私が分譲マンションで暮らしており、理事会の運営にも参加していることは本ブログで掲載しているところですが、今回は、私のマンションで現在問題となっている、「タイルの浮き・剥落問題」について記事にしたいと思います。
私のマンションは、誰もが知る大手不動産会社が2012年に分譲したマンションで、本記事を執筆している現在で、竣工後14年を迎えています。
問題となったタイルの浮きは、竣工後5年を過ぎた頃に南面で初めて確認されました。以下に経緯を記しておきます。

≪所々、補修によりタイルの色が異なる南面バルコニーの写真≫

≪戸境のタイルの剥がれなども見つかる≫
❶竣工後6年目 4住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❷竣工後9年目(1)1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❸竣工後9年目(2)5住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❹竣工後9年目(3)1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
上記❶~❹については、分譲業者とマンション施工業者が費用負担の上補修
※10年を迎えるにあたり(当時の瑕疵担保責任期間10年が終了するにあたり)、分譲業者が管理組合へ今後のタイルの修繕は行わないとして、「今後同じ事象が起こった場合、管理組合が自己の負担で補修を行う」とする覚書を締結させられる。
※このような覚書を締結する場合は、「施工不良の場合は除く」などの文言があればよかったです。
❺竣工後10年目(1) 1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❻竣工後10年目(2) 1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❼竣工後11年目(3) 4住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❽竣工後12年目(4) 2住戸のバルコンーでタイルが剥落し落下
※❺~❼は、管理組合で費用負担をしタイルの補修を実施。❽の修繕費は、現在分譲業者と話し合いになっています。

≪1階の専用庭に落下したタイル≫

≪1階の専用駐車場の車両に落下したタイル≫
タイルの浮きについての責任は、不法行為責任となります。瑕疵担保責任の場合、最長10年となりますが、不法行為責任の場合、行為があった日から20年で時効期間を迎えます。タイル問題の記事や判例などを確認すると、大体私たちのマンションのように築10年前後で問題が発覚し、不法行為責任を追及しています。
タイルの浮き問題では、タイルの浮き率で、不法行為責任を推認し解決を図ろうとする考えがあります。その一つに、高嶋卓裁判官が大阪地裁に所属する民事調停委員21人の意見を基に作成した論文(2017年9月号の法曹専門誌の判例タイムズ)があります。
≪高嶋裁判官の論文による施工不良判定目安≫

これとは別に、ロングライフビル推進協会が外壁タイルの修繕計画などを作る際の目安として示す値もあります。それは、外壁タイルの経年浮き率を一年あたり0.5%または0.6%と見るものです。0.6%と見て5年を計算すると3%となります。
その他、高嶋論文のような浮き率による推認を否定した判決もあり、タイル問題は困難です。浮き率をを採用されない判決としては、外壁タイルの浮きや剥落した原因には施工不良以外にも様々な問題があり、浮きがあるからと言って直ちに不法行為責任を認めないとしたものです。
今回、分譲業者と施工会社は、タイルが落下してから、落下した箇所の修繕等、緊急対応をしてくれました(ただし、費用はすべて請求されています)。その際に、ドローンを飛ばして赤外線でタイルの浮きを確認してくれました。ドローン調査の結果、以下のような報告を受けました。
「浮き率について、南面約9.8%、東面約1.4%、西面約5.1%、北面0.4%でありました。南面と西面が他面と比べて高い浮き率にはなっているものの、全体としては約2.9%となるため、経年劣化と考える。」
→今回の場合も、タイルの浮き率を根拠に、タイルの施工に問題はなく、経年劣化と言われています。
当マンションでは、タイルの浮き問題と並行して大規模修繕も進めていることから、大規模修繕を依頼する設計会社より、「ドローンの調査はあいまいな部分もある」として、調べられる範囲で「ブランコ」と呼ばれる、ロープアクセス工法で実際に打診調査をしていただいたところ、叩いただけでタイルが剥落する(北面)など、多くの浮きが発見されました。現時点で、浮き率などのデータはいただいていませんが、データをいただいたのち、もし、分譲業者からの浮き率の主張に間違いがあるなら、タイルの修繕費用について請求をする意向です。

≪ブランコによる、タイル打診調査≫

≪ブランコでの打診調査の際に剥がれたタイル≫
私のマンションでは、大規模修繕工事の際に、タイル補修費用で約2,000万円見ていますが、もし、施工不良となれば、大規模修繕工事の費用が足りなくなる可能性もありますし、修繕計画を見直し(値上げ)も必要になるでしょう。マンションにお住まいの方で、私のマンションのようにタイルの浮きが気にある方は、早めに分譲業者や施工業者と施工不良があった場合の対応について話ができるように、お金はかかりますが、①ドローンや②ブランコといった手法で、タイルの状況を確認しておいた方が良いと思います。本件については、進捗があり次第記事にしたいと思います。
私のマンションは、誰もが知る大手不動産会社が2012年に分譲したマンションで、本記事を執筆している現在で、竣工後14年を迎えています。
問題となったタイルの浮きは、竣工後5年を過ぎた頃に南面で初めて確認されました。以下に経緯を記しておきます。

