不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2023年08月

不動産価格指数(住宅)

新築分譲マンションの価格が、以前と比較すると非常に高くなっていると感じます。
首都圏は勿論ですが、名古屋市内の価格も、数年前の相場観が全く通用しないような速さで
価格が上昇していると感じます。

物価や人件費の高騰等、様々な要因が考えられますが、特に分譲マンションの値上がりは顕著です。
国土交通省が発表している「不動産価格指数」を見ることで、近年の値上がり傾向を
はっきり捉えることができます。

「不動産価格指数(住宅)」全国版
不動産価格指数(全国)

「不動産価格指数(住宅)」中部地方
不動産価格指数(住宅 中部地方)

住宅地及び戸建住宅は大きく指数の変動はありませんが、分譲マンションの価格は
顕著に上昇しています。
この指標の開始時期は2008年4月ですが、直近の統計結果である2023年4月と比較すると
約1.9倍、新型コロナウィルス発生直前の2019年12月と比較しても約1.3倍となっています。

また、今後の価格推移の予想として、現時点での価格も高いと感じているので、
大きく上昇することは無いかと思う反面、価格が下落する要因もなく、このまま
緩やかな上昇を続けていく可能性もあります。
今後の価格動向についても注意してみていく必要があると感じています。

マンションの住民が損害を賠償することもある!?

 2020年に神奈川県逗子市にて、マンションの敷地にある擁壁が崩れ、人を死亡させる事故が起きました。その事故で遺族がマンションの管理会社などを訴えていましたが、先月、遺族とマンションを区分所有する住民らとの和解が成立し、住人らは遺族へ1億円の和解金を支払うことがニュースで報道されました。

 遺族は、マンション管理人が事故前日に擁壁に約4メートルの亀裂があるのを発見して管理会社に連絡したにもかかわらず、管理会社は対応を怠ったとしています。また、危険な敷地(傾斜地)に建つマンションを区分所有する住民にも責任があるとして訴えていました。※住人らとの和解は成立していますが、管理会社などは争う姿勢で訴訟は継続しています。

 私は、マンションに住んでいますが、マンションの敷地や建物本体などの共有部分が原因で事故が起きた場合、住民が損害を賠償することもあるのだと少し驚きました。本件の場合、例えば、このマンションの戸数が50戸とすると、1戸あたりの和解金の負担額は200万円になります。かなり大きな金額と言えます。

 さて、マンションの共有部分が原因で事故が起きた場合、区分所有者はどのような責任を負うのでしょうか。

 民法第717条第1項では、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」と記載されています。
  
 そのため、まずは占有者が責任を負うことになります。マンションで占有者とは住人になると思いますが、区分所有者の方もいれば、賃借人の方もいると思います。しかし、例え貸していたとしても、賃借人が必要な注意をしたときは、区分所有者が責任を負うことになります。なお、区分所有者は故意や過失の有無にかかわらず責任を負います。

 私のマンションでも管理人さんが、外壁のタイルの剥がれなど常時確認しています。過去にはタイルの浮きが確認されたので、理事会で直ちに検討し費用をかけて修理しました。修理を先延ばしして事故を起こすと修理代だけで済まなくなるという事は想像はできていても、この様なニュースを見ると、修理しておいてよかったと感じます。

 本件のように傾斜地に建っているマンションもあります。危険なわけではないと思いますが、最近では大雨等の自然災害も多いため、定期的に擁壁の状態について確認すべきですし、建物本体についても外壁のタイル等の剥がれなど、日常点検が重要だという事を再認識しました。

≪夏季休業のご案内≫
弊社では、誠に勝手ながら下記日程を夏季休業とさせていただきます。
■夏季休業期間
8月11日(祝)~ 8月15日(火)
休業期間中にいただいたお問合せについては、8月16日(水)以降に順次回答させていただきます。
皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。

賃貸市場における高齢者

今月初旬、様々な事情で住宅を借りるのが困難な単身高齢者等の「住宅確保要配慮者」に対する支援拡充に向け、国土交通省、厚生労働省、法務省が合同で検討会を設置し、入居者がサポートを受けられながら生活が続けられる仕組みづくりを目指していくとの報道がありました。

これまでも高齢者が民間賃貸住宅の入居申込の際、「保証人」の確保、入居中の「孤独死」や「意思能力の喪失」等といったことを問題視し、大家さんや管理業者から入居を断られるケースが度々発生しています。

築年数が古く駅からの距離があるアパート等は、高齢者の占める割合が高くなる傾向にあります。
空室が目立つ築年数の古いアパート等の大家さんにとっては、入居前の支援だけでなく、入居後の見守り等まで一貫して関与してもらえる仕組みづくりの拡充は、新たなビジネス機会の到来と捉えることもできます。

住宅は生活の基盤となるため、大家さんの懸念が払しょくでき、単身高齢者も安心して暮らせる一刻も早い法整備を期待し見守りたいと思います。
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