリース賃料の支払いが困難な状況に陥りました。

こうなると、関係者が動き出し、株式会社スマートデイズの親会社である株式会社オーシャナイズは、サブリース事業のオーナー様向けの無料法律相談会の実施を告知し(内容を見る限り、弁護士法人からの申し出を告知したのみと思われます)、株価が下落する某地方銀行は実態調査を開始しました。

ここで、疑問が浮上します。融資引き締めにより、シェアハウスの新規供給が難しくなりますので、業績の低迷は理解できますが、数か月の間で、サブリース賃料の支払いが困難な状況にまで陥ることは理解できません。しかし、シェアハウス販売事業の利益で、サブリース事業の赤字を補填するビジネスモデル(収益還元を利用し、サブリース賃料を高く設定することにより、シェアハウスを高値で販売)であれば理解できます。この場合、ビジネスモデル成立に一役買った某地方銀行の社会的な責任は重いと考えております。

かぼちゃの馬車のHPで間取りを見ましたが、シェアハウスの最大の魅力であるLDK等のの共用スペースが無いに等しく、個人的には、戸数を多く確保するために、シェアハウスと偽ったような印象を受けています。真面目にシェアハウスを運営している事業者のためにも、かぼちゃの馬車とシェアハウスを切り離して貰いたいと考えております。

分譲マンションの「初月契約率」

分譲マンションの売れ行きを表す一つの指標として、
「初月契約率」という数字があります。
新聞等でも記事にされる数字ですが、おおよそ
70%前後の数字となっていることが多く、この数字だけ聞くと
「販売初月で70%も売れているのか」と捉えてしまいがちな数字です。
実はこの「初月契約率」は、全体の戸数に対しての数字ではないことは
ご存知でしょうか。

「初月契約率」の算出方法は下記の通りとなります。

「Aのうち契約した戸数」÷「販売初月に売り出された戸数:A」 

この「販売初月に売り出された戸数」は、あまりピンとこない方も多いと思います。

分譲マンションの場合、一般的には「期分分譲」という販売手法がとられており、
販売のタイミングを分けて販売されています。

例えば100戸のマンションの場合、
第1期 販売戸数 50戸
第2期 販売戸数 20戸
第3期 販売戸数 20戸
最終分譲 販売戸数 10戸
といった形で分けて販売されることが多く、上記の「初月契約率」の分母となる「A」の数字は、
上記の例でいうと、「第1期 50戸」ということになります。

したがって、「初月契約率70%」というと、
第1期販売戸数 50戸に対して70%なので、35戸を契約した
という計算になり、全体の100戸に対しては35%の契約率となります。

「初月契約率」は販売の好不調を示す数字ではありますが、あくまで
第1期に販売された戸数に対しての数字ですので、そのままの数字を
全体として捉えることはできません。

こういった発表されている数字の根拠を探ってみると、より具体的な販売状況が分かりやすいと思います。


三菱東京UFJ銀行の行名変更と銀行の略称

今年の41日、日本最大のメガバンクである三菱東京UFJ銀行の行名が三菱UFJ銀行に変更されます。同行ウェブサイトによると、行名変更の理由について、「このたびの行名変更は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の主なグループ会社の名称を『三菱UFJ』に統一し、グループとしての大きな戦略の下で、各社が担う機能のコンセプトを明確にするため」としています。また、英文名については、「グローバルで浸透しており、かつ分かり易さの観点から『MUFG』を使用する」とのことです。

あまり知られていないかもしれませんが、現在の三菱東京UFJ銀行の略称は「BTMU」といいます。The ank of Tokyo-Mitsubishi UFJLtd.から4文字を取っています。以前、ある人が「UFJ銀行に行ってきます」と言っていて怒られていました。確かに「三菱東京UFJ銀行に行ってきます」と言うと長ったらしいので、気持ちはわからないことはないのですが、社会人であれば正しい用語を使いたい、ということで「BTMUに行ってきます」と言っていれば、周りから「おっ!」と思われていたかもしれません(思われなかったかもしれません)。

その他のメガバンクですが、三井住友銀行は「SMBC」。これはロゴにも入っているし有名ですね。みずほ銀行は「MHBK」です。信託銀行系ですと三菱UFJ信託銀行は「MUTB」、三井住友信託銀行は「SMTB」、みずほ信託銀行は「MHTB」といいます。

行名変更後の三菱UFJ銀行の略称ですが、英文表記のまま「MUFG」になるのでしょうか。個人的にはBTMUという語感が嫌いではなかったので少し残念な気はするのですが、われわれが属する不動産業界にとって、金融機関の動向というものは大きな影響がありますので、今回の行名変更の背景にあることも含めて、興味深くウオッチしていく必要があると思いました。

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