≪所々、補修によりタイルの色が異なる南面バルコニーの写真≫

≪戸境のタイルの剥がれなども見つかる≫
❶竣工後6年目 4住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❷竣工後9年目(1)1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❸竣工後9年目(2)5住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❹竣工後9年目(3)1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
上記❶~❹については、分譲業者とマンション施工業者が費用負担の上補修
※10年を迎えるにあたり(当時の瑕疵担保責任期間10年が終了するにあたり)、分譲業者が管理組合へ今後のタイルの修繕は行わないとして、「今後同じ事象が起こった場合、管理組合が自己の負担で補修を行う」とする覚書を締結させられる。
※このような覚書を締結する場合は、「施工不良の場合は除く」などの文言があればよかったです。
❺竣工後10年目(1) 1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❻竣工後10年目(2) 1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❼竣工後11年目(3) 4住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❽竣工後12年目(4) 2住戸のバルコンーでタイルが剥落し落下
※❺~❼は、管理組合で費用負担をしタイルの補修を実施。❽の修繕費は、現在分譲業者と話し合いになっています。

≪1階の専用庭に落下したタイル≫

≪1階の専用駐車場の車両に落下したタイル≫
タイルの浮きについての責任は、不法行為責任となります。瑕疵担保責任の場合、最長10年となりますが、不法行為責任の場合、行為があった日から20年で時効期間を迎えます。タイル問題の記事や判例などを確認すると、大体私たちのマンションのように築10年前後で問題が発覚し、不法行為責任を追及しています。
タイルの浮き問題では、タイルの浮き率で、不法行為責任を推認し解決を図ろうとする考えがあります。その一つに、高嶋卓裁判官が大阪地裁に所属する民事調停委員21人の意見を基に作成した論文(2017年9月号の法曹専門誌の判例タイムズ)があります。
≪高嶋裁判官の論文による施工不良判定目安≫

これとは別に、ロングライフビル推進協会が外壁タイルの修繕計画などを作る際の目安として示す値もあります。それは、外壁タイルの経年浮き率を一年あたり0.5%または0.6%と見るものです。0.6%と見て5年を計算すると3%となります。
その他、高嶋論文のような浮き率による推認を否定した判決もあり、タイル問題は困難です。浮き率をを採用されない判決としては、外壁タイルの浮きや剥落した原因には施工不良以外にも様々な問題があり、浮きがあるからと言って直ちに不法行為責任を認めないとしたものです。
今回、分譲業者と施工会社は、タイルが落下してから、落下した箇所の修繕等、緊急対応をしてくれました(ただし、費用はすべて請求されています)。その際に、ドローンを飛ばして赤外線でタイルの浮きを確認してくれました。ドローン調査の結果、以下のような報告を受けました。
「浮き率について、南面約9.8%、東面約1.4%、西面約5.1%、北面0.4%でありました。南面と西面が他面と比べて高い浮き率にはなっているものの、全体としては約2.9%となるため、経年劣化と考える。」
→今回の場合も、タイルの浮き率を根拠に、タイルの施工に問題はなく、経年劣化と言われています。
当マンションでは、タイルの浮き問題と並行して大規模修繕も進めていることから、大規模修繕を依頼する設計会社より、「ドローンの調査はあいまいな部分もある」として、調べられる範囲で「ブランコ」と呼ばれる、ロープアクセス工法で実際に打診調査をしていただいたところ、叩いただけでタイルが剥落する(北面)など、多くの浮きが発見されました。現時点で、浮き率などのデータはいただいていませんが、データをいただいたのち、もし、分譲業者からの浮き率の主張に間違いがあるなら、タイルの修繕費用について請求をする意向です。

≪ブランコによる、タイル打診調査≫

≪ブランコでの打診調査の際に剥がれたタイル≫
私のマンションでは、大規模修繕工事の際に、タイル補修費用で約2,000万円見ていますが、もし、施工不良となれば、大規模修繕工事の費用が足りなくなる可能性もありますし、修繕計画を見直し(値上げ)も必要になるでしょう。マンションにお住まいの方で、私のマンションのようにタイルの浮きが気にある方は、早めに分譲業者や施工業者と施工不良があった場合の対応について話ができるように、お金はかかりますが、①ドローンや②ブランコといった手法で、タイルの状況を確認しておいた方が良いと思います。本件については、進捗があり次第記事にしたいと思います。

