その土地は、売主様が、先代より引継ぎ、長年月極駐車場として利用されていました。そのため、アスファルトをはつり、更地の状態で買主様に引渡しをすることが売買の条件でした。
売買契約後に、専門業者にアスファルトをはつってもらい、その後、土地全体の地面を50㎝ほど掘り起こし、土の中に何か埋まっていないかを確認してもらいました。
土の中の確認は、不動産の売買契約に記載されている売主の瑕疵担保責任に関係があります。
瑕疵とは、売主も買主も把握できないもので、土地の売買を例にすると、土の中に埋まっている、解体した建物の建材や、瓦、家庭ごみ、井戸などが考えられます。※瑕疵には、心理的な瑕疵などもあり、なかなか一言で説明することはできません。
瑕疵は、土地の引渡後に分かることもありますが、引渡後に分かると、その後の買主様の建物建築のスケジュールなどにも影響がでるため、仲介者としては、事前に把握しておきたいところです。
さて、本件土地の土の中ですが、昔の焼けた建物建材、瓦、食器、燃えた布、ヘルメットなどが大量に埋まっていました。また、燃えた形跡のある土壌も多く見つかりました。専門業者いわく、戦争の時に建物が焼失したものをそのまま埋めたのではないかということでした。
土の中に、建物建材など、大きなものであれば取り除くのは簡単です。しかし、瓦や食器などの細かい破片になると、全てを機械で取り除くのは難しくなります。その時はどうするかというと、土の入れ替えになります。
細かい瓦などが入った土については、産業廃棄物として処理することになります。その処理費用は、長年不動産業をしている当方も目が飛び出るぐらい高いです。
今回の土地は、戦時中に焼けた建物をそのまま埋めたのではないかと考えられ、当時の状況を考えると仕方がないかと思いますが、土地にゴミを埋めたりすることは、その土地の価値を下げることに繋がります。安易にごみを捨てないよう(捨てさせないよう)注意が必要です。