不動産コンサルタントのつぶやき

名南財産コンサルタンツ 不動産事業部 公式ブログ

日常

今後は、不動産の無償譲渡が増えるかも!?

空家が増えていることは、ニュースで取り上げられるなど深刻な問題です。

空家が増えれば、治安の悪化にもつながりかねません。全国の空き家は846万戸で、総住宅数に占める空き家の割合は13.6%に達しています。ただし、このデータは、総務省が公表した平成30年のデータであり、現在はもっと深刻な数値になっていると思われます。

不動産流通業界では、空き家と聞けば、売却のお手伝いができるなどチャンスとしてとらえることが多いのですが、それは街中だけのことであり郊外に行くと、低廉な取引価格となる不動産も多く、調査等に要する費用により赤字となることも想定されることからお引き受けすることが難しいと判断する宅建業者は少なくないと思います。

そのような事情もあり、国土交通省は、平成30年1月より宅建業者が宅地または建物の売買等に関して受けることができる報酬規定の改正を行いました。

○物件価格が400万円(消費税相当額除く)以下の低廉な空家等の土地又は建物
○通常の取引と比較して現地調査等の費用を要するもの

上記要件にあてはまれば、仲介手数料とは別に現地調査等の費用相当額の加算ができるようになりました。ただし、宅建業者が受領することのできる仲介手数料と費用相当額の合計は18万円(消費税相当額除く)が限度となり、受け取ることのできる相手方は物件の売却等の依頼者に限られ、買主等からは費用相当額を受け取ることはできません。

上記の報酬規定の改正により、取引価格400万円以下の低廉な不動産を取り扱う宅建業者は増えたかもしれませんが、仲介業者としての取引の責任と報酬とを天秤にかければ、宅建業者にとって十分な報酬とは言えず、積極的に買い手を探すことまではしないと思いますので、売りたい人と買いたい人とのマッチング数はそれほど増えないのではないかと思います。

そのような状況の中登場したのが、不動産を無償で譲渡するマッチングシステムです。マッチングシステムでは、宅建業者は仲介に入りません。ただ無償で譲渡したい人、無償で譲り受けたい人をマッチングするだけで、引渡しに関して司法書士等の専門家を紹介をするのみとなります。不動産が0円で手に入ることが魅力ですが、宅建業者が仲介に入らないため、法規制などは調査はされないため、不動産に問題がある場合があっても全て自己責任となります。

先回までに、相続土地国庫帰属制度別荘地の管理費問題について記事にしてきましたが、ただでもいいので不動産を引き取ってもらいたいと思う人が世の中には少なからずいらっしゃいます。

無償での譲渡も不動産の取引の一つの方法として、今後は広まっていくのではないかと個人的には思っています。

放置自転車

4月1日から道路交通法の改正により、自転車に乗る人全員にヘルメットの着用が努力義務となったことに併せ、名古屋市が放置自転車の台数が1番多い都市であることも報道されていました。

2021年度の調査で、放置自転車の多い自治体のワースト順位は以下のとおり。
1 名古屋市 5718台
2 大阪市  2552台
3 札幌市  1575台
〔調査は、2021年10月~12月の晴天の平日午前11時ごろ、駅周辺の放置自転車を全国904自治体が調べ集計〕

駅前などに自転車が放置されていることは常態化しており、報道されなければ気に留めていませんでしたが、街の景観を悪化させ歩行者や緊急車両などの通行の妨げになるだけでなく、高齢者や体の不自由な方の通行の安全をも脅かし、バリアフリーの観点からも問題です。

4月1日より自転車放置禁止区域を、これまでの栄駅・伏見駅周辺の他、大須や矢場町周辺にまで拡大し、これに伴い全体で6900台の自転車駐輪場を整備したとのことです。

自治体の対策も必要ですが、利用者への継続した意識付けが大切となってきます。これらの対策等が実を結び、放置自転車台数減少・ワースト脱却の報道をいつの日か見聞きしたいものです。 

