不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2024年03月

令和6年地価公示発表

国土交通省は、3月26日に令和6年地価公示を発表しました。
その概要は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、
三大都市圏・地方圏ともに上昇が継続・拡大し、上昇基調を強めているとのことでした。
なお、個人的に気になった特徴的な結果は以下のとおりです。

最高価格 東京都中央区銀座4丁目2番4 55,700,000円/㎡(+3.5%)
     (山野楽器銀座本店)  (184,132,000円/坪)

上昇率 1位 熊本県菊池郡大津町大字大津字拾六番町屋敷1096番2外 77,000円/㎡(+33.2%)
全用途 2位 熊本県菊池郡菊陽町大字津久礼字石坂2343番2 95,500円/㎡(+30.8%)
    ※JASM(TSMCの子会社)による半導体の生産開始を見据え(令和6年2月生産開始)、
     多くの関連企業等が進出し、多岐にわたり土地需要が旺盛。
    4位 長野県北安曇郡白馬村大字北城字山越4093番2 22,400円/㎡(+30.2%)

上昇率 1位 北海道富良野市北の峰町4777番33 49,500円/㎡(+27.9%)
住宅地 ※白馬村と富良野市は、観光やリゾートを堪能できるエリアとして、外国人に人気であり、
     土地需要が旺盛。ともに「第二のニセコ」と呼ばれることも。

下落率 2位 石川県珠洲市上戸町北方弐字80番1 34,100円/㎡(△8.3%)
全用途 3位 石川県珠洲市飯田町弐九部12番 11,100円/㎡(△8.2%)
    ※地価調査は令和6年1月1日時点の地価であり、同日発生した能登半島地震の影響は考慮
     されておりません。

二極化(上昇・下落)が鮮明になる一方で、下落地域の中でも何かしらの特殊要因により需要が
急増し、一転して上昇率上位となる地点がある状況であり、下落地域については、地道な地域振興
活動が非常に重要であると実感しております。
※上昇率上位の中には、数年前まで毎年下落していた地点があります。

住宅ローンの金利はどうなる?

日銀が2024年3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決めました。政策金利を引き上げるのは17年ぶりとのことです。

日銀がマイナス金利を解除したことにより、さっそく各銀行が普通預金の金利を上げるなどの動きがみられました。

さて、住宅の購入を検討されている方にとっては住宅ローンの金利が気になるところです。

住宅金融支援機構が1月に公表した住宅ローン利用者の実態調査に、利用した金利タイプの割合などが公表されています。

2023年10月調査では、以下のとおりです。
○変動型74.5% ○固定期間選択型18.3% ○全期間固定型7.2%  

圧倒的に変動型を選択する方が多いことが分かります。

変動金利はすぐには上昇することはないとは思いますが、今後は金利の上昇を考えて、○固定期間選択型や、○全期間固定型を選択する人が増えてくるのではないかと考えます。

私は、数年前に、金利が1%に低下したことを受け、全期間固定型の住宅ローンに借り換えしました。変動金利にしていれば、何百万か得をしていたのですが…

今後の金利の動きに注目したいと思います。

新築マンションの平均販売価格

民間調査会社の不動産研究所から2月28日に2023年の新築マンション発売価格が発表されました。
全国平均では1戸当たり5991万円。東京都心で裕福層向け超高額物件の発売が相次いだことなどから、前年比15.4%上昇し、7年連続で過去最高を更新となったとのことでした。
筆者が勤務する名古屋市でも、4108万円と前年比14.5%上昇しました。これには50㎡クラス(1LDK、2LDK)の新築マンションも含まれており、名古屋市内の70㎡クラス(3LDK)の新築マンションでは5000万円以上(なかには1億円を超えるものも)が大半となっています。
資材価格や人件費の高騰が今後も続くことや、利便性のよい物件の需要が底堅いことから、高値での取引傾向が当面は続くと見られていますが、一方で、発売から購入までに1年以上の日数がかかったり、売れ残り(在庫)が目立ち大幅値引きする新築マンションも存在しています。
新築マンションの発売価格は、筆者が取扱う中古マンションの売却価格にも影響してきますので、動向には注目していきたいと思います。

