不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2019年10月

働き方改革で変わるオフィスの賃貸事情

ここ数年、都内を中心に会社のオフィスや自宅以外で働く場所としてのコワーキングス
ペースという言葉を耳にする機会が増えてきました。

コワーキングスペースという用語に明確な定義はありませんが、「スペース、機材、
会議室などの設備を異なる企業に属する者あるいは個人間で共有し、利用者同士の
コミュニケーションを促進するスペース」をいいます。


これまではスタートアップ企業やフリーランスなど個人の方が、オフィスコストを抑える
ため利用するケースが大半だったのが、働き方改革の取組みやスタートアップ企業と
のつながりを通じてアイデアを取り入れ、コミュニケーションを活性化させ新たなイノベ
ーションを創出する場として活用したい大手企業の需要増を背景にコワーキングスペ
ース施設数が増加しています。


東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)の総賃貸取引の面積に対し
て、コワーキングスペースは 2017年通年で3% だったものが 2018年7月末時点で34%
まで上昇したとの調査結果(出所:JLL「東京オフィス市場で拡大するコワーキングスペ
ース」)も出ています。


また、オフィスビルの所有者としては、コワーキングスペースを設けることで自らスター
トアップ企業の成長を支援し、将来テナントとして自社ビル誘致につなげたいことや、
入居テナントの突発的な床需要の手当てをしやすいことなどが供給面積の増加につ
ながっています。


一方、名古屋エリアでのコワーキングスペースを調べると、30施設以上(2019年10月
25日時点)確認できますが、名駅エリアの一部を除き東京都心部でみられるような大規
模施設の供給はなく、ビルや店舗の空きスペースを活用したコミュのケーション重視型を
売りにした普及が中心になっています。


今後、企業の副業促進やオフィス勤務という働き方以外が受け入れられるようになれば、
個人が長期間利用するなどの需要拡大も考えれるため、名古屋エリアでもさらなるコワー
キングスペースの供給増につながることも予想され、不動産業務に携わる者として、
名古屋エリアのオフィス賃貸需要の変遷について注目してきたいと思います。


「築浅」の基準

建物の築年数が新しい場合、「築浅物件」と表現しますが、「築浅」と聞くと、
皆様はどれくらいの築年数をイメージされますでしょうか。
また、「築浅」のほかに、築年数が新しいことを表す表現として、「新築」があります。

「築浅」と「新築」には明確な定義はあるのでしょうか。

まず、「新築」には明確な定義があります。
「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」と
「公正競争規約(不動産の表示に関する公正競争規約)」という2つの法律・規約によります。


その規定によると、「新築」とは、
○建物が完成してから1年未満
○過去、誰も入居したことがない
の二つの条件を満たすものを指すこととされています。

次に「築浅」ですが、これには明確な基準はありませんが、
色々な媒体を見ていると、おおよそ築5年くらいまでなのかなと感じます。
(中には「築浅(○年以内)」というように、ポータルサイト等では明確な基準を設けず、
 特集記事として「○年以内」のものをその記事内の定義として使っているケースもあります。)
調べてみると、築10年以内も「築浅」と表現しているものもあり、定義が無いため、
各業者様によってさまざまだという結果でした。
(個人的には5年以内かなと感覚的に思っていました。)

定義がない「築浅」という言葉のみを受け取らず、しっかりその物件の情報を
確認することが重要です。



新幹線車両基地とハザードマップ

 10月12日19時前に静岡県伊豆半島に上陸した台風19号は関東甲信越地方を中心に甚大な被害をもたらしました。各地で浸水被害が相次ぎ、特に千曲川が決壊した長野市では、JR東日本の長野新幹線車両センターが水没し、新幹線車両10編成が水に浸かってしまいました。

 長野市のハザードマップを見てみると、この車両センターは千曲川と浅川という河川に挟まれた地形的に低い場所にあり、洪水による浸水が最も想定される場所に立地しているようです。そもそも平地が少ない善光寺平(長野盆地)にあって広大な平坦地を確保できる場所が限定されるが故、洪水が頻発するような場所に車両基地を設けなければならなかったものと推察されますが、新幹線車両が水没する映像は衝撃的なものでありました。


 水没した車両はJR東日本所属のE7系が8編成、JR西日本所属のW7系が2編成の計10編成で、これは北陸新幹線で運用される全車両のうち約3分の1にあたるとのことです。新幹線車両の場合、床下に動力・制御機器があり、エレクトロニクス技術の結晶のような高度な電子機器が搭載されていることから水没した車両が果たして復活できるのかは不明ですが、仮に廃車となった場合、1編成30億円以上の新幹線車両が10編成で300億円以上の損失ですし、北陸新幹線が長期間運休し、首都圏と北陸方面の旅客流動が阻害されることによる経済損失はさらに大きなものとなるかもしれず心配が募ります。


 最後になりますが、今回の台風で被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げるとともに一日も早く復旧・復興がなされることをお祈り申し上げます。


参考URL:長野市洪水ハザードマップ(古里・柳原・浅川・朝陽・若槻・長沼・豊野地区周辺)

公的なホームページより地価の動向を把握する!?

愛知県が、令和元(2019)年9月19日に、地価調査の結果を公表しました。

地価調査とは、国土利用計画法による土地取引の規制を適正かつ円滑に実施するため、国土利用計画法施行令第9条に基づき、都道府県知事が毎年1回、各都道府県の基準地(令和元年は全国21,540地点、うち愛知県内872地点)について不動産鑑定士へ鑑定評価を求め、これを審査、調整し、一定の基準日(7月1日)における正常価格を公表するものです。公表された価格は基準地価と呼ばれています。

公示地価が、1月1日現在の価格とするのに対し、基準地価はその半年後の7月1日を基準としており、半年ごとの地価の状況を知ることができます。

愛知県の地価調査の結果は、愛知県が、地価の動向などを取りまとめしており、愛知県のホームページで確認することができます。また、愛知県のホームページでは、地価調査結果の基となる、調査地点における不動産鑑定士が作成した鑑定評価を確認することができます。

鑑定評価には、地価の上昇が見込まれるところでは、「需要動向は強含みである」「地価は上昇傾向にある」などのコメントが記載されており、下落傾向とされる地域では、「人口減少、高齢化に伴い空室率が増加」「依然として大きな地価下落傾向」などのコメントが記載されており、今後の地価動向を予想することができます。

このように、信頼のおける公的なホームページにより、専門家の考えなどを知ることができるのは、地価の動向についての情報を収取されている方にとって、貴重なことではないでしょうか。

また、他にも、国土交通省(公示地価)や、都道府県(基準地価)国税庁(路線価) など、公的なホームページから地価の動向を把握することができます。

興味のある方は、一度お試しください。
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