不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

栗原

進化する新築マンションの付帯設備

名古屋市内では、ここ最近、新築マンションの建築が続いています。

先日、仕事で新築分譲マンションのモデルルームを見学させて頂く機会がありました。
私自身、1990年代前半に建築されたマンションに住んでいますが、約30年の時代の
流れとともに、その設備は驚くほど進化していました。

物件によりますが、
・24時間ゴミ出し可能
・ディスポーザー(生ごみを粉砕して、そのまま流せる)
・浴室の自動洗浄
・スマートロック(スマートフォンアプリ等の機器を使用してドアの施錠管理ができる)
・タッチレス水栓
・玄関先の物置台
・コンシェルジュや警備員等の有人サービス
・スカイラウンジやフィットネスなどの共有施設
など・・・

居住者の利便性を追求した機能はもちろん、スマホ時代を象徴する
スマートロックもドアの施錠のみならず、家電とも連動するなど、
共働き時代の家事を便利にする機能が数多く装備されていました。

更に、タッチレス水栓、人との接触を避けた宅配受取りなどに配慮した
玄関先の物置台など、新型コロナウイルスを意識した新生活様式への
対応も見受けられました。

新築マンションを購入する際は、まず駅からの距離・周辺環境、間取り等を重視される
傾向にありますが、更に付帯されている設備を確認しておくことも重要です。
ただ、設備が充実していればその分、購入費用や居住後の管理費などが
高くなる傾向はあります。

そもそも管理費とは、マンションの共有部分の維持、管理のために使うお金です。
例えば、日常的な清掃を行う管理人の人件費や、共有部分の照明器具、
消防・防犯設備などの保守や運転費用などがあります。

国土交通省が公表している「平成30年度マンション総合調査結果」によると、
分譲マンションの管理費の全体の平均は、217円/㎡(使用料(駐車場使用料等)・
専用使用料からの充当額を含む)となっています。
通常は、購入する住戸の専有面積(広さ)に応じ管理費は計算されます。
共有施設等の利用頻度は、負担分には影響しません。
そのため、例えば、フィットネス等の充実した施設があっても、利用しない
居住者にとっては管理費という形でコスト負担になる可能性もあります。

マンションの購入にあたり、購入予算や維持費とも相談の上、費用対効果が
良ければ「居住後の生活の快適さ」に目を向けてみるのも良いでしょう。
多くの方は、住まいの購入は人生一度、一生住み続ける家なのですから・・・

駅からの距離と不動産の資産価値

2021年5月15日、土曜日の「NIKKEIプラス1」1面 何でもランキングに、
「マンション選び プロはここを見る」という記事が掲載されていました。

中古・新築ともに、
・駅との距離(中古2位、新築1位)
・環境や雰囲気(中古3位、新築2位)
が上位にランキングされていました。

「環境や雰囲気」は個人の好みによるところもありますが、
「駅との距離」は明確な基準であり、不動産広告では「徒歩1分は80m」と
定められています。中古マンションが高く売れる条件の一つと考えられ、
不動産取引において価格に影響を及ぼす重要な材料にもなります。

では、実際、駅からの距離が近い方が資産価値は高くなるのでしょうか?

国土交通省が平成30年地価公示で「最寄り駅等からの距離別平均変動率」
(駅からの距離で地価がどの程度変動しているか)というデータを公表しています。

◆駅距離区分別平均変動率(住宅地・全国)
0.5㎞未満   +1.3%
0.5~1㎞未満 +0.9%
1~1.5㎞未満 +0.3%
1.5~2㎞未満 +0.0%
2㎞以上になると、下落に転じています。

データで見ても、駅からの距離は不動産の資産価値に影響を与えると言えそうです。
変動率がプラスとなっている1.5㎞というと、駅から徒歩約19分、結構遠く感じます。
やはり、個人的には徒歩10分以内が近いと感じるギリギリのラインかと思います。

在宅勤務等の普及で、住まい選びの基準も変化している可能性はありますが、
その影響はまだ限定的です。
将来、賃貸や売却も視野に入れてマンションを購入される場合は、
やはり駅との距離が近い物件を選ぶ方が良いでしょう。

在宅勤務と住まい

昨日4月1日は、どの企業も入社式が開催され、新入社員を迎えられたことでしょう。
今年は、リモートで開催する企業、対策を取りながら対面・集合で開催する企業、
それぞれの考え方によりさまざまな形式で開催されたようです。

この1年、新型コロナウイルス感染拡大を受け、在宅勤務が急速に広がりました。
地域や業種により実施状況は異なりますが、多くの企業で在宅勤務を導入されている
と思います。
在宅勤務において、生産性を上げ快適に仕事を進めるためには、自宅環境も重要です。

在宅勤務にあたり、
・仕事に集中できる部屋やスペース確保のため自宅を模様替えした
・デスクやPC周辺、通信環境を整備した
などというお声もお聞きします。
実際、私も在宅勤務にあたり、部屋を片付け、パソコンを購入し、
通信環境を整えました。

しかし、これまでは「自宅で仕事をする」という認識自体が低いため、
「仕事もできる環境」という目線で住宅を選ばれた方は少なく、
在宅勤務に合わせ自宅環境を整えること自体、難しい場合もあるでしょう。

在宅勤務が浸透する中、今後、オフィス規模の縮小や撤退など極端では
ありますが、オフィス不要という考え方も増えるのでしょうか?

個人的には、オフィスはやはり必要と考えます。
在宅勤務を実施している多くの企業で、コミュニケーション不足、取引先や
顧客とのやり取り、部下の教育・報告相談が困難など、在宅勤務の弊害や
デメリットを感じ、オフィスはコミュニケーションを図る上では重要である
ことが再認識されています。

新型コロナウイルスをきっかけに、働き方とワークスタイルの多様化が進みました。
今後は、オフィスと在宅勤務をうまく組み合わせた働き方が更に進むでしょう。
オフィスのあり方も変わってきます。
会社からの距離や交通手段といった「勤務地」重視ではなく、仕事ができる
個室の確保や間取りなど、これまでとは異なる見方で住まいを選ぶ方も
増えるのではないでしょうか?

土地相続の登記、義務化の方向

2月11日の日本経済新聞朝刊1面に「土地登記 相続3年以内に」という
記事が掲載されていました。
所有者が不明となっている土地が全体の2割程度に達しており、さまざまな
問題が発生していることから、土地相続について法律で登記を義務化する方向で
政府は改正案を閣議決定する予定です。
今国会で成立すれば、2023年度に施行されるようです。

そもそも所有者不明の土地とは?
以下のような土地を言います。

・不動産登記簿や固定資産課税台帳などが更新されておらず、
 所有者がすぐに分からない土地
・台帳間で情報が異なり、すぐに所有者の特定ができない土地
・所有者が特定できても、転居先が追えないなど、すぐに連絡が付かない土地
・登記名義人が既に死亡しており、数代にわたって相続登記がされていないなど、
 相続人=所有者が多数となっている土地
・所有者が分かる台帳に、すべての共有者が記載されていない共有地

所有者不明となってしまうのは、相続時に登記をしないことが大きな原因です。
先日も、父が友人と共有で所有していた土地を相続したが、父の友人の相続人が
分からず、そのままになってしまっているというご相談を受けました。
現状、相続が発生しても登記は義務ではないため、手続きが面倒で放置して
しまっているケースはよくお見受けします。

所有者不明の土地は、

・相続登記がされておらず相続人が多数となり所在不明な人がいるため、
 売却や貸し借りができない
・所有者不明で樹木や雑草が生い茂り管理不全となっている
・所有者が不明なため不法投棄を招き、景観が悪くなる
 差し迫った危険がないため、行政による代理執行(処分)もできない
・所有者不明のため、公共事業や民間都市開発が進まないケースもある

など、不動産の取引や利用に大きな支障が生じるだけでなく、近隣住民が
迷惑を被る場合もあります。

登記が義務化されることによって、新たな所有者不明土地の発生を抑え、
土地の有効活用が進むと良いのですが・・・
今回の改正では、まずは法施行後に新たに相続する人が対象となるようですが、
相続時に登記をしていない土地などある方は、この機会にいまいちど見直しを
してみてはいかがでしょうか?

2021年丑年は格言通り本当につまずくのでしょうか?

2021年が始まりました。
年初のこの時期、干支による相場格言がよく紹介されます。

「辰巳(たつみ)天井」
「午(うま)尻下がり」
「未(ひつじ)辛抱」
「申酉(さるとり)騒ぐ」
「戌(いぬ)笑う」
「亥(いのしし)固まる」
「子(ね)は繁盛」
「丑(うし)つまずき」
「寅(とら)千里を走り」
「卯(う)跳ねる」

2021年丑(うし)年ですが、格言では「つまずく」となります。

2020年の日経平均株価を振り返ると、新型コロナウイルスの影響を受け、
3月19日には1万6,000円台まで下落したものの、急回復し高値を続けています。
相場格言に反し、2021年も1月4日 日経平均株価 終値は2万7,258円38銭でスタート。
その後も株価は上がり、1月14日には2万8,698円26銭とおよそ30年ぶりに高値を
更新しています。

では、不動産投資信託の市場はどうでしょうか?
東証REIT指数を見てみましょう。

2019年後半から上昇基調が続いていましたが、東証REIT指数も3月19日には、
終値1,145.53ポイントまで大きく下落。その後、徐々に回復しているものの、
2020年年初の水準まで回復できない一進一退の状態が続いています。

コロナ禍でのテレワーク普及によるオフィス需要の低下は、空室率や賃料に
影響を与えるため、不動産市場の先行きにはまだまだ注意が必要と言えそうです。

2021年は、米バイデン政権発足、東京オリンピック・パラリンピック、
新型コロナウイルス感染症の動向やワクチンの普及状況など、不透明な
要素も多いですが、相場格言通り「つまずく」ことのないよう
期待したいと思います。

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