不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2022年08月

既存不適格物件

土地に建築物を建築する際には、必ず法令による制限があります。
代表的なものは「都市計画法」と「建築基準法」ですが、この法令は
都度改正がされており、建物が建築された当時と、現在の法令が違うケースがあります。

例えば、建築基準法に定めれた「建蔽率(けんぺいりつ)」と「容積率」という制限があり、
名古屋市内の一般的なエリアですと
建蔽率 60%
容積率 200%
に定められています。(用途地域によっても変わります)

簡単に建蔽率と容積率の制限をご説明しますと、
建蔽率:敷地面積に対する建築面積の割合
容積率:敷地面積に対する延床面積の割合
となります。

例えば、敷地面積100㎡の土地で、上記の建蔽率・容積率の制限であれば、
建蔽率:60%なので、建築面積は60㎡まで
容積率:200%なので、延床面積は200㎡まで
となります。

しかしながら、容積率については、昭和46年に全国的に容積率の指定が施行されるまでは、
容積率の制限が課されていないエリアが多くありました。
したがって、昭和46年以前に建築された建物は容積率の制限を受けていない可能性があります。

現行法令の容積率を超過している場合、建築当時は適法に建築されたが、
法令が改正されたことにより現行法令を適していない建物を「既存不適格物件」と呼びます。
この「既存不適格物件」は、あくまで建築当時は適法であったため、「違法建築物」とは違い、
現況で利用する場合は問題になりません。
しかしながら、仮に建物を取り壊して建替えをする場合には、現在の法令に適した容積率に
する必要があることから、従前の建物と同規模の建築物が建築できないケースがあります。

上記は「既存不適格物件」における容積率についての例を記載しましたが、それ以外にも
法令は都度改正されているため、現行法令に適しているか確認することが重要です。
また、既存不適格物件を購入する場合、どの部分が「既存不適格」なのかを確認し、
建替えも含めて目的に合致しているか確認することが重要です。

名古屋駅前のシンボル「飛翔」の撤去が進む

名古屋駅前のシンボルであった「飛翔」というモニュメントの撤去が進んでいます。

解体当初は上部のみが切り取られ、しばらくそのままになっていたのですが、現在は鉄骨が組まれ、少しずつですが撤去が進められているようです。

「飛翔」が造られたのは名古屋市政100年であった1989年(平成元年)。そのころ行われた世界デザイン博覧会の開催に伴う名古屋駅前のロータリー交差点の整備の一環として行われたとのことです。地下鉄桜通線が開通したのもこのころのことです。

当時、私は高校生で、友人たちとデザイン博を観に行ったことや初めて桜通線に乗ったときのことは覚えているのですが、「飛翔」というモニュメントがあったかどうかはあまりよく覚えていません。

そのころの名古屋駅はセントラルタワーズが建つ前で、昭和チックな旧駅舎は健在でしたし、名古屋駅周辺で一番高い建物は、現在のJRゲートタワーが建つ場所にあった「名古屋ターミナルビル」(松坂屋名古屋駅店などが入居)でした。

その後、私は大学進学のために名古屋を離れましたが、その間、名古屋駅周辺は超高層ビルが建ち並ぶ街区となり、平成初期のころの街並みとは隔世の感があります。

そんな名古屋駅周辺の変化を見守った「飛翔」の撤去は、寂しくもありますが、次の時代の名古屋駅への進化の過程と捉えることができるのかもしれません。


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大雨や台風に備える

皆さま、暑い夏どのようにお過ごしでしょうか。

さて、夏と言えば、大雨や台風を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
今年も、線状降水帯による災害など、大雨に関するニュースが世間を騒がしています。
今後、台風シーズンを迎えます。大雨や台風に対する対策はできていますでしょうか?

建物については、少なくとも以下の対策ができているか確認したいところです。
○側溝や排水口は掃除して水はけを良くしておく。
○風で飛ばされそうな物は飛ばないように固定しておく。もしくは家の中に入れる。
○浸水の危険のある地域では、土嚢を準備しておく。
○加入している火災保険はどの様な被害に対応しているかを確認しておく。

さて、9月1日は防災の日です。

9月1日は、関東大震災が発生した日であるとともに、暦の上では二百十日に当たり、台風シーズンを迎える時期でもあり、また、昭和34(1959)年9月26日の「伊勢湾台風」によって、戦後最大の被害を被ったことが契機となって、地震や風水害等に対する心構え等を育成するため、防災の日が創設されたそうです。

災害は忘れたころにやってくると言われますが、大雨や台風に限らず、
毎年、防災の日には、災害対策ができているか確認したいところです。

アパートとマンションの違い

今更の話ですが、アパートとマンションの違いがはっきりしません。
個人的に、木造はアパート、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造は
マンションと考えていますが、前記は、ほとんどの方に共通した認識であると思います。
問題は鉄骨造です。
高層の重量鉄骨造は、迷わずマンションですが、少し前まで、大手ハウスメーカーを
象徴する構造であった軽量鉄骨造はアパートです。
最近、大手ハウスメーカーが注力している3~4階建の重量鉄骨造は、
マンションと判断する人が多いと思います(エレベータ有の場合が多いようです)。
ちなみに、エレベータ有の場合、マンションと判断する人が多いと思いますが、
無の場合でも、鉄筋コンクリート造であれば、マンションと判断されると思います。
話はそれますが、鉄骨造は、耐用年数の判定も難しいといえます。
先に登場した重量・軽量鉄骨造の違いは、骨格材の肉厚(厚み)で決定し、
一般的に、肉厚6㎜以上のものが重量鉄骨造と言われています。
耐用年数も骨格材の肉厚で判断しますが、以下の基準のため、軽量鉄骨造の判断が 
難しいといえます。

               住宅用  事務所用  店舗用  
骨格材肉厚 4㎜超        34年    38年         34年
      3㎜超~4㎜以下  27年    30年    27年
      3㎜以下              19年      22年    19年

正直なところ、設計図面が手元にあっても骨格材の肉厚を確認することは、
至難の業です。
今後、鉄骨造の中で重量鉄骨造の占める割合が増加すれば、アパートとマンションの違いと
耐用年数の判定が明確になってくるような気がします。
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