不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

堀畑

老朽化マンションの建替え

先日、老朽化した分譲マンションを円滑に建て替えられるよう、来年の通常国会で区分所有法の改正に向けた要綱案が報道されました。
現行法は、建替えに区分所有者の「5分の4」以上、取壊しに「全員」の同意が必要ですが、建替えや取壊しに必要な割合を、いずれも所在明らかな所有者の「4分の3」以上に緩和する内容のもの。
また、耐震性や耐火性に問題があれば、「4分の3」以上の同意で建替えや取壊しが可能となることや、その他、区分所有者が不明の場合には、決議の母数から除外すること等も協議されています。
マンションの老朽化が進み、同時に居住者の高齢化や空室化が進んでいけば、管理が行き届かなくなるマンションが大量に発生することが予想されるため、これらの再生が喫緊の課題となっています。今後の対策等の動向には注目し見ていきたいと思います。

宅地建物取引業者と空き家の管理

先日、国土交通省より、宅地建物取引業者(以下、「宅建業者」という。)と空き家との接点を、売買や賃貸といった仲介業務を行う「流通・利活用」の段階にとどめず、前段階の管理や相談対応にも積極的に関わることができるようにし、そのビジネスモデルの構築に向けた整理と検討を来年から着手するとの発表がありました。
宅建業者が業務で空き家に接するのは、これまで売却や利活用のときなど、所有者が空き家をどうするか意思決定した後の段階に限られていました。
宅建業者に接する前の段階で、空き家をどうすればよいか決めかねている所有者も多いと想定され、国土交通省は、相談対応や管理の段階から宅建業者が空き家にアクセスすることで、その先の流通量の拡大にも繋がると目論んでおり、同時に、宅建業者が空き家の管理などを行う場合に受領できる報酬・手数料についても、宅建業法との関係を整理しつつ、宅建業者が赤字にならないビジネスモデルを示したいとのこと。
赤字にならないビジネスモデルと聞くと、営利目的で動く宅建業者が積極的に動くのか疑問が残りますが、増え続けていく空き家対策に国が関与していくことでどのように変わっていくのか、今後の変遷には注目して見ていきたいと思います。

2023年 基準地価

9月19日(火)に、7月1日時点の土地の価格を示す基準地価が発表されました。

愛知県は、住宅地で前年比プラス2.1%、商業地でプラス3.4%となっており、住宅地のトップは「中区錦1丁目324番1(プラセシオン名古屋伏見)の土地(約538万円/坪)で16.4%の上昇率、商業地のトップは「錦2丁目1901番(名古屋鴻池ビルディング)」の土地(約1,470万円/坪)で14.7%の上昇率となりました。

筆者が働く名古屋の地価は、住宅地・商業地のどちらもコロナ禍の影響で一時下落も見られましたが、現在は需要も回復し地価の上昇が続いている結果となっています。

住宅地を見てみると、生活利便性の高いエリアのマンション需要が起因し基準地価の上昇をおし上げていると思われますが、戸建用の土地に目を向けると、近年の建築費高騰による販売価格上昇の影響は一部にとどまっているような気がします。

一方、商業地では、リニア中央新幹線の開業やインバウンド等により、当面の上昇が期待されますが、地価と実体経済の乖離などについて動向には今後も注視していきたいと思います。

超高級マンション

今年11月に超高級マンションが「麻布台ヒルズ森JPタワー」の最上階(64階)に登場するとの報道がありました。

1フロアに3戸だけ作られたペントハウスで、ワンルームマンション約75戸分の広さがある最も大きな部屋の分譲価格は非公開ながら約200億円とのこと。

54~64階までには、超高級ラグジュアリーホテルのアマンが手掛けた91戸の分譲住宅が売り出され、各戸に専用エレベーターが直結し、居住者は54階と56階にあるラウンジやバー、専用シェフがサービスを提供するプライベートダイニングルーム、プールやスパなどの専用施設が利用できるそうです。

筆者には、どの様にすごいサービス内容になっているか想像もつきません。また、ペントハウス(3戸)を除く分譲住戸の平均販売価格は約20億円とのことですが、丸が1つ減っても(マンションの価格?)凄すぎで言葉になりません。

賃貸市場における高齢者

今月初旬、様々な事情で住宅を借りるのが困難な単身高齢者等の「住宅確保要配慮者」に対する支援拡充に向け、国土交通省、厚生労働省、法務省が合同で検討会を設置し、入居者がサポートを受けられながら生活が続けられる仕組みづくりを目指していくとの報道がありました。

これまでも高齢者が民間賃貸住宅の入居申込の際、「保証人」の確保、入居中の「孤独死」や「意思能力の喪失」等といったことを問題視し、大家さんや管理業者から入居を断られるケースが度々発生しています。

築年数が古く駅からの距離があるアパート等は、高齢者の占める割合が高くなる傾向にあります。
空室が目立つ築年数の古いアパート等の大家さんにとっては、入居前の支援だけでなく、入居後の見守り等まで一貫して関与してもらえる仕組みづくりの拡充は、新たなビジネス機会の到来と捉えることもできます。

住宅は生活の基盤となるため、大家さんの懸念が払しょくでき、単身高齢者も安心して暮らせる一刻も早い法整備を期待し見守りたいと思います。
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