不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2020年02月

売却しづらい土地、アパート建築が最良の方法?

先日、土地の活用についてお客様より相談を受けました。

相談を受けた土地は、駅から徒歩10分に立地していますが、前面道路が狭く、車同士のすれ違いができません。また、崖地になっており、家を建てるためには擁壁を造成する必要があります。そのため、周囲の相場は、坪40万円程度ですが、坪30万円でも売却できない可能性があります。

その土地について、お客様は、アパート建築業者より提案を受け、アパートを建てれば、家賃収入が見込め、土地の価値も上がると勧められていました。アパートの建築費は、8,000万円です。売却しづらい土地のためお客様は悩まれていました。

以下の項目など当方にて確認をしました。
①アパートを建てた場合の賃料相場
②アパートを建築し、土地と建物を売却した時の価格

①駅から徒歩10分に立地していますが、築10年経過した周囲のアパートを調べると、10年で10%程度賃料が低下していることが分かりました。
②アパート建築後に、土地と建物を売却する際の価格は、収益物件として売却することになり、投資家の期待利回りに影響されます。アパート建築後すぐに売却する場合の価格は、6,000万円程度になることが分かりました。

アパート建築業者が作成したシミュレーションでも家賃が下落することは説明されていましたが、下落率が抑えられれていました。シミュレーションどおり借金を返済できるかどうか心配になります。
また、8,000万円かけて建築したアパートを、すぐに売却したと想定すると、売却価格は、土地と建物合わせて6,000万円になります。2,000万円+土地代が、一瞬にして目減りすることになります。目減りした資産価値を、賃料収入で取り戻すためには、長い期間必要になります。

相続税を減らす努力をすることで、資産が目減りしてしまっては意味がないと思います。相続税対策だけで、アパート建築計画を確認するのではなく、事業としても確認することが必要だと思います。多角的に確認を行うことで、ミスジャッジは減るのではないかと思います。

新型コロナウイルス

日を追うごとに、新型コロナウイルスの感染が拡大しており、不動産取引への影響が心配になってきました。

近年の地価高騰の要因の1つである“インバウンド”が激減し、外国人で賑わっていた街は、
一気に静まり返ってしまいました。
また、1年の中で最もインバウンド消費が期待できる“春節”に重なってしまったことが、
影響をより大きくしてしまいました。

最近では、不要不急の集まりや外出の自粛が叫ばれるようになり、更に、街から人が消えていっています。
実際、私も来週開催する予定であった会合を本日中止することにしました。
ちなみに、来月も中止にする予定ですが、今後の新型コロナウイルスの感染状況次第では、
4月以降も中止にする可能性もあると考えております。

ここまでくると、景気への影響が心配になるのと同時に、不動産取引への影響が心配になり、
色々考えてしまいます。

・ハウジングセンター来場数等、住宅探しをする人の数が減少し、住宅取引が減少する?
・ホテルの稼働率悪化、宿泊料低下により、ホテル建築ラッシュが終焉を迎える?
・飲食店等の苦境から空店舗の増加、賃料低下を招く?
・建築中の賃貸建物の収支予測にも影響(下方修正や計画見直しを余儀なくされる)?

上記は、何れも不動産需要の減少に繋がる事象であり、不動産価格の低下に繋がります。
現在、不動産価格は高止まりしていますので、低下自体は悪い事ではないと思いますが、
安くしないと売れなくなる(買いたい人が買えなくなる)という状況は、決して好ましくありません。

年始に、東京オリンピック後の景気と不動産価格について触れましたが、
それから2ヶ月も経たないうちに、新型コロナウイルスという新たな要因による
悪化を心配することになるとは、想像もしていませんでした。

改めて、将来の予測は難しいと実感しました。
(新型コロナウイルス感染の1日も早い収束を願っています)


家賃のクレジットカード払い

普段の生活に浸透し当り前のように利用しているクレジットカード。
株式会社JCBが20代から60代の男女3500人を対象に行った「クレジットカード
に関する総合調査(2018年度)」では、8割以上の人が約3枚(保有率:84%、
平均保有枚数:3.2枚)のクレジットカードを保有しているとのことです。

居住用の賃貸物件に関しては、不動産管理会社等から、家賃のクレジットカード
払いが増えているといった話をここ数年で耳にするようになりました。
当該総合調査で確認してみると、カード保有者のうち家賃(敷金・礼金・初期費用等
含む)をカード払いしている割合は18.6%でした。
調査対象者の全てが賃貸居住者ではいないため一概にはいえませんが、個人的
見解でいえば、徐々に普及してきているといった印象を受けました。
というのも、オーナーからすれば、クレジットカード払いの取扱い件数の増加は、
カード会社へ支払う手数料に直結し、また、賃貸物件は、間取りやエリア、家賃等
の条件に関する優先順位の方が高く、クレジットカード払いできるかどうかは、賃貸
契約を締結する決定打にならないとの考え方が根強くあったためです。


しかしながら、クレジットカード払いをするメリットは、入居者・オーナーともにあり、
入居者は ①「ポイントが貯まる」 ②「毎月振込の手間がかからない」  ③「(水光熱
費等と併せ)固定費の支払いを統一できる」等が可能となります。
一方、オーナーは ①「競合物件との差別化が図れ、集客力アップ(空室率低減)に
繋がる」 ②「家賃の回収もカード会社が一端を担うため家賃滞納の心配がなくなる」
等が挙げられます。

カード手数料の負担がある限り、浸透していくのはなかなか難しい問題ですが、テク
ノロジーの進化によりフィンテックサービスが普及しカード手数料が安価になってくる
ようなことにでもなれば、クレジットカード払い可能な賃貸物件が急激に増えてくるか
もしれません。

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