不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2021年10月

「火災保険スキーム」の勧誘にご注意を

先日、弁護士資格を持たずに報酬を得る目的で火災保険金の請求を行ったとして、
リフォーム業者や不動産会社の社長らが逮捕されたとの記事がありました。

逮捕された理由は「保険金の請求行為が法律事務であるとみなし、弁護士資格を持たない者が
報酬を得る目的で法律事務を行ったとして非弁行為にあたる」とのことです。
記事によると、逮捕された不動産会社の社長らは自社の顧客に「火災保険が適用される」といって
火災保険の請求を持ち掛け、支払われた保険金から成功報酬を受けとる目的であったとされています。

一見、火災保険の請求を代理でしただけに見えますが、問題としては
〇受け取った保険金の一部を報酬として受け取っている。
〇そもそも火災保険の適用にならない経年劣化等も火災保険の対象として申請し、
 保険金を受け取るような悪質な業者も存在する。
〇仮に上記のように騙すような手口に加担したとすれば、オーナー側も詐欺罪に問われる
 可能性がある。
となります。

こういった火災保険を悪用して保険金を受領することをコンサルティングしている会社も
中にはあり、「火災保険スキーム」と呼ばれて、セミナーも開催されているほどです。

正規の手続きの中で保険金を受け取ることは勿論問題ありませんが、保険会社を騙すような
手口で代理申請させた場合、依頼したオーナー様も詐欺罪等に問われる可能性があります。
今回の逮捕は氷山の一角であり、そういった勧誘には絶対に乗ってはいけません。

塗り替わる【商業】地図

名古屋市西区と春日井市で大型商業施設の開業が相次ぎます。

1027日(水)、名古屋市西区にオープンするのは「イオンモールNagoya Noritake Garden」です。本施設は、名古屋駅から北に1kmほどいった西区則武新町のノリタケカンパニーリミテドの本社工場跡地に三菱地所などが手掛ける大規模マンションと一体として再開発されたものです。名古屋市西区には既に「mozoワンダーシティ」がありますし、そのほかにも名古屋市内には「イオンモールナゴヤドーム前」「イオンモール熱田」「イオンモール新瑞橋」「イオンモール名古屋茶屋」「イオンモール大高」など、他の大都市と比べてイオンモールが多くありますが、「イオンモールNagoya Noritake Garden」は名古屋駅に近い立地を活かし、イオンモールとしては初の試みとして広大なフロア面積を誇るオフィスが併設されるほか、名古屋駅周辺のシネコンと競合を避けるためか、シネコンの代わりにコニカミノルタが運営するプラネタリウムが出店します。

20211023_noritake

また、1022日(金)、春日井市に「イーアス春日井」がオープンしました。「イーアス」はダイワハウス工業が運営する複合型ショッピングセンターで、同社は茨城県つくば市や東京都八王子市、沖縄県豊見城市などで同名の施設を展開しています。「イーアス春日井」は、西友が運営していた「ザ・モール春日井」の跡地を大和ハウス工業が取得し、新たに商業施設を建設したもので、西友がテナントとして入居し24時間営業のスーパーを運営するとともに全国最大規模を誇る「無印良品」が出店しています。

この「イーアス春日井」からさほど遠くない名古屋市守山区には7月に会員制スーパーの「コストコ守山倉庫店」が開業、一時は周辺が大渋滞となるなど、高い顧客誘因力を発揮し盛業中です。

一方、百貨店の業態では愛知県内でも撤退が相次いでおり、直近では930日に名鉄豊田市駅前にある「松坂屋豊田店」が閉店しました。20208月にはイオンモール岡崎に入っていた「西武岡崎店」が、同年3月には豊橋駅前で営業を続けていた「ほの国百貨店」が閉店しており、愛知県の三河地方からは百貨店が消えるかたちとなりました。

車社会である愛知県では、自動車と親和性の高い、大型の駐車場を設置した大型ショッピングモールが伸長する一方、百貨店業態では、名古屋市外の店舗が軒並み閉店し、県内で名古屋市外にある百貨店は一宮市の名鉄百貨店一宮店のみとなってしまいました。

長引くデフレや所得が伸びないことによる人々の消費行動の変容など様々な要因が考えられますが、栄枯盛衰を感じざるを得ない、新規出店と閉店のニュースでした。

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人通りの増加で、沿道の不動産復活へ!?

