現在、何かと話題の元国有地(以下「対象地」といいます)について、少し調べてみました。

所在地番:豊中市野田町1501番
地目:宅地
地積:8,770.43㎡(2,653.05坪)
用途地域:第一種住居地域
前面道路路線価(H28年):145,000円/㎡
鑑定評価額:9億5,600万円(109,002円/㎡)
売買代金:1億3,400万円→鑑定評価額との差額8億2,200万円(地中埋設物撤去費用?)
売買時期:平成28年6月

対象地の坪単価が地価公示水準(路線価×1.25)だと仮定すると、
その価格は約15億8,964万円となります。

145,000円×1.25×8,770.43㎡≒1,589,640,437円

対象地は、戸建住宅用地に最も適しているものと思われ、その場合、
道路等の公共公益的施設用地の負担が必要となるため、相続税等の財産評価における
現行の広大地補正率である0.35を上記の計算に考慮すると約5億5,637万円となりますので、
適用となる広大地補正率が下限であることを考慮しても、鑑定評価額については、
低すぎるとは言えないようなか気がしています。

145,000円×1.25×0.35×8770.43㎡=556,374,153円

なお、対象地の謄本(全部事項説明書)の甲区と乙区には、通常、あまりお目に
かかることがない内容が記載されていますので、ご関心がある方は、
ご自身の目でご確認ください。
また、謄本を見ると、過去にも問題があった土地であるような気がしてきます。
※昭和53年に運輸省(現:国土交通省)が取得し、平成24年に新関西国際空港㈱に
 現物出資していますが、その翌年、錯誤で現物出資(所有権移転)が抹消されています。

現在、争点の1つとなっている地中埋設物撤去費用が適正額であったと主張するのであれば、
今後、財産評価等において、地中埋設物の処分や土壌汚染の処理が必要となる土地を
かなり低い価額で評価したとしても、国は異議を唱え辛くなるような気がします。

さて、対象地の問題は、どのような結末を迎えるのでしょうか?