不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2020年05月

経済活動再開後の不動産取引

全国を対象とした緊急事態宣言の解除を受けて、
徐々に経済活動が再開されています。
おそらく経済活動の再開には賛否両論あるかと思いますが、
新しい生活様式を模索しながらの再開になると思います。

不動産市況においても、当面良い材料がない中での再開となりますが、
取引の現場においても、新しい取引の形が模索されていくと予想されます。

テレワークや在宅勤務を行うにあたり、テレビ会議が急速に普及しており、
今まで賃貸物件の取引に限定されていたIT重説が、今後売買にも普及してくることが
想定されます。(今でも検討が進められています。)
また、VRやネットでの現地案内、接客のIT化(チャットでのやり取り等)も
進んでいくと感じています。

在宅勤務についても、「出勤しないと仕事ができない」と思っていたものが、実際に
行ってみると「意外とできることも多い」と感じており、これを機会に不動産業界の
取引の形も変わっていくかもしれません。

手探りの状態が続きますが、お客様にとって良い形での新しい取引の形が生まれれば
良いなと感じます。

コロナ禍と国家試験

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、日本高校野球連盟(高野連)などは、5月20日、8月に甲子園球場で予定されていた夏の全国高校野球を中止することを決定しました。夏の全国高校野球の中止は3回目で、戦後では初となります。また、春のセンバツ大会に続き、夏の大会も連続して中止になるのは史上初ということです。

 高野連の資料によると全国の高校球児の数は約14万3千人(令和元年)であり、彼らの多くが闘志を燃やして頂点である夏の甲子園を目指していることを考えるとその無念はいかばかりかと思います。すでに夏の高校総体(インターハイ)も中止が決まっていますし、運動部だけではなく、吹奏楽部や合唱部など文化系の部活もコンクールなどは全て中止でしょうから、新型コロナウイルスという災厄は若者たちが努力の成果を競う場をことごとく奪ってしまっています。

 「努力の成果を競う場」という意味では国家試験も同様といえます。特に『○○士』という名前がつくようないわゆる『士業』の資格を得るための国家試験は、試験科目や出題範囲が膨大であり、試験によって差はあるものの、少なくとも1年から数年は猛勉強をしたうえで年に1度の本番に臨みます。そうした努力の成果を発揮する場である国家試験の試験日程もコロナ禍の影響を受けてしまっています。主なものをみてみましょう。



 5月に行われる予定であった司法試験、公認会計士や不動産鑑定士の短答式試験はいずれも7~8月に延期となっています。また、司法書士試験については時期未定となっています。多くの受験生は本番までの残り日数から逆算して学習計画を立て、本番で最大のパフォーマンスを発揮できるように調整を行います。特に試験直前の1ヶ月くらいは合格するような受験生であればラストスパートとして1日10時間以上勉強することも当たり前ではないでしょうか。それが、試験日程が数ヶ月先送りされることにより緊張の糸がプツリと切れ不調に陥る受験生が増えることが懸念されます。しかも、感染拡大の収束いかんによって再度の延期や最悪の場合、今年度の試験自体が中止となる可能性もゼロではありません。

 このように先行きが見通せない中、日々努力を続けられている受験生の心情を慮ると言葉もありませんが、5月21日には大阪、京都、兵庫の近畿3府県で緊急事態宣言の解除が発表され、感染者が最も多い東京都でも新たな感染者は減少傾向にあるなど少しずつではありますが、明るい兆しも見えています。延期された多くの試験が実施される夏までにはコロナ禍が収束し、問題なく試験が行えるような状況になっていることを願ってやみません。

営業再開とコロナウィルス

5月14日、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言について、
当社が所在する愛知県を含む39県は解除となりました。
※愛知県独自の緊急事態宣言は、5月末まで継続予定となっています。

緊急事態宣言の解除により、少しずつ経済活動を再開していくことになると思うのですが、
私が従事している不動産仲介業で、営業を再開していいものか、少なからず、不安を感じています。

なぜなら、新型コロナウィルスは、自覚症状がなくても感染していることがあり、
その場合でも、人に感染させることがあると報道されているためです。

また、新型コロナウィルスの残存期間が長いことも注視しています。
新型コロナウィルスの残存期間について、厚生労働省より下記のデータが公表されています。
・エアロゾル・・・3時間まで
・プラスチックやステンレスの表面・・・72時間まで
・銅の表面・・・4時間まで
・段ボールの表面・・・24時間まで など

ご自宅を売却する場合、住みながら売却活動をされる売主様も多くいらっしゃいます。
営業を再開すれば、インターネット広告などで問い合わせをいただいた購入検討者の方を、
売主様が生活をしているご自宅へお連れして、室内の内覧をしていただくことになります。

その際、自分が無症状だとしても感染していれば、売主様や購入検討者の方へ、ウィルスを感染させてしまう可能性があります。
また、室内の内覧ごとに、売主様に、感染拡大防止のための消毒等のご負担をかけることになります。

このような状況なので、売却活動はやめておいた方がいいのではないかと思うとともに、今売却しないと不動産の価値が下がる可能性があり、売主様にご迷惑をお掛けすることになるのではないかと感じることもあります。
新型コロナウィルスが終息するまでは、このような気持ちのまま営業活動をすることになります。
早く新型コロナウィルスが終息することを祈るばかりです。

最近多い相談

最近多い相談というか、最近の相談のほぼ全ては賃料減額についてです。
そして、その相談者のほぼ全てが貸主様です。

賃料減額の相談というと店舗を想像されると思いますが微妙に違います。
では、何かというと土地の賃料(地代)減額の相談です。
一言で土地の賃料といっても様々です。
店舗敷地、店舗の駐車場、コインパーク、事業所の専用駐車場 等。
相談を聞いていますと、借主様の厳しい状況が目に浮かぶものもあれば、
申出があった減額の程度が如何にも大きいと感じるものもあります。

当該地について、借入金が無い相談者からは、
“減額に応じた方が良いか? 応じる場合、どの程度減額すれば良いのか?”
について意見を求められることが多いです。
一方、借入金がある相談者からは、
“減額に応じる必要があるか? 応じた場合、国から何らかの支援が受けられるか?”
について意見を求められることが多いです。
両者からの相談は、似て非なるものであると考えています。
借主様に様々な事情があるように、貸主様にも様々な事情があるのです。
そして、貸主様にとっても、借主様と同様に苦しい時期なのです。

現在、貸主様への新たな支援策が検討されていますが、私が把握している限り、
現時点の支援策は、下記の3つだと思います。
(勉強不足の場合は、申し訳ありません。)

① 税・社会保険料の納税猶予
② 固定資産税・都市計画税の減免
  ※2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が30%以上50%未満減少した場合
    → 2021年度の固定資産税・都市計画税を1/2に軽減  
   2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が50%以上減少した場合
    → 2021年度の固定資産税・都市計画税を全額免除
③ 免除による損害の額の損金算入

相談者が期待している国からの支援は、直接的な負担減(税金でいえば、
所得控除ではなく、税額控除のようなもの)であり、それに該当するのは、
②のみだと思われます。
しかし、②についても、その売上は、それぞれの不動産毎ではなく、
事業全体で判断されるものと解釈できます。
もし、前記の解釈が正しい場合、複数の不動産を賃貸されている方は、
全ての不動産の賃料について、減額を実施しないと②の要件を充たすことが
できない恐れがあります。
よって、“25%ではなく30%減額した方が良い”などといった意見は言えないのです。
正直なところ、非常に悩ましいです。

※緊急事態宣言延長に伴い、弊社のテレワークも延長となりました。

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