7月19日付のブログでお伝えした通り、研修旅行でニューヨークに行ってきました。
旅行中いくつかの気づきがあり、その中の1つの気づきです。
ニューヨークに30年以上在住の日本人と方とお話ししたとき、不動産投資について
意見を求められました。
ニューヨークでは、不動産投資のセミナーが数多く開催されているらしく、
その内容は、以前、日本で開催されていた“サラリーマン大家さん”を目指す方が
参加するセミナーと似ているような印象を受けました。
ただし、大家さんになって不動産賃貸を行うのはなく、コンドミニアム(分譲マンション)を
購入、リフォームやリノベーションを実施した後、転売するものでした。
その方の話では、10でコンドミニアムを購入、10でリフォームやリノベーションを実施、
そして30で転売するのが理想的なパターンとのことでした。
10年程前、リーマン・ショックの引き金となったサブプライムローン問題が起こった国で、
私には、かなりリスクが高いと思われる投資を不動産の素人が検討していることに、
大変驚きました(少し呆れました)。
しかし、その方が不動産投資を検討するようになった経緯等を聞き、考えが変わりました。
真面目に働いても、多くの人は、ニューヨークで豊かな生活は送れない。
知人等の中に、不動産投資で利益を得て、少し豊かな生活を送っている人がいる。
融資形式は、ノンリコースローン(非遡及型融資)であり、仮に不動産投資が
失敗したとしても、投資不動産を失う以外の損失が少ない。
金利は高いが、ノンリコースローンのため、貸し手は運命共同体のようなものであり、
物件の善し悪しを判断してくれる(融資承諾となれば優良物件と判断できる)。
通常、日本における不動産投資向け融資はリコースローンであり、不動産投資に
失敗すると、投資不動産を失うだけでなく、融資を受けた方のその他の財産、
場合によっては連帯保証人の方も財産を失うことになります。
つまり、不動産投資の失敗により、多くの方の人生が大きく狂ってしまい、
その損失が大きい場合、自ら死を選択される人があらわれることもあります。
日本でも不動産投資向け融資の主流がノンリコースローンになれば、
金融機関の融資審査に秩序が生まれ、不動産投資がより身近で、健全な資産運用の
一つになるような気がします。