先日、不動産コンサルティング業務の一環として、お客様の土地の活用方法を検討しました。
その土地は、駅から近く、平時であれば人通りの多い場所にあります。

駅から近いため、何でもできる立地ですが、今回は、お客様と相談して、コンビニエンスストアなどの店舗を建築して活用することを決めました。

そのため、知り合いのコンビニエンスストアの出店担当者などに出店の可能性を確かめたところ、出店は難しいとの判断をされたところが多くありました。新型コロナウィルス感染拡大前には、このような状況ではありませんでした。

出店できない理由は、人通りが少ないことでした。当社のある愛知県では、9月30日まで緊急事態宣言が発令されていましたので、その影響で人通りが少なかったかもしれません。

沿道沿いの商売では、交通量は売上を上げるための重要な要素の一つです。新型コロナウィルスの感染拡大は、ワクチン接種の効果もあってか、現在は落ち着いています。また、飲み薬の開発が進んでいるなど、暗いニュースばかりではなない状況です。

沿道沿いの店舗の売り上げは、交通量に大きな影響を受けます。店舗の売り上げが上がらないと、店舗の賃料や不動産の価格にも影響を及ぼします。ぜひ、新型コロナウィルスの感染が沈静化し、交通量が増え、賃料や不動産価格に好影響がでることを期待しています。

身の丈

最近、中国の不動産大手である中国恒大の債務不履行リスクが全世界的な問題となっています。
中国恒大の資金繰りが悪化した一番の要因は、身の丈を超えた過大な不動産開発と言われています。

不動産開発に限ったことではありませんが、身の丈を超えた投資は、資金調達が生命線であり、
その生命線が保たれなくなると黒字でも経営破綻することがあります。
なお、中国政府の過剰債務企業への監視強化により、不動産関連融資全般が悪化していると
いわれており、中国恒大に限った問題ではないようです。

投資を行う上で、身の丈をわきまえることは非常に重要ですが、その反面、成長のスピードが
遅くなる恐れがあります。
現在は、採算度外視でシェア拡大を図り、競合他社がある程度淘汰された後に、収益重視へ
舵を切るモデルが主流であり、身の丈をわきまえながら生き残っていくことは、至難の業といえます。
よって、度を過ぎた部分はあると思いますが、中国恒大の経営スタイルを全否定することは
出来ないような気がしています。
ちなみに、財務が健全で成熟した会社であれば、身の丈にあった投資でも勝算はあるといえます。

前記は、会社の場合ですが、個人となると少し違ってきます。
個人の場合、身の丈にあった投資こそが、その家の長きに亘る繁栄に繋がると考えています。
十分な資産があったとしても、長きに亘る繁栄を望むのであれば、やはり投資(運用を含む)が
必要です。
世界的に、富裕層に対する課税は強化される流れであり、投資をしないと急激に資産は減少します。

総花的な内容になってしまいましたが、今回伝えたかったことは、身の丈を超えた投資は
危険であるが、身の丈に合った投資は必要であるということです。

地価調査 愛知県2年ぶりに上昇

先月(9月21日)、2021年の地価調査(基準地価 7月1日時点)が発表されま
した。

観光地では、新型コロナウイルスの影響からの立ち直りがいまだ見通せない状況ですが、
愛知県内の商業地は、2年ぶりに地価が上昇しました。
名古屋市中心部のオフィス街では上昇率が10%(中区錦1丁目)を超えた場所もあり、
新型コロナウイルスが流行する前の水準を上回る地点も散見された結果となりました。

名古屋・伏見エリア等の都心では、コロナ禍でもマンションの売れ行きが好調とのこと
で、夫婦共働きの高収入世帯や郊外に住んでいる現役をリタイアした人が、将来を見据
え利便性のよい都心マンションに居住を移す実需だけではなく、賃貸にして収益を得る
ために複数購入する投資家の投資意欲も需要増の要因の一つとなり、地価の回復基調が
強まっているようです。

その他のトピックスとしては、愛知県飛島村の住友倉庫の地価が14%上昇しました。
「巣ごもり需要」を背景に急拡大した電子商取引市場と、それを支える物流ニーズの高
まりを受けたことによるものですが、今年5月に名古屋第二環状自動車道(名二環)が
全線開通し、トラックターミナルが集積する小牧市などへのアクセスが改善された効果
も地価を押し上げる結果となったとのことです。

今後も、弥富市(大和ハウス工業)や、名古屋市の三菱重工業岩塚工場跡地(ラサール
不動産投資顧問)では、大規模物流施設が建設される予定であり、物流関連市場の活況
は当面続くため、一定規模の物流施設が建設できる高速道路に近い土地は積極的な投資
対象となり、今後しばらくは高値での取引が続くと思われます。
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