住居表示と地番

お客様から、「課税明細に記載されている住所を検索しても場所が特定できない」と相談されることがあります。これは、「住居表示」と「地番」の違いによるものです。

「地番」は土地の場所を示すもので、法務局が定めたものです。対して「住居表示」とは、住居表示に関する法律である住居表示法に基づき、建物の場所を市町村が定めたものであり、全く別の番号です。ちなみに課税明細に記載されているものは「地番」となります。
また、住居表示は全ての場所で実施されているものではなく、役所のHP等で実施されているかを確認できます。

ご参考までに東京駅を例示すると
地番   東京都千代田区丸の内一丁目55番外複数筆
住居表示 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
というように、別の表示となります。
  
インターネットの地図で課税明細に記載された「地番」を入力し検索した場合、検索される対象は住居表示であるため、住居表示が実施されている地域であれば、地番と住居表示の違いから正確な場所が表示されないことになります。また、先述したように、住居表示は建物の場所であり、土地だけであればネット等での検索では場所が特定できないことになります。

その場合、法務局に備え付けられている「公図」を取得して場所を特定することになります。公図には当該土地や周辺土地の地番や位置、形状が示されています。また、法務局には「ブルーマップ」という地番が表示された住宅地図が備え付けられており閲覧ができますので、それも併せて確認することで場所を特定していきます。なお、ブルーマップは管轄の法務局が決まっており、事前にその不動産を含む市町村のものが備え付けられているか確認が必要です。市街地であれば公図とブルーマップを見ることで、おおよその場所を特定することができます。

場所の特定については、まず法務局で公図を取得し、ブルーマップと照合してみて、それでも不明な場合は一度役所に確認してみてはいかがでしょうか。

日経平均株価 最高値更新 不動産への影響は?

2024年2月22日、日経平均株価が3万9,098円となり、それまでの最高値であった
3万8,915円(1989年12月29日 大納会)を更新し、本日(3月1日)、
4万円の大台に迫る3万9,910円82銭で取引を終了し、終値として史上最高値を更新しました。

一方の不動産価格(公示価格)については、8年以上前の2016年1月1日時点で、
既にバブル期の最高価格を下記のとおり上回っており、実際には、
2015年中にバブル期を上回っていたものと解釈できます。

(公示価格)
1993年1月1日時点 最高価格 3,650万円/㎡
2016年1月1日時点 最高価格 4,010万円/㎡
2023年1月1日時点 最高価格 5,380万円/㎡

つまり、不動産価格のバブル期ピークは日経平均株価より遅く、
バブル期越えは日経平均株価より早かったことになります。
何となく、バブル期の象徴は不動産であったような気がしていましたが、
寧ろ、株価であったのかもしれません。

そこで、株価高騰が不動産価格に与える影響を考えてみました。

不動産投資:不動産より手軽な投資である株の投資妙味増加により、
      不動産投資検討者の減少が懸念されます。
      また、金利上昇よるマイナス影響も懸念されます。

不動産全般:株価高騰により、富裕層を中心に含み益が増加する人が増えるため、
      富裕層が好む不動産の価格については、プラス影響が期待できます。
      一方、株価高騰の恩恵を受けない人は少なくありませんので、
      そのような人が購入を検討されるような不動産の価格は、
      マイナス影響が懸念されます。
      ※株価高騰により、物価と金利が上昇する可能性があるため。

現在、金融資産を多く保有している人とそれほど保有していない人、
好立地の不動産を所有している人と所有していない人では、
所有資産の格差が日々広がっていることになります。
この株価高騰は、いつまで続くのでしょうか?
非常に難しい問題です。
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