不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

2025年08月

建築確認済証と検査済証の違い

 中古の建物を購入するために金融機関から融資を受ける際に、審査の必要書類として「検査済証」の提出を求められることがあります。
 また、投資用の収益不動産の物件概要書を見ると、「検査済証あり」との標記を目にすることもあるかと思います。
 この「検査済証」と似たようなものに「建築確認済証」がありますが、この二つの書類の違いを見てみましょう。

 通常、建物を建てる際には建築確認申請を行う必要があります。
 建築確認申請とは、工事を行う前に、建築する予定の建物の設計図書の中身が都市計画法や建築基準法等の法律に適合しているかを、特定行政庁や民間審査機関に確認してもらう手続きです。
 そして、「建築確認済証」は、建築予定の建物が適法であることが確認されたときに、確認を行った特定行政庁や民間審査機関から交付されるものです。

 その後、建築工事が完了した際に、特定行政庁や民間審査機関から完了検査を受けなければなりません。
完了検査とは建築確認申請通りに施工されたことを確認する検査で、この検査に合格しなければ、原則としてその建物を使用することはできません。
 そして、「検査済証」は、完了検査によって建築物が適法に建築されたことが認められると、確認を行った特定行政庁や民間審査機関から交付されるものです。

 言い換えれば、「建築確認済証」があるだけでは、その建築物が適法に建築されたことを証明できず、「検査済証」があって初めて適法であることが証明できることになります。
 なお、「建築確認済証」や「検査済証」を紛失した場合、原則として再発行はできません。ただし、これに代わる証明(検査済証等交付済みの証明等)を発行する特定行政庁等も増えてきています。
しかしながら、検査済証等交付済みの証明等が確認される期限内でないと交付されないことがありますので、確認が必要です。

 物件の購入を決めて、いざ金融機関で融資を受ける際に「検査済証」が無く、融資が通らないこともあります。
したがって、購入を検討するときには「検査済証」の有無を事前に確認し、また金融機関に「検査済証」が融資の審査に必要であるかを確認することが必要です。
  

数年後に発覚!分譲マンションのタイルの浮き・剥落問題とは?

私が分譲マンションで暮らしており、理事会の運営にも参加していることは本ブログで掲載しているところですが、今回は、私のマンションで現在問題となっている、「タイルの浮き・剥落問題」について記事にしたいと思います。

私のマンションは、誰もが知る大手不動産会社が2012年に分譲したマンションで、本記事を執筆している現在で、竣工後14年を迎えています。

問題となったタイルの浮きは、竣工後5年を過ぎた頃に南面で初めて確認されました。以下に経緯を記しておきます。

マンション前面
≪所々、補修によりタイルの色が異なる南面バルコニーの写真≫

戸境の浮き
≪戸境のタイルの剥がれなども見つかる≫

❶竣工後6年目 4住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❷竣工後9年目(1)1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❸竣工後9年目(2)5住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❹竣工後9年目(3)1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
上記❶~❹については、分譲業者とマンション施工業者が費用負担の上補修

※10年を迎えるにあたり(当時の瑕疵担保責任期間10年が終了するにあたり)、分譲業者が管理組合へ今後のタイルの修繕は行わないとして、「今後同じ事象が起こった場合、管理組合が自己の負担で補修を行う」とする覚書を締結させられる。
※このような覚書を締結する場合は、「施工不良の場合は除く」などの文言があればよかったです。

❺竣工後10年目(1) 1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❻竣工後10年目(2) 1住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❼竣工後11年目(3) 4住戸のバルコニーでタイルの浮きが発覚
❽竣工後12年目(4) 2住戸のバルコンーでタイルが剥落し落下

※❺~❼は、管理組合で費用負担をしタイルの補修を実施。❽の修繕費は、現在分譲業者と話し合いになっています。

タイル落下時
≪1階の専用庭に落下したタイル≫

車両に傷
≪1階の専用駐車場の車両に落下したタイル≫

タイルの浮きについての責任は、不法行為責任となります。瑕疵担保責任の場合、最長10年となりますが、不法行為責任の場合、行為があった日から20年で時効期間を迎えます。タイル問題の記事や判例などを確認すると、大体私たちのマンションのように築10年前後で問題が発覚し、不法行為責任を追及しています。

タイルの浮き問題では、タイルの浮き率で、不法行為責任を推認し解決を図ろうとする考えがあります。その一つに、高嶋卓裁判官が大阪地裁に所属する民事調停委員21人の意見を基に作成した論文(2017年9月号の法曹専門誌の判例タイムズ)があります。

≪高嶋裁判官の論文による施工不良判定目安≫
タイトルなし
これとは別に、ロングライフビル推進協会が外壁タイルの修繕計画などを作る際の目安として示す値もあります。それは、外壁タイルの経年浮き率を一年あたり0.5%または0.6%と見るものです。0.6%と見て5年を計算すると3%となります。

その他、高嶋論文のような浮き率による推認を否定した判決もあり、タイル問題は困難です。浮き率をを採用されない判決としては、外壁タイルの浮きや剥落した原因には施工不良以外にも様々な問題があり、浮きがあるからと言って直ちに不法行為責任を認めないとしたものです。

今回、分譲業者と施工会社は、タイルが落下してから、落下した箇所の修繕等、緊急対応をしてくれました(ただし、費用はすべて請求されています)。その際に、ドローンを飛ばして赤外線でタイルの浮きを確認してくれました。ドローン調査の結果、以下のような報告を受けました。

「浮き率について、南面約9.8%、東面約1.4%、西面約5.1%、北面0.4%でありました。南面と西面が他面と比べて高い浮き率にはなっているものの、全体としては約2.9%となるため、経年劣化と考える。」
→今回の場合も、タイルの浮き率を根拠に、タイルの施工に問題はなく、経年劣化と言われています。

当マンションでは、タイルの浮き問題と並行して大規模修繕も進めていることから、大規模修繕を依頼する設計会社より、「ドローンの調査はあいまいな部分もある」として、調べられる範囲で「ブランコ」と呼ばれる、ロープアクセス工法で実際に打診調査をしていただいたところ、叩いただけでタイルが剥落する(北面)など、多くの浮きが発見されました。現時点で、浮き率などのデータはいただいていませんが、データをいただいたのち、もし、分譲業者からの浮き率の主張に間違いがあるなら、タイルの修繕費用について請求をする意向です。

DSCN3425
≪ブランコによる、タイル打診調査≫

階段部分②
≪ブランコでの打診調査の際に剥がれたタイル≫

私のマンションでは、大規模修繕工事の際に、タイル補修費用で約2,000万円見ていますが、もし、施工不良となれば、大規模修繕工事の費用が足りなくなる可能性もありますし、修繕計画を見直し(値上げ)も必要になるでしょう。マンションにお住まいの方で、私のマンションのようにタイルの浮きが気にある方は、早めに分譲業者や施工業者と施工不良があった場合の対応について話ができるように、お金はかかりますが、①ドローンや②ブランコといった手法で、タイルの状況を確認しておいた方が良いと思います。本件については、進捗があり次第記事にしたいと思います。
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