所有地が都市計画道路の区域内に属している場合、事業決定されるか否かで明暗が

くっきり分かれてしまいます。事業決定された場合、土地収用や立ち退き交渉が開始され、

その交渉が纏まった場合、思入れのある土地の一部又は全部を失うことになりますが、

それに見合った金銭を得ることができます。その一方で、なかなか事業決定されないと、

袋小路に入ってしまうことがあります。

 実際の話ですが、過半が都市計画道路の区域内に属している未利用地を所有されている方がおり、

その方は、第三者への売却は困難と判断され、事業決定される日を静かに待たれていました。

しかし、待ち続けても一向に事業決定される気配はなく、それどころか寧ろ、事業決定される

可能性が低くなっていると感じたため、第三者への売却を検討されるようになりました。

その未利用は、賃貸マンション用地に適していましたが、都市計画道路による下記の建築制限が

あったため、希望に近い価格の提示はありませんでした。

1.階数が二以下で、地階を有しないこと(3階建以上は建築不可)

2.主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造、その他これらに類する構造であること

  (鉄筋コンクリート造は建築不可)

3.容易に移転、除去することができるものであること

※一部の自治体では、事業の実施が近い将来見込まれていない地域について、建築基準の緩和を

 実施していますが、そのほとんどは、階数が二以下から三以下になった程度です。

 都市計画道路を決定した50年以上前には、人口が減少し続ける日本の姿は、想像できなかったと

思います。現在の日本の優先課題は、新しい道路を作ることではなく、今ある道路を維持管理すること

だと考えています。50年以上前に決定した計画を大幅に見直すことができないなら、固定資産税・

都市計画税を大幅に減免すべきと考えています。

(自分の腹が傷めば、必要な決断ができるようになるかもしれません)