不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

不動産投資

身の丈

最近、中国の不動産大手である中国恒大の債務不履行リスクが全世界的な問題となっています。
中国恒大の資金繰りが悪化した一番の要因は、身の丈を超えた過大な不動産開発と言われています。

不動産開発に限ったことではありませんが、身の丈を超えた投資は、資金調達が生命線であり、
その生命線が保たれなくなると黒字でも経営破綻することがあります。
なお、中国政府の過剰債務企業への監視強化により、不動産関連融資全般が悪化していると
いわれており、中国恒大に限った問題ではないようです。

投資を行う上で、身の丈をわきまえることは非常に重要ですが、その反面、成長のスピードが
遅くなる恐れがあります。
現在は、採算度外視でシェア拡大を図り、競合他社がある程度淘汰された後に、収益重視へ
舵を切るモデルが主流であり、身の丈をわきまえながら生き残っていくことは、至難の業といえます。
よって、度を過ぎた部分はあると思いますが、中国恒大の経営スタイルを全否定することは
出来ないような気がしています。
ちなみに、財務が健全で成熟した会社であれば、身の丈にあった投資でも勝算はあるといえます。

前記は、会社の場合ですが、個人となると少し違ってきます。
個人の場合、身の丈にあった投資こそが、その家の長きに亘る繁栄に繋がると考えています。
十分な資産があったとしても、長きに亘る繁栄を望むのであれば、やはり投資(運用を含む)が
必要です。
世界的に、富裕層に対する課税は強化される流れであり、投資をしないと急激に資産は減少します。

総花的な内容になってしまいましたが、今回伝えたかったことは、身の丈を超えた投資は
危険であるが、身の丈に合った投資は必要であるということです。

最近人気の収益物件

最近、賃貸マンション等の収益物件を購入される方が増えています。

名古屋市内の収益物件では、4〜5億円程度の単身向けの新築賃貸マンションが人気であり、
来年2月頃竣工予定の物件が、売出開始から1ヶ月程度で成約している状況です。
竣工が半年程度先のため、現地に行っても、足場を組んで工事を行っている場合がほとんどであり、
土地の大きさや形状を自身の眼で確認するのは困難な状況です。
当然ですが、竣工後の建物を確認することは出来ないですし、余程慣れていないと想定することも
困難な状況です。
※賃貸マンションは、賃貸需要が旺盛になる年始に竣工する物件が多く、特に単身向けはその傾向
 が強いといえます。

そのような状況の中で、どのように購入の意思決定をしているかというと、“パース”と呼ばれる建物
の外観や室内を立体的に描いた絵や同タイプの竣工済物件を見たりして、意思決定を行っています。
本来であれば、竣工後に建物等を確認したうえで意思決定したいところですが、竣工を待っていたら、
他で成約してしまうからです。

この現象は、人気がある分譲マンションと同じです。

では何故、単身向けの新築賃貸マンションが人気があるのでしょうか?
私なりに考えてみました。

○税対策等の事由により、本業(職)ではない不動産投資を始める方が多く、手間がかからない収益物件
   を希望される方が多い。
○立地を重視して、主要駅徒歩圏内の収益物件を購入しようとすると単身向けとなってしまう。
○建物の税務上の耐用年数を基にして、融資の返済期間を決定する金融機関が多く、
   新築賃貸マンション(特に鉄筋コンクリート造)は、返済期間を長期にすることができる。
   また、長期の返済期間が可能となるため、一定期間所有後の売却がしやすくなる。
○新築と築後20年程度経過した物件の利回り(価格)が以前ほど変わらないため、
   資金調達が可能な方にとっては、長期及びトータル的に検討するとと新築が有利との判断となる。
○単純に見た目が良く、設備が充実している(旺盛な賃貸重要が期待できる)。

先に例に出しました分譲マンションと同じく、収益物件も新築の価格上昇に引っ張られる形で、
既存物件の価格も上昇しています。

現在の株高が続く間は、新築賃貸マンションの人気も続くものと考えております。

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