引っ越し代

毎年のことですが、3月中旬から末までは転勤や進学などの引っ越し繁忙期です。

昨今の燃料費や物価の高騰で、引っ越し代の値上げ対応行っている業者もある中、2024年4月より、自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制が設けられるとの報道がありました。
トラックドライバーの長時間労働を改善するため、時間外労働時間上限が年間960時間に規制されます。この規制により、ドライバー1日の労働時間が短縮され、走行可能距離が2割程度減少されると予想されています。
また、引っ越し業界でも長距離引っ越しの場合、乗車するトラックドライバーの増員(交代要員)が必須となり経費が嵩むことから、今後、長距離対応に応じなくなる引っ越し業者も出てくるかもしれません。

慢性的な労働者不足もあり、通常期・繁忙期のいづれにおいても引っ越し代の相場が上がることは避けられず、繁忙期の引っ越しを断られるケースが増えてくるかもしれません。

転勤に伴う引っ越し代は会社負担となるケースが多いですが、進学や自己都合による転居などの自費での引っ越しは値上げの影響を直接受けるため、時間に余裕を持った計画的な対応が今まで以上に必要となると思われます。

公図が無料で閲覧できるようになる!

不動産の取引において、土地の位置や形状を確認することは必須の作業であって、その作業は、法務局に備え付けてある地図を取得して住宅地図などの資料と照らし合わせて行います。

法務局に備え付けてある地図は、大きく以下の①②に分かれています(法務省民事局の資料を参照)が、不動産流通の現場では、併せて公図として認知されています。

①不動産登記法14条1項に規定する地図(登記所備付地図)
筆界点に公共座標値を有するなど精度の高いものであり、地籍図、土地区画整理事業等により作成される土地の所在図、法務局が作成する地図等がある。→土地の位置及び区画(筆界)を現地に正確に再現できる地図

②不動産登記法14条4項に規定する地図に準ずる図面
地図が備え付けられるまでの間、これに代えて登記所に備え付けられる図面であり、地図に比べて精度が低いもの(各筆の土地の位置、形状等の概略は分かる。)であり、旧土地台帳付属地図 (いわゆる「公図」)等がある。

さて、法務局に備え付けてある地図の取得ですが、私が不動産業に従事し始めた20年前は、調査をする不動産を管轄する法務局でしか取り扱っていないため、遠方にある不動産の取引をする際は、その不動産を管轄する法務局に行っていました。それが、今では全国の公図をどの法務局でも取得できるようになり、インターネット(登記情報提供サービス)で確認することもできるようになりました。取り扱いは有料ですが、便利になってきたなとこの記事を書いているときに思い出していましたが、令和5年1月23日(月)正午より、法務局に備え付けてある地図が無償で公開されるというからとても驚いています。有料の場合は、なるべく取得枚数を削ろうとするため、本来ならもう少し広い範囲を調べたいと思っても取得を躊躇することも少なくありませんでした。今回の無償公開により、とことん調査しようかと思います。

なお、地図情報の閲覧方法など本件の詳細情報は、法務省のホームページにてご確認ください。

太陽光パネル設置義務化の報道を受けて

先日、東京都で新築住宅への太陽光パネルの設置を義務化するための条例案が可決されたと報道されました。

設置義務は2025年4月からで、都内で住宅を供給する延べ床面積が2,000㎡以上の大手住宅メーカーが対象になるそうです。個人で住宅を建築する場合は対象外とのことです。

太陽光パネルの義務化は、画期的だと思いました。義務化により、太陽光パネルが設置された住宅は、ますます増えていくと思いますので、より身近な存在になるのではないかと思います。住宅を建築される方は、自動車で言うカーナビのオプション設定のように、当たり前に設置の検討をするものになると思います。

最近では、ウクライナ情勢により、エネルギー価格が高騰しています。エネルギー価格は外部要因による影響が大きいことを改めて感じているので、少しでも自分で利用するエネルギーを自分で用意しておくことは必要だと感じています。私は、築後10年のマンションに住んでいます。今のマンションに太陽光発電のパネルは設置されていませんが、もうすぐ大規模修繕の時期になります。費用対効果を考えなければなりませんが、大規模修繕のようなイベントの機会に、検討することも必要なのではと感じています。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