不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2023年12月

来年の不動産価格について思うこと

12月22日の日経新聞に、「マンション販売5%減」という記事がありました。

これは、2023年に首都圏で新たに販売されたマンションの戸数が、2022年に比べ減っていることを記事にしています。販売戸数の減少は、建築費などのコスト増により、マンション価格が上昇し、地域によっては手の届きにくい価格となり需要が見込めなくなったため、販売を遅らせていることが原因とされています。

上記のように首都圏全体の販売戸数は減っているものの、東京23区に限っては、前年比16.7%増えています。それも全住戸が1億円以上とされる「三田ガーデンヒルズ」など、富裕層をターゲットにした高額物件がよく売れているそうです。そのため、販売戸数とともに東京23区の新築マンションの平均価格は1億2,058万円と2022年比48%上昇したそうです。東京23区のように売れ行きが好調な地域に供給を限定していることも、販売戸数減少の原因と言われています。

高額となったマンションは、多くの方には手の届きにくい価格帯になり、富裕層ターゲットの都心部の好立地でしか売れず、都心部以外では売れ行きが伸びなくなってきており、不動産価格は2極化が進んでいることが想像できます。

私が業務する名古屋地区でも、似たような感覚を持っています。昨年から今年にかけ、郊外の戸建分譲用地の仕入れ価格が下がり始めました。以前であれば、不動産業者が積極的に分譲用地を取得したため競争原理が働き、自然と価格は上がっていきましたが、今年にかけて在庫調整という意味合いもあり、不動産業者が分譲用地の取得を控えるようになり、価格は下落傾向です。また、郊外の新築マンションの売れ行きも悪くなっているという話も聞きます。モデルルームに来場されるお客様が1週間で2・3組なんてこともあるそうです。郊外の不動産価格の影響が名古屋市内にも少しずつ見え隠れしているようにも思えます。

物価高が家庭に影響を与えています。来年給料が上がらなければ、不動産の購入を考えられている方がこれ以上の値上げについていけずに、不動産価格に今年以上の影響を与えるかもしれません。来年は、経済が踏ん張って、不動産価格が下がらない世の中でいてくれることを願っています。

名駅再開発ビル計画

先般、名古屋鉄道から名古屋駅地区再開発計画についての報道がありました。
2021年11月に工事着工を延期すると発表があってからの再開となります。

180メートル級3棟連結ビル内に商業・ホテル・オフィス・バスターミナルなどが入り、また、地下に配置する駅の拡張も進め、2030年頃の開業を目指しているとのこと。

建築資材の高騰や共同事業者との交渉次第では計画の遅れも懸念されるとのことすが、東海地方で最大規模となる名駅巨大複合ビルの動向については、名古屋で働くものにとって気になる存在であり注目していきたいと思います。

消費者物価指数

2023年10月分の消費者物価指数が、11月24日に発表されています。
2020年度を100として捉えた場合、
総合指数 107.1
生鮮食品を除く総合指数 106.4
生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数 105.8
となっています。

この統計では、総合指標の他、各分野の指標が発表されており、
代表的な各分野の指標は下記の通りでした。

食料 112.2
住居 102.3
光熱・水道 108.0
家具・家事用品 114.8
保険医療 100.6
交通・通信 94.6
教育 102.4

実生活における感覚より低めの上昇率だと感じたことが正直な感想ですが、
不動産業界において住居の指数が102.3と全体の上昇率と比較すると
低めであることが目につきます。
消費者物価指数における「住居」については、主として家賃を取り扱っています。
持ち家においても、「持ち家の帰属家賃」として、賃料換算の上指標を
集計しているため、賃料の上昇率と捉えてよいと思います。
確かに賃料は、商業テナントは上昇していますが住居については大きく上昇しておらず、
現場の感覚と同じ結果が出ています。

他方、以前ブログでも取り上げましたが、住宅の価格は間違いなく上昇しており、
2020年と比較すると約1.4倍となっているため、消費者物価指数よりも高い上昇率です。

賃料は変わらず、建物価格は上昇している現状においては、新築で投資物件を
建築する場合の収支は3年前と比較しても格段に悪くなっていることが
統計的にも現れています。

消費者物価指数の公表データ https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

インボイス制度の現状 ~某市役所での出来事~

下記は、愛知県内の某市役所での出来事です。

先日、某市役所で公課証明書、上水道配管図及び道路台帳の写しを取得しました。
取得した部署が異なるため、その領収書の書式は様々でした。
領収書の内容を確認したところ、上水道配管図の写しの領収書には非課税と記載してありましたが、
道路台帳の写しには非課税と記載されていませんでした。
ちなみに、公課証明書の領収書にも非課税の記載はありませんでしたが、非課税であることは、
周知されているため、問題視はしませんでした。
二つの写しは、何れもパソコンの画面(データ)を印刷したものでありましたが、
明細は「配管図複写手数料」と「道路台帳付属地図 コピー代」でした。
通常、コピー代の場合、消費税が課税されるため、窓口で課税対象の有無を確認したところ、
非課税との回答があり、なぜ非課税である旨を記載しないのか?と問いただしたところ、
そのような質問を受けたことがないと回答がありました。
明確な回答が得られなかったため、当該職員の目の前で、私は領収書に手書きで非課税と記載し、
その場を立ち去りました。
すると翌日、当該職員から電話があり、その後、法務担当に確認したところ、課税対象との回答が
あったため、登録番号・消費税率を記載した領収書を郵送するとの連絡がありました。
※私は前記に加え、消費税額の記載を依頼しました。
※配管図複写手数料は本当に非課税で間違いないのかと思いました。

某市役所の対応は異例かもしれませんが、本来であれば、インボイス制度の見本となり、
先導役となるべき地方自治体が完全に対応できていない状況では、民間事業者に完全な対応を
求めるのは酷であると実感しました